- Sept 15, 2010
- 10:50 秋学期の授業のシラバス終了。デザイン思考と数理モデルについて。ちょっと紹介しておこう。この講義は確率論であるベイジアンネットワークと主観的なモデリング手法をインターラクションデザインの手段として教える。
- 10:51 現在、Webのみならず、日本では小林繁さんが中心になって普及させているPhysical Comptingによって多くのセンサーやアクチュエータが日常世界で暮らしている我々の身体の延長としてサイバースペースにアクセスしている。
- 10:55 す ると、大切なのはネットワーク側で、インタラクションによって入ってくる情報を加工して利用者に戻す作業になる。このようなサービスの範疇は、個人の嗜好 にあわせたパーソナライズの方法だけではなく、個人の領域を超えた社会的な関係を考慮した環境の中での最適なサービスが含まれる。
- 10:56 そ こで、本講義では、社会システムにおけるインターラクションの手法として、次世代のウェブサービスとして注目されている社会的なパーソナライゼーション構 築技法としてのベイジアンネットワーク理論を勉強していく。だが、ここから先がポイント。最近このあたりを学生に教えているが、問題がある。
- 10:59 数 学とオブジェクト指向プログラミングが「目的化」してしまうのだ。そこで、エスノグラフィーに基づいた仮説をまず立てさせて、それを元に、一人ひとつモデ ルを構築することを目標とした。現実世界からのインプットがどこからくるのか、モデルのアウトプットを何に利用するのかを考えてもらう。
- 11:00 履 修は、高校数学の基礎的な確率論を理解していることが前提である。
- 第1回 インターラクションデザインにおける主観的モデリングと確率論。
- 絶対と言い切れるものはない世の中の事象を、確率論としてとらえ、インターラクションデザ インに実践していく。確率の基本を身につける。
- 11:00 第2回 確率論と因果関係。
- 命題論理と集合の記法などを用いて、確率的事象を学び、世の中の事象を切り取って因果関係を表示する。事前確率、条件つき確率について学ぶ。
- 11:01 第3回 ベイズ確率、ナイーブベイズモデルの理論。
- ベイズ理論を学びながら、証拠に伴い確率がアップデートされていく事象をとらえる。基礎的なナイーブベイズを導入する。
- 11:01 第4回 ナイーブベイズモデルの実装、ベイジアンネットワークの導入。
- 個人の体験をもとに、ナイーブベイズモデルを構築してもらい、それをNeticaを用いて確認する。ベイジアンネットワークの基本を導入する。
- 11:01 第5回 エスノグラフィー調査からたてる主観的モデルの理論。
- 個人のエスノグラフィー調査をもとに、事象の因果関係を導き仮説をたてる。その仮説を主観的モデルに落とし込む。
- 11:02 第 6回 エスノグラフィー調査からたてる主観的モデルの実装。
- 立てた仮説の主観的モデルに、現実世界からインプットを得るための実装を行う。アウトプットの結果が 何に利用されるのかをきちんとふまえて構築する。
- 第7回 構築したモデルの実装とプレゼンテーション。
- 皆で実装したモデルを共有する。
- 11:04 こんな感じである。ポイントは数理モデルではなくて、主観的なモデルをフィールドワークの経験から作りそれをベイズネットモデルに翻訳して、プログラムを書き、インプットしたデータが処理されてアウトプットされたときに生まれる価値を自分の責任で考えることにある。(完)
analysis
2010年9月16日木曜日
デザイン思考と数理モデル 秋学期授業案
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