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2011年4月28日木曜日

濃い記述と民族誌

  • Wed, Apr 27

  • 09:41  濃い記述:メディアデザイン基礎でフィールドワークの話を昨日しましたが、フィールドワークの一部が民族誌です。そして僕の方法は民族誌調査を行います。クリフォード・ギアツに影響をうけた「濃い記述 thick description」を行うことが目的です。

  • 09:58  濃い記述とは何か?Contextual Design(1998)を著したHugh BeyerKaren Holtzblattcontextual inquiry という方法を導入したときも、経験をwrap upしてそれを5つのモデルに分析するとだけ書いてある。

  • 10:01  フィールドワークの方法について詳しい検討が行われるのは実は21世紀に入ってから、それも2005年くらいからだ。それまではデザインの対象はWebだった。それがユビキタスコンピューティングが登場することで、普通に記述するのでは不十分だと言われ始めたのである。

  • 10:05  contextual inquiry は民族誌の手法を師匠・弟子モデルとして導入しているのだが、そこの説明は比較的単純である。だがユビキタスコンピューティングの登場で状況は変わってくる。民族誌の手法である参与観察(participant observation)を強調する必要が出てきたのだ。

  • 10:07 参与観察とは観察する対象の日常生活に観察者も参加する。師匠を捜して弟子として入門するというcontextual inquiryは参与観察を要求しているので入門者にとっては使いやすい方法である。

  • 10:08  またこの方法の良さは、弟子入りをするというプロセスを行うことで、観察者と観察される者のあいだにラポール(rapport)を構築するプロセスも要求していることだ。この二つの点に注意しながら民族誌調査を行う。そしてデータを得るわけだが、ここで濃い記述の問題が出てくる。

  • 10:12  濃い記述を書くためには自分が経験したことを覚えている限りすべて書く。コツ読者をその場にいるような気持ちにさせることだ。自分の経験だけを書くのではなく、必要であれば背景となるコンテキストも書き記す。観察した行動を記すだけではなくて、こうした行動がどういう意味を持つかも書く。

  • 10:16  2時間民族誌調査を行って、そのあと直ぐにファミレスなどに飛び込み、一気に濃い記述を仕上げる。この資料は非常に大切である。なにかプロダクトやサービスをデザインしようと考えたときに、デザイナーはユーザーではない。したがってコンテキストがないデザインを行う傾向がある。

  • 10:19  濃い記述はユーザーの生活世界の詳細に関する情報を書き留めておく手法なのだ。調査したい人を見つけて、ラポールを構築して参与観察をして、濃い記述を残す。この方法が顧客が満足するよいインタラクションデザインを生み出すベストプラクティスだと、現在では認められている。

  • 10:22  濃い記述ではあらゆることに注意をはらう。記述をこの段階では解釈してはいけない。「気付き」を書き記すなどもってのほかである。新しいカテゴリーとかコンセプトを発見してもいけない。ひたすら濃く記述する。そしてその記述をもとに分析を加え、解釈を行っていく。それが5モデル分析だ。

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