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2010年5月29日土曜日

21世紀の工学部をどうイノベーションするか NUSの場合

  • 2010年5月28日
  • 15:20  10時からNUSで打ち合わせ。EDICとDCCと、D-ETMが提供するMOTにIDTをコア モジュールとして提供する話、ってなんのことじゃ?IDTがIntegrative Design Thinkingってのは分かった。
  • 22:33  デザイン思考を工学部教育に導入する議論を朝NUSの機械工学の教授と。なぜ部品しか作れない か、なぜメタデザインが行えないか、彼らの答えは「大きなピクチャーを学生がもてないからだ」であり、僕の答えは「人間の生活を観察する目ができていない からだ」。似ているようで一寸違う。
  • 22:38  DCCのテーマは、持続的なスマートシティ、新しい交通網、次世代医療機器となかなか面白いが、結局20世 紀のデザインを踏襲しているだけで、あたらしい形や機能を発見しているわけではない。車や高層ビルや急性期医療機器だけがデザインする対象ではないはず だ。
  • 22:40  だが、共通点もあった。機械工学はラピッドプロトタイプができるが、電子工学はなかなか出来ない。 Tinkeringを導入する必要があるというところは意見があった。次回は実際にデザイン中心工学の授業をおこなっている教員と詰めた話をすることにし た。
  • 22:43  D-ETMは工学部のMOTの大学院のコースの話。こちらの方は順調に話が進んだ。八月の半ばに5日間でデザイン思考ワークショッ プを提供することになり、その準備を始める。丁度ドラフトが出来かけている英語版デザイン思考ワークショップの本の作業と並行で行うことにした。
  • 22:44  EDICがデザイン思考スタジオを欲しがっているので、柏樹さんがデザインしたスタジオのデザイン を使うことにした。知財はCuteセンターが守っているので、その交渉をすることになった。
  • 22:46  ビジネススクールはティモシーブラウンの本をつかってデザイン思考ワークショップをおこなっているが、技 術が全く入っていないので、あまりたいしたことにはなっていない、ということで、こちらはMOTとDCCのデザイン思考のワークショップが動くようになって から呼びかけようと言うことになった。
  • 22:57  最後に残ったのは建築とインダストリアルデザインのチームとのコラボレーションだ。ここは何度も試みては うまくいかなかった。ここは彼らのグループとは別に、僕のほうで話し合っていくことにした。

デザイン思考と経営戦略

  • 2010年5月27日
  • 06:26  Ideoはインドに事務所を開き、シンガポールにも結局は駐在員を置く形になる。上海の事務所を通じての 事業展開。民族誌が出来るスタッフを募集中。
  • 06:28  一方フロッグデザインは、マーケット調査を徹底的に地元のスタッフで行い、その結果が出たらカリフォルニ アからデザイナーがやってきて、スタイリングを行う。昔ながらの方法。だがいまのところこの方法がアジアの消費市場では喜ばれる。経験デザインと大量消費 型洗練デザイン、さてどうなるか。
  • 06:31  結局の処デザイン思考を前にだしているデザインコンサルタント事務所が大企業のイノベーション戦略にどれ だけコミットできるか、がポイント。ここは実はマッキンゼーのような戦略コンサルタント事務所も手が出ていない。勿論IDEOなどのデザインコンサルタン ト事務所も同様だ。
  • 06:35  デザイン思考とTinkeringをくみあわせたプロトタイプを経営陣にデモして、イノベーションへの経 営的判断を行ってもらう、これが出来たらデザインコンサルタント事務所は戦略立案事務所を抑えて、トップコンサルティングが出来るようになる。
  • 06:44  だが、これはマッキンゼーのような戦略コンサルタント事務所がデザイン思考とプロトタイプ作成能力を身に 付ければ、このマーケットは彼らのものになる。またワイデンケネディのような広告代理店がデザイン思考とプロトタイプ能力をみにつけると経営戦略コンサル が出来るようになる。
  • 06:47  いずれにしても、21世紀に企業が生き残っていくためには、マーケティングだけではなくてイノベーション を方法として経営に取り込むことが必要なのだ。マーケティングの方法はあるいみコモディティ化して誰でもある程度は出来る。イノベーションに果敢に挑戦す る企業だけが生き残る。
  • 06:49  ポイントは、イノベーションに成功する企業が生き延びるがその能力を持っている企業は少ない。したがって ここにコンサルティングの市場がある。だがこの市場に入っていく方法論も、それを正当化する経営スキーム(要するにいくら払うか)も存在していないのが現 状だ。
  • 06:52  P&Gはイノベーションの費用を通常の経営の費用から切り離した。成功や失敗と関係ない費用とし たのだ。いってみれば研究開発の費用である。だが、イノベーションにこうした費用を当てている会社は少ない。なぜならイノベーションは「研究開発」のよう な先端技術を必要としないからだ。
  • 06:54  枯れた技術の方が良い。これを破壊的技術という。安くてどこでも調達できる技術を組み合わせる。組み合わ せるところにメタデザインあるいはメタエンジニアの能力が発揮される。i-Padが技術的にはたいしたことがないという議論があるが、部品をまとめたメタ エンジニアリング能力は非常に高い。
  • 06:59  メタエンジニアリングあるいやメタデザインを評価できない。ここを分かってもらうにはプロトタイプで見せ るしかない。大企業にその力がなければ、そこに経営コンサルティングの市場がある、ということである。この市場をとるのは誰か?デザイン思考や Tinkeringの議論はここにつきる。
  • 08:14  いまシンガポール国立大学が僕のデザイン思考のワークショップに興味を持って、授業に取り込もうとしてい る。工学部の学部、大学院、社会人MOT大学院、ビジネススクールである。ここに同じモジュールでデザイン思考を組み入れるにはどうするかを考えている。
  • 08:16  複数領域がコラボレーションしないとイノベーションは発生しない。どうやればいいのか、それ自体をイノ ベーションする必要がある。だが、新製品だけでは無く、製造方法、素材、流通、そして組織。すべてを総合的にイノベーションして行かなくてはいけないの だ。これをやりきる動物的スピリットが必要。
  • 08:18  創造性を教えるだけでは腰抜けになる。Tinkeringを教えるだけでは社会性がない。現場に放り込む だけでは破壊的イノベーションは出来ない。さあどうする?この問題をシンガポール国立大学に新しいカリキュラムを提供する実験の中から考えてみたい。 KMDのメソッドを普及させる試みだ。
  • 08:34  経営陣へのイノベーションコンサルティングは、経営戦略を語ることが出来るコンサルタントによる説得、経 営陣を実際にデザイン思考ワークショップに参加させて創造性が生まれる瞬間を理解させる仕掛け、そして市場調査をふまえたイノベーションのプロトタイプの デモから構成される。
  • 08:35  技術やアイデアのデモではない。イノベーションそのもののデモである。製造から流通から組織までを含んだ 総括的な提案だ。これを行うことが出来たところがいま企業が直面しているイノベーションへの渇望に答える新しいタイプのコンサルタントとなる。国際的な競 争が始まったと言える。

2010年5月22日土曜日

Tinkeringしなくちゃ意味がない

  • 2010年5月21日金曜日
  • デザイン思考にはTinkeringが不可欠である。この問題について考えてみたい。
  • 09:01  「出来るならやってみろと言いたい」これは数年前デザイン思考ワークショップの走りの頃ある巨大企業のR&Dのトップの人と僕とで作りながら考えるという方法を仕掛けたとき、トップが部下について語った言葉。作りながら考える、エンジニアもデザイナーも実は出来ない。そこに謙虚になることが大切。
  •  
  • 09:03  いまデザイン思考ワークショップが多く行われているが、これはこれで問題がある。出来ることしかしない。出来ないこと、動かないことに挑戦しないと、イノベーションではなくて小さな発明ごっこになる。つくるけど考えない。これも問題なのだ。なので大切なことは何を作るかの哲学とビジョンを持つ。
  •  
  • 09:04  哲学とビジョンをもって、フィールドワークを行う。ここでもなにか「気付く」こを焦る。すると凡庸なものになる。自分がフィールド経験で変わる。変わった自分が創造性にむかってジャンプする。ここを演出できるのがデザイン思考のファシリテーターである。
  •  
  • 09:05  粘土やダンボールで形をさぐるのはプロトタイプではない。これも思考なのだ。文字ではなく、形や感触で「考える」。そして考えたらいよいよプロトタイプだ。ここはTinkeringと呼ばれる作業である。電子工作だ。
  •  
  • 09:07  電子工作は考えて作ったコンセプトをインタラクションの中に、つまり時間軸のなかに入れる作業である。この能力無しにはデザイン思考は成就しない。今日は10時から小林茂さんを師匠にKMDメディアファニチャーグループはこの技法を習得する特訓コースを受講する。日本で最も知られているTinkeringのエキスパートである小林さんは現在KMD博士課程に在学して論文執筆にむけて研究中である。
  •  
  • 09:09  デザイン思考におけるTinkeringは電子工作が目的ではない。できることを工作で作って楽しむという方向は楽しいが、メタデザインを創造するというイノベーションの極北を目指すにはあまりに志が低い。週刊ダイアモンド5月22日号で「たかが」電子工作が特集されるのは、それが産業構造を破壊的に革新する起爆力があるからである。
  •  
  • 09:10  ソフトウェアを人民の活動基盤として取り戻すために、オーライリー氏はフリーソフトウェアの使い方を普及する出版活動をした。いま彼が電子工作の普及に取り組んで、雑誌 Makeを出版し、さらにMakefair等に力を入れているのは、ハードウェアの基盤を人民の手に取り戻すためだ。
  •  
  • 09:12  我々の課題は、こうして獲得できるところまで整備された「電子工作」リテラシーをいかに素早く確実にみにつけて、新しいメタデザインのプロトタイプを作りながら考えられるかである。口先の企画も駄目だし、動くだけの技術をおもちゃにして出来ることしか考えないエンジニアリングもだめだ。
  •  
  • 09:13  ビジネスイノベーションとメタデザインとメタエンジニアリング。これを融合する方法がデザイン思考による創造的コンセプト創出とTinkeringによるプロトタイプの作成。そして、Demo or Die。おっと日吉に行かねば。続きはまた。
  •  
  • 13:34  小林茂さんとメディアファニチャーグループのワークショップをちょっと覗いた。コンテキストを民族誌手法で調査して、アイデアを形で考えてコンセプトに近づけていく議論を積み重ねる。これをTinkeringでプロトタイプにして動くデモを行う。この技法を身体化することがデザイン思考には不可欠。
  •  
  • 13:51  デザイン思考の特徴は沢山のアイデアを瞬間的に生み出すことにある。ほとんどはたいしたことのない凡庸なアイデアだ。だがアイデアが多数あつまり、エネルギーとなって全く新しい創造的なアイデアが創出する。なので、最初のアイデア群にはいいアイデアが無いのが普通。それを恐れてはいけない。
  •  
  • 13:57  閃きのアイデアの作り方はジェームス W.ヤング『アイデアのつくり方 』に詳しい。デザイン思考の方法の御先祖だ。この本はもう亡くなったが地球物理学者の竹内均さんの解説が素晴らしい。 ぜひ一読を。
  •  
  • 14:19  プロトタイプという言葉で専門家が思いつくのは、製造することを前提とした商品の詳細を検討する仕組み。これはデザイン思考でいう「プロトタイプ」ではない。Tinkeringで組み立てて動かして、コンセプトが正しいかどうか検討するのがプロトタイプ。この作業をスケッチングとも呼ぶ。
  •  
  • デザイン思考はTinkeringしなくちゃ意味がないのだ。
  • 敬愛するデューク・エリントンに倣えば
  • It don't mean a thing, if it ain't got that tinkering
  • It don't mean a thing all you got to do is think

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2010年5月20日木曜日

インタラクションデザインにおける「デザイン」の価値

2010年5月18日

   * 11:38  プロダクトデザインに、高度な技術は必須だが、デザインを論じるときに技術は前に出ない。インタラクショ ンデザインを論じるときに技術が前にでるのは、デザイン側のパワーが不足しているからだ。インタラクション技術先行はバウハウスの時まで機械技術が先行し ていたことと同じ現象だ。

   * 11:42  インタラクションデザインにおけるデザイン、つまり全体性がある形は時間の中にある。物語でしか語れない 経験をデザインする必要があるのだ。時間変化がスナップショットでしか語れなかったのが1980年代ポストモダンの時代だ。あるいはナイジェル・コーツの ナラティブ・アーキテクチャーだ。

   * 12:15  ポストモダンデザインはSottsassが主導したMemphisMendiniが動かした Archemiをもう一度時間軸をいれて考えることが大切。googleでイメージ検索するとたっぷりと鑑賞できる。目を肥やしておこう。


   * 12:20  Mendiniの路線はAlessiのデザインとなって今日存在している。この可愛い一連のデザインがイ ンタラクションになっていない。ここは非常に大きな領域だ。下記のWebを堪能して欲しい。http://www.alessi.com/en/

   * 12:22  Sottosassの切り開いたMemphisはデザイナーの自己満足的アート主義に引き継がれてしまっ た。アートとは一線を画して、メディアファニチャープロジェクトがぜひとも日常世界の中でSottosassの挑戦を引き継いで欲しいところだ。何もないところだから。

   * 12:26  ナイジェル・コーツは元気だ。奇をてらったインスタレーション建築と1980年代後半のバブル時代に揶揄 されていたが、ミラノサローネでは面白い展示をした。この分野はresponsive environmentとして展開している。 http://www.nigelcoates.com/

   * 12:29  Memphisに関して補足。芸術を目指したデザイナーのポストモダン遊びを捨て去り、日常生活に時間軸 のある表現を持ち込む。家具のデザインの再編を試みる。これがソットサスをデザイン的にいかに継承するか、である。時間、すなわちインタラクションデザイ ンだ。

   * 12:34  おさえるところは以上で紹介した。googleでのimage検索が豊富な経験を与えてくれる。時間をか けて紹介したデザイナー達の作品のイメージを味わって欲しい。彼らのデザインが動き始めたらどうなるか、そのファンタジーワールドを創造して欲しい。以上 で15分間デザイン講義終了。

2010年5月19日水曜日

プロトタイプ:Demo or Die への心がけ

  • 09:33  デザイン系のプロジェクトにおいて、プロトタイプのデモへの心構えが不足している。全体を感じさせるデモをして評価をして次に進む。要素技術のデモは駄目。プロトは最初から全体の姿を持っていなくてはいけない。未熟で構わない。作りたいモノの全体を最初から見せる。電子工作はそのための武器だ。
  • 09:36  Jef Raskin The Humane Interface, Bill Buxton Sketching User Experiences,そして、Bill Moggridge Designing Interactionsの3冊はプロトタイプデモの必読書。座右に置くように。
  • 09:39  自分が獲得した経験がアイデアを生み、それがコンセプトになりそれをプロトタイプデモにして人に説得的に伝える。この作業を地道に繰り返してブレークスルーをしたチームだけが「デザイン」にジャンプしたと言える。全体性を含んだプロトタイプに挑戦し、古い言い方だが "demo or die!"
  • 09:42  崖から飛び降りるような恐怖をもってデモに挑戦し、何度敗れても良いではないか。いつか飛べる。失敗がないのは当たり障りのないことをしているからだ。全体性(コンセプト)のあるプロトタイプデモに挑戦する。この勇気が創造性を生む。今後僕の前でプレゼンをする時はこのことを忘れないように。
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2010年5月15日土曜日

Research Methods

  • 16:56  Every student who plans to write a thesis should understand what research methods are. For example, check http://bit.ly/9b32yh
  • 17:00  社会科学的な修士論文を書く学生は盛山和夫さんの『社会調査法入門』くらいは目を通すこと。統計の基本からどのような問いをたてるかまで丁寧に説明している。
  • 17:02  フィールドワークを元に主観的な研究をする学生は佐藤郁哉さんの『質的データ分析法』に目を通すといいかな。
  • 17:04  それとなによりも正しい思考をするためには戸田山和久さんの『科学哲学の冒険』を読んでおこう。これを理解した上で、科学の外にでるのがデザインだ。科学のメタファーで現象を語ってはいけない。一方印象的に経験を語ってもいけない。これが学問のお作法。
  • 17:07  モノを実際に作った学生はそのモノと自分の関係にしっかりと焦点を当てよう。モノがつくれなかった学生は自分の経験に目を向けよう。そしてそれが人に伝わるようにかき、それが正しいと相手を説得する。納得しているのが自分たちでは論文だけではなく、モノも作品として成立しない。

2010年5月12日水曜日

『ぱくり学入門』とDada

  • 14:23  びっ くりする本を入手。黒川芳朱『ぱくり学入門』。創造性を論じた書評本なのだが、30年間親しんで読んできた作者が目白押しでびっくり。岡本太郎、植草甚 一、鶴見俊輔、水上勉、西岡常一、池波正太郎、寺山修司、土方巽、正高信夫、野口晴哉、片岡義男、稲垣足穂、折口信夫。 #OKBooks2
  • 14:25  相 倉久人など。で塚原史『ダダ・シュルレアリスムの時代』が紹介される。塚原氏の解釈はともかく、詩人トリスタン・ツァラは意味を剥奪して発した言葉が、人 工性(意図的な意味の剥奪)とそれによる初源の表れの二つを同時に持つと主張。ぱくりの中にしか究極の創造はないのだ。 #OKBooks2
  • 14:40  創 造性は没個性の中にある。アメリカの詩人TSエリオットは、ヨーロッパに同化しようと、ダンテを借用し、伝統的な英国国教会に向かい、純粋詩と写実主義演 劇に反発した。だが、このエリオットの没個性の努力を笑うように1916年、ダダが生まれる。すべてを無視して嘲笑した。 #OKbooks2
  • 14:46  ツァラの没個性は「芸術や文学、その他この世の手垢にまみれた習性を突き破って<いまの生>そのものを優先させること」である。本田錦一郎『ヨーロッパの文化・文芸とケルト:学問を野に放つ試み』214ページ。 #OKBooks2

メディアデザイン基礎中間発表コメント

  • 10:59  Team 3min. 食事への感心>食べ物から連想できる風景を思い出す>>メイドカフェとクエート料理をフィールドワーク>>たのしい「コンセプト」さらっちょ おさらにやどるペット>>どっきとする表現を恥ずかしがらないで前に出す。 #kmdmediamid
  • 11:02  Kindly Painter ビデオ>>他人のままのコミュニケーション>>譲り合いのコミュニケーションのフィードワーク:みんな親切だった>>発想が「無意識領域」に届いていない。>>コンセプトが弱い・構造が見えない。  #kmdmediamid
  • 11:07  どんじゃら:会えない人とつながっていたい>>他者と繋がりを求める女子高生>>モデル分析>>どんじゃらくん(コンセプト)>>プルーフ出来るか?>>ここからが勝負だな。いまのままではもう一息。 #kmdmediamid
  • 11:14  たねっと:親子のコミュニケーション>>積み木おじさんのフィールドワーク>>分析(良いね)>>アイデアのジャンプが弱い。積み木の身体性が消えた>> #kmdmediamid
  • 11:19  よせなべ:モチベーションを上げたい>陶芸家のフィールドワーク>師匠は弟子の動きを細かく見ている>はなすことでモチベーションをコントロール>話し手を主役にする照明>酒場の演出  とても良い>>どう実装するか #kmdmediamid
  • 11:23  6番目 ゴメンメモが消えた
  • 11:28  Doit: 寂しさ>一人暮らしをしても母の愛情を感じられる>メンバーの母をフィールドワーク>母の存在を感じられるコミュニケーション>>これは社会に必要なのか?コンセプトの変な感じは良いけど>> #kmdmediamid
  • 11:31  T-Bomb: 写真を見る機会を増やす>子供の写真を撮っているお母さん>>フィールドワークの分析はいい。>「気付き」をもとにしてコンセプトをデザインしてはいけない。インタラクションがつまらなくなる。 #kmdmediamid 
  • 11:39  Washlett:プロトタイプビデオ>コンセプトがみえない>トイレにおもてなしの心を>脱4K>トイレが楽しくなさそう>流す度に楽しくなるトイレ>コンセプトがない。 #kmdmediamid
  • 11:44  スーパーチキン:駄菓子屋に注目して楽しめる場所を作る>交流ノート、当たりくじランキング>コンセプト:知らない子をくっつけるデジタル駄菓子・サイネージ・SNS>>おっさんが考えるようなマーケティングアイデア>いかん。 #kmdmediamid  
  • 11:48  run: 日本人の運動不足>ランニングを楽しくする>ランニングコミュニティのプロ>フィールドワークから「気づいては」いけない。分析をインスピレーションのソースとする>>コンセプトにジャンプする:出来ていない アイデアは悪くないが  #kmdmediamid
  • 11:54  nyan: 電車の中でのすごしかた>>電車の中をゲームにする>>アイデアをむりやりコンセプトにして、コンテキストが見えない 電車の中でインタラクティブなゲームができるか。アイデア出すだけになる。 #kmdmediamid
  • 11:59  IT's You 毎日を楽しく過ごしたい。>美容院>自分が主人公になる>カメラが主人公を追って、その映像を背景に合成する>コンセプトのプルーフ:ムービーで> #kmdmediamid
  • 12:06  Limited 60:赤信号の待ち時間>青信号になるまで楽しむ>重量挙げの選手をフィールドワーク>交差点で60秒ゲーム>もう一息でとてもよくなる #kmdmediamid
  • 12:09  きしくんたけなかくん:喫煙者と非喫煙者のコミュニケーションを行う装置>ライターと携帯ストラップ>分身がけんかをする>自主的な分煙を>コマーシャルとサービスデザインの違いがわかってないか #kmdmediamid
  • 12:15  モノリス:ビデオ>白い板にIDをかざすと個別のイメージが表示される>人の輪の中心>短時間に意思疎通を行う能力>分析>「気づき」をしてはいけない。  #kmdmediamid
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2010年5月10日月曜日

OKBooks書評その1

10年くらい前に読んで面白かった本を紹介していくのが #OKBooks。気が向いたらまたやってみる。

2010年03月07日(日) 3 tweets

書棚から今日の一冊 大林信治・山中浩司(編)『視覚と近代:観察空間の形成と変容』(1999年) 名古屋大学出版会 「目覚めたもののための人工の夢」が序論。幻影の中に近代を経験した我々はどうすみこんでいくのか。ARの緊急のテーマはここにある。 #OKbooks
posted at 11:33:52 削除

書棚から今日の一冊。小山清男『幻影としての空間:図学から見た東 西の絵画』(1996年)東信堂。3次元を2次元に変換し、かつ3次元を感じさせる仕組みを「幻影」と呼ぶ。西洋の線遠近法を中心に日本の絵画と、クレー やピカソなど遠近法を超えるモダンな絵画の手法も説明する。 #OKbooks
posted at 11:35:49 削除

書棚から今日の一冊。 J.ヒリス・ミラー『イラストレーショ ン』(1996)法政大学出版局。英語圏の脱構築哲学者で30年たってみるとミラーの研究が光る。ベンヤミンをこえて、「デジタル複製技術時代」を論じ、 言葉とイメージが共存する世界を現象学で考える。凄い!  #OKbooks

2010年03月08日(月) 1 tweets

書棚から今日の一冊。渡辺裕『新装増補 聴衆の誕生』(1989) 春秋社。クラッシック音楽の絶対性を、聴衆にむけて演奏していた音楽だと実証的に言い切ったポストモダンの名著。だが「7年後のポストモダン」がさらに素 晴らしい。絶対性の音楽は誤りではなく「幻想」なのだと。

2010年03月10日(水) 2 tweets

書棚から今日の一冊 古川一義『プルースト美術館』(1998)筑 摩書房。21世紀は「幻影」に向き合っていく世紀になる。そのことを予言して小説で実践していたマルセル・プルーストを堪能する補助線として彼の幻想と絵 画の関係を探る。モネとギュスターヴ・モローの章が秀逸。 #OKBooks
posted at 10:27:11 削除

書棚からの今日の一冊 ヴィレム・フルッサー『テクノコードの誕 生:コミュニケーション学序説』(1997)近代の枠組みは壊れた。いま、君は古代の呪術に戻らずに人間性の回復を行う。新しいメディアとそれを操る文法 を自らの手で作るのだ。その時、必ず本書を読んで欲しい。 #OKBooks

2010年03月12日(金) 1 tweets 

書棚から今日の一冊 イー・フー・トゥアン『トポフィリ ア』(1992)計量中心だった地理学に現象学を持ち込んだ名著。エコロジー運動もここから始める。学ぶべきは現状に「否」を言う単線思考ではなく、日常 生活への寛容的態度。複雑で繊細な感受性。人間と環境を愛する知性。 #OKBooks

2010年03月16日(火) 1 tweets  

書棚から今日の一冊 篠原資明『ドゥルーズ』(1997)物質とイマージュを等値するベルグソンの考えをさらに展開し、関数を使う科学と感覚を使う芸術を統合する哲学を模索したドゥルーズ。メティエ(手法)に注目して感覚の論理を見つけていく。篠原氏の説明が冴え渡る。 #OKBooks

2010年03月17日(水) 1 tweets 
書棚から今日の一冊  佐藤文隆『量子力学のイデオロギー』(1997)古典力学を超える現象が量子力学で定式化されて、ハイテク製品となり市場に溢れている。なのに、我々は 19世紀的身体の檻の中だ。それを突き破り、新しい身体性を獲得するために本書を読む。文章は明快だ。 #OKBooks

新しいビジネスの形

2010年04月06日(火) 16 tweets ソース取得:    最近ビジネスのあり方を根源から再考している。 #OKBusiness
posted at 18:50:06

グローバル社会の中を生き残る経営ってなんだろう、と考える。ドラッカーが『マネージメント』を著してから、およそ半世紀。なんだか、全然別の考えが必要になってきている気がする。とても気になる。 #OKBusiness
posted at 18:51:44

グローバル化の企業戦略も要再考。マイケル・ポーターが強烈な枠組みをつくり、世界中の企業がそれを踏襲して、現在にいたる。多くの人はこの戦略のおかげで不幸になった。利益を追う人が理想を追う人を追い落としたわけだ。でも理想を追う側に問題がなかったわけではない。 #OKBusiness
posted at 18:57:38

ヘンリー・ミンツバーグが考えるように、もっと直観的に戦略を立案した方が良い。だがそのときにその戦略を実行する戦術は?合理的な競争戦略に対して直感的な戦略で対抗するには、戦術実践力ではないか? #OKBusiness
posted at 18:59:18

ジェフリー・ペッファーやロバート・サットンはリーダーが部下をどう見るかを「組織行動学」という分野で研究した。人の配置や評価を考える「人事」とは別の考え方だ。人を生かす経営と言って良い。 #OKBusiness
posted at 19:00:38

直感的な経営戦略立案と人を生かすマネージメント。残るはなにで収益を上げるか、の問題である。もちろん売れる商品・サービスだ。だがそれはなにか?流通網が整備された商品だというのが、一つの答えだ。商品学という。だが、流通の負荷が減ってくると、答えは違ってくる。 #OKBusiness
posted at 19:02:33

安い商品が売れる。これも一つの答えだ。製造設備が進化して高性能のものがやすく作れるようになった。さまざまな商品がコモディティ化した。この流れは止まらないだろう。合理的な競争戦略と管理マネージメントと組み合わせれば最強だ。だが、輝きのない世界だ。 #OKBusiness
posted at 19:03:49

コンテナ船の登場によるグローバル流通の高度化も安い商品の登場に貢献した。巨大な小売店舗が登場する。なんでも買える。高度な工場とグローバル物流。誰もが否定できない正論を採用して、大企業は疲弊していく。 #OKBusiness
posted at 19:05:02

Commodification(コモディティ化)が促進された80年代、企業は既存の商品のブランド価値を高める方法を模索する。アーカーのブランド優位の戦略の登場だ。だが、ブランド名やロゴ、キャラクター、パッケージやスローガンなどでモノの価値は上がらない。 #OKBusiness
posted at 19:16:52

ブランドはモノからユーザーの感情へとビジネスの焦点を移動させた。だがまだモノを売ろうとしていた。それに対して、モノを使うユーザーの経験をビジネスにするべきだと考える人たちが登場してきた。シュミットの経験価値マーケティングとギルモアの経験経済だ。 #OKBusiness
posted at 19:47:09

ブランドと経験は両方ともユーザーの感情に訴える。したがって、そ の区別は付きにくい。マーケティングの視点からは感情を重視するものの、実際の人々が手にする具体的なモノやサービスにおいては、機能と便益 (F&B)を提供するという思考の枠組から離れていなかった。 #OKBusiness
posted at 19:58:27

ギルモアは『経験経済』において、F&Bではない価値をモノやサービスに加えることを提案している。シュミットにしても同じだ。スターバックスやナイキは経験に価値をつけて(値段を高くして)提供して規模を拡大してきた。 #OKBusiness
posted at 20:00:58

F&Bではないモノをどのように知財として保護するのか。 特許はF&Bの固まりだ。だが経験は著作権、意匠権、商標法、不正競争防止法などが知財になる。ここが分からないと、モノやサービスをうけたとき にユーザーの心のなかに生じる幸せな気持ちをビジネスにはできない。 #OKBusiness
posted at 20:06:19

さて、モノやサービスが人の心に引き起こす感情を重要視すると、良いものとは人の心を打つものだ。わくわくしたり、どきどきしたり、感動で涙が出たり、いとおしくて抱きしめたり、友達に話をしたくなったりするモノやサービスが大切になる。当たり前だよね。 #OKBusiness
posted at 20:15:53

ところが、人のこころを揺すぶるデザインはモノを売るための手法に過ぎなかった。人は機能やベネフィットを合理的に判断してお金を払うとされたのだ。デザインで人のこころを揺すぶるとは、人を惑わす方法とされてきた。確かに広告や販売員のセールスピッチは怪しい。 #OKBusiness
posted at 20:23:46

経験や感情をビジネスにする場合の知財のあり方については、鈴木公明氏のわかりやすい論文がある。http://www.tokugikon.jp/gikonshi/249tokusyu5.pdf #OKBusiness
posted at 21:43:32

2010年04月07日(水) 8 tweets ソース取得:    ダン アリエリーの『予想どおりに不合理—行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』 が示すように、行動経済学はモノやサービスを購入するのは機能や便益ではなくて、使って、楽しいか嬉しいかという非合理な感情だ、ということを説明してきた。 #OKBusiness
posted at 06:27:41

モノやサービスが選ばれないないのは使っていて嬉しくないからだ。売れないのは使いにくいからというユーザビリティスタディも、誰でも使いやすくしましょうというユニバーサルデザインも、地球に優しい機能を付けましたというサステナビリティデザインも「選ばれない」。 #OKBusiness
posted at 06:33:29

マネージメントやマーケティングの理論の根幹には人間は合理的で機能と便益をもとめて意思決定をするという前提がある。この前提をもとに社会システムを組み立てて、市場という魔物に挑み、合理的なシステムが生き残ってきた歴史がある。でもそれは20世紀の話だ。 #OKBusiness
posted at 06:39:13

行動経済学は2002年にKahnemanがノーベル経済学賞を受賞したがビジネスの世界ではあまり注目されていない。行動経済学では消費者の行動を実証データで分析し、効用理論を否定し、感情によって消費者行動が決まる価値関数を主張している。 #OKBusiness
posted at 06:45:53

人は感情で動く。つまり自分の意思を持っている。これは近代社会の「個人」の考え方と異なる。ジェファーソン達はアメリカ独立宣言で「全ての人間は平等に造られている」と述べた。人間は原子(究極の分割不可能な要素)なのだ。法律も経済理論も人間=原子が基本だ。 #OKBusiness
posted at 06:56:40

だが、個々人が「平等」ではなく、自分自身が置かれている状況に対してさまざまな感情をもって対応すると考えると、それを引き受ける社会システムの設計は根本から変わってくる。これは西成 活裕氏が『 渋滞学』 で説明したことだ。 #OKBusiness
posted at 06:59:51

西成氏は道路やネットワークなど物理的な環境のデザインへの新しい取り組みを示したが、これを政策や組織のデザインに展開する方向を模索しているのが、セイラーとサンスティーンのNudge(『実践行動経済学』)である。 #OKBusiness
posted at 07:03:37

サンスティーンは人間が重大な意思決定をするときに、ちょっとしたおすすめ(Nudge)をして、楽しく選択をしてもらう仕組みを提案する。決定が押しつけるられるのではなく、選択なので個人は満足する。だが、最終判断が選択枝であっても成立するシステムが必要になる。 #OKBusiness
posted at 07:08:33


Permalink - 2010年04月07日

2010年5月9日日曜日

21世紀デザインにむけて

  • Mon, Apr 26
  • 15:47  工業デザインって大味な悪趣味(キッチュ)の洗練だとおもう。人々が好む物が悪趣味だって芸術家が憤っていた19世紀後半に登場して、新しい美を宣言した。大量生産できる美だ。既製品(レディメイド)ですら芸術になる。デュシャンの発見は工業デザインの中で展開していく。
  • 15:52  大 量に作るための工場設備と新しい素材の発見と、製品を売る広告と製品のスタイリングとパッケージ。これがすべてだ。だが、このなかで美が可能だと発見した のがモダンデザインである。複製技術が登場したからだ。だが、そこから模造品も登場してくる。あきらかな模造から工夫した模造品まで。
  • 15:57  で、 模造をやめようということと、きちんとした芸術をデザインでおこなおうということで、いいデザインを選択する仕組みが作られる。いいデザインを「専門家」 が選び、推薦する。だが、それってどうか?またオリジナリティってそんなに大事だろうか?そもそも「一流品を作るデザイナー」ってなに?
  • 16:01  逆 の考え方もある。いいデザインつまりはIntegration, Harmony, Radianceの3要素がしっかりとあるものは確かにある。それを見抜く「目利き」やそれをつくる「名人」がいる。彼らが選んだり作ったりする物はいい ものだ。だが、その能力を持った人はたくさんいる。
  • 16:08  目 利きや名人はたくさんいるのに、ほんの少数の人だけがデザイナーとして仕事をしている。それは大量生産、マスメディアが前提だからだ。いくらでも複製でき るからマスターピースを作る人は少数でいい。この仕組みを前提としてクリエイターやデザイナーを語っているのが現状だ。
  • 16:12  人 々のために夢のある物やサービスをとどける。これがデザイナーの役割だ。夢は時代によってかわる。便益が「夢」だった時代は機能がデザインされた。19世 紀市民社会の中産階級には貴族風の「夢」があたえられ、20世紀プロレタリアートには「中産階級(ブルジョワジー)」の夢が与えられた。
  • 16:22  ル イ14世の時代の大臣だったコルベールは贅沢品を輸出してフランスの価値を高めた。ファッションも料理も彼の重商主義の産物だ。フランス革命により贅沢品 をつくっていた人たちが市場に投入される。彼らはその能力を「市民」に提供した。「芸術」の登場だ。芸術は最初から商品なのだ。
  • 16:28  商 品としての芸術を楽しむことができるだけの金銭的余裕のない人たちも「芸術」をもとめた。当時のあらけずりの機械で複製をつくった。だがそれは見るからに 模造品で偽物だった。キッチュとよばれたりエフェメラルと呼ばれる世界だ。だが「偽物」も上手に選べばおしゃれだという感性が生まれてくる。
  • 16:32  この感性がモダニズムであり、ボードレールがパリの「偽物」だらけのアーケードを遊歩者(フラヌール)となって感じ表現したことである。「偽物」にも作り手はいた。商品を選別して並べる。パリの百貨店の始まりであり、マーチャンダイズという商品学の登場でもある。
  • 16:37  家具や食器に質のいい「偽物」も登場してくる。いまいわゆる「本物」とされている高級品がこのころ登場する。だが、このテイストに耐えられないグループが19世紀の末に登場する。モダンデザインの始まりである。続きはまた後ほど。

2010年5月7日金曜日

メタデザイン

  • Fri, May 07 
  • 07:41  日本の携帯電話を開発している人たちって実は凄い技術もセンスも持っていると思う。iPhoneやi-Pad と比べものにならない。ハードだけではなくてソフトも同じだと思う。それを束ねるメタエンジニアリングを尊敬するというか評価する枠組みがない。どうしてなんだろう?(続く)
  • 07:51  consenttoという概念がある。イタリアの思想家Antonio Gramsciがhegemony(覇権)という概念に合わせて使ったもの。支配は上からの力だけではなくて、支配される者が支配している人を支持する(好きになったりする)。それがconsentto。
  • 07:54  hegemonyとconsentto。政治学の概念だけど、イノベーションの方法にも深くつながる。メタエンジニアリングでありメタデザインの世界だ。これはKMDではポリシーの領域で、google, kindle, i-Padへのconsenttoを断ち切れという岸さんの激は卓見だ。
  • 08:12  じゃあ翻って、過去の日本の製品はメタエンジニアリングが良かったのか。実は零戦も大和も駄目だったんだな。日下公人氏の名著『失敗の教訓?もう一つの「ゼロ戦」論』『「大和」とは何か?巨大戦艦にみるソフト学』などに詳しい。いまの日本の大企業は全く同じ。メタエンジニアリング・デザイン不在。
  • 08:14  イノベーションは要素を組み合わせて新しいモノを創り出すこと。だけど、組み合わせたときに「全体」として存在しなくてはいけない。現象学的に言うと「生きて」いなくてはいけない。これがコンセプト。無から有が生まれる瞬間。ここがメタデザインでありメタエンジニアリング、両方同じ事だけど。
  • 08:17  生きているもの、コンセプトがあるものは見て使ってすぐ分かる。頭にぎんぎんきて身体がドキドキする。子犬を抱えたときの感じだ。これを感じる感受性を大事にして、あとはtry and errorだ。新しいコンセプトを創造するとはこの作業の繰り返しである。作ったモノに命を感じられるかだ。
  • 09:02  ユーザーのことを考えても良いものは作れないとのたまう愚か者のデザイナーとエンジニアが増えている。良いものがつくれないのは自分の創造力の欠如。じゃあなぜユーザーの事を考えるのか?それはエンジニアやデザイナーが自分のつくるものの消費者である時代が終わったから。
  • 09:05  欲しいという欲望がよいエンジニアリングやデザインを生む。社会が貧しい時代は欠乏を埋めることが欲望になった。それが20世紀だ。デザインは皆が共有する欲望を上手に形にする方法となった。だが、いまデザイン能力を持っている人の欲望あるいはビジョンが社会が求めているものと一致していない。
  • 09:10  ずるい方法はエコロジーや開発途上国支援などだれでも必要性を感じているものをデザインすることだ。これだと文句はでない。いまプロのデザイナーはここしか考えていない。だが、我々の日常生活 のデザインはどうするのだ?医療、都市、娯楽、通信、住宅、教育、これで良いのか?デザインは要らない?
  • 09:23  19世紀末にジョン・ラスキンの影響をうけてウィリアム・モリスは「小芸術」(lesser art)を提案する。これは国家や組織の為の大芸術ではなく、日常生活のための芸術という主張だ。日常生活に芸術を持ち込む、これがArts and Crafts運動となる。
  • 09:27  ではArts and Crafts運動とは何か。民芸品を西洋風のリビングに置くことではない。たとえば、「グリーン・ダイニング・ルーム」では、フィリップ・ウェッブとモリスが建物、壁紙、ステンドグラスを、パネルの人物画はバーン=ジョーンズ。自然と抽象と幾何学模様のデザインになる。
  • 09:29  日常生活を観察すると人々はそれなりに工夫をして生活をしている。専門用語でappropriationという。しかしそこにはデザインはない。デザインとは要素の統合と全体的な一体感、そして輝くような魅力が一体化したものだ。これを生み出すには高度な技と感性がいる。デザイナーの領域だ。
  • 09:33  デザイナーは絶対王政時代は王様につかえるしもべであり、市民社会ではブルジョワジーに夢を売る「芸術家」という商売人であり、19世紀末には技法のために命を捧げる変わり者(芸術家)となり、20世紀には工業社会で消費者に財布を開かせる魔術師となった。だが、日常世界にデザインはあるのか?
  • 09:34  過激な社会主義者でもあったモリスのデザインした日常生活を楽しくするさまざまなものたちは今でも買うことが出来る。でも、高価だ。この思想を受け継いだモダンデザインは大量生産のための方法となった。繊細な日常生活を豊かにするデザインは20世紀には実現しなかった。
  • 09:36  だが、突然日常生活にデザインを持ち込む多くの障害がなくなった。工夫してどうにかしのいでいるところにワクワクとしたモノやサービスを提供することが可能になったのだ。なにをデザインすればいいのか、これには日常生活の工夫を発見しないといけない。民族誌を書くのはそのためだ。
  • 09:39  日常生活の観察からインスピレーションを得る。ここには社会性が必要だ。次にコンセプトを作る。創造力が必要となる。次にそれを触れることが出来る形にする。これもコンセプトだが、モノを作る技法が必要だ。そしてそれを利用者に使って、もう一度デザインをする。ここには社会性が必要だ。
  • 09:43  デザインとは日常世界を観察し、人々の工夫を発見し、そこにワクワクするファンタジーをもったモノやサービスを創造し、それを再び日常生活に戻し、社会を幸せにする。そうした行為だ。デザインという言葉が技法に特化したため、すべてのプロセスにデザインを適応すると宣言したのがデザイン思考だ。
  • 09:46  従って、発想法ワークショップの方法論ではない。観察し、コンセプトを作り、社会に持ち込み、社会を変革する。これが本当のデザイン思考である。2〜3日の合宿で学べるものではない。1年2年とかけて身に付けるのだ。以上、早朝講義だったが、KMD一年生諸君。デザイン基礎の中間発表期待してる。
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