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2010年6月25日金曜日

デザイン思考 Day6

  • Thu, Jun 24

  • 04:22  デザイン思考 Day6: 今回は創造力についてである。哲学とビジョンを作り、技術の棚卸しをして、民族誌調査をした。君たちはたっぷりとアイデアを生み出すための引き出しを手に入れているわけだ。この引き出しにあるものを組み合わせていくうちに、突然組み合わせたものが全体として命を持つ。
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  • 04:24  デザイン思考 Day6: それが創造の瞬間だ。ブルーノ・ムナーリはこれをファンタジアと呼んだ。『ファンタジア』という素晴らしい本が出ている。この本でムナーリはファンタジアの作り方の法則を説明している。今日の講義はその詳細についてである。自分たちでいろいろと試して欲しい。
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  • 04:27  デザイン思考 Day6: ムナーリは想像力をファンタジア、発明、創造力の三つに分けている。芸術家やプロのデザイナーはこの三つが錯綜するプロセスを一般大衆には見せないで完成品だけ見せていればいいと考えているとムナーリは言う。そしてその態度は間違っていると。
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  • 04:29  デザイン思考 Day6: ものが生まれてくるプロセスは、記憶(「引き出し」だ)がファンタジアと発明と創造力のプロセスを経て想像力をえて、生産され、外部世界へと提供される。この流れの中でムナーリはとくにファンタジアに注目した。それは自由に思いをはせる能力のことだ。
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  • 04:32  デザイン思考 Day6: 発明はファンタジアとおなじ認識している事を結びつける能力だが、それが実用性に向かっていくという。創造力は発明とファンタジアを活用する方法であり、デザインの分野で活用される。ファンタジアと発明を会わせて社会の中に埋め込んでいく方法だという。デザインだ。
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  • 04:34  デザイン思考 Day6: 想像力とは視覚化の手段であり、ファンタジア、発明、創造力によって考え出されたものを目に見える手段にすることである。デッサンとか絵画とかそういった能力のことだ。そのなかでファンタジアがもっとも大切だとムナーリは言う。Ideationはファンタジアが必要。
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  • 04:38  デザイン思考 Day6: 第1の法則 ある状況を逆転させたり、相反するもの、正反対なもの、補足的なものを利用する。あべこべの世界だ。人間は相反するものをセットに記憶してきた。ルネ・マグリット<光の帝国(1954)>をムナーリは紹介している。読めない本、役に立たない機械などだ。
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  • 04:40  デザイン思考 Day6:第2の法則 ある相対の部位をなんの変更も加えずに増殖させる。阿修羅像の何本もある手とかインドの神様のイメージとかが来れに当たる。
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  • 04:42  デザイン思考 Day6:第3の法則 視覚的類似の関係を見つける。有名なものはアルチンボルドの描く果物や魚などを組み合わせた人の頭部がある。マン・レイ<アングルのヴァイオリン(1924)>ノ写真をムナーリは例としてあげている。
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  • 04:44  デザイン思考 Day6:第4の法則 色彩の交換。マン・レイの<ブルーで塗られたパン(1960)>を例に挙げている。コバルトブルーにぬられたフランスパンを食べたいとは思わない。色彩と可食性の実験である。自転車やタイプライター、ハムが白で塗られていたら本物でもイミテーションに見える。
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  • 04:48  デザイン思考 Day6:第5の法則 素材の交換。メレット・オッペンハイム<オブジェ、無題(1936)>をムナーリはあげている。陶器のコップの素材が毛皮に交換されている。MOMAでこの実物をみたときにはおどろいた。可愛いのだ。ルネ・マグリット<旅の思い出(1951)>は不気味だ。
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  • 04:49  デザイン思考 Day6:第6の法則 場所の交換。ベッドが寝室ではなくて公園に置かれていたら?マジシャンの帽子から鳩がでてきてびっくりするなど、いろいろある。
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  • 04:53  デザイン思考 Day6:第7の法則 機能の交換。厳密な機能をもったものを取り上げ、それとは違う機能のもとで使用する。花瓶としてのグラス、ライトとしてのワインボトル。ムナーリはチャップリンの映画『黄金狂時代』でおいしそうに靴を食べているシーンを上げている。
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  • 04:55  デザイン思考 Day6:第8の法則 動きの交換 ふつうならゆっくりのものが早く動く。これは映画によってより発達した。はやいものがゆっくりと動くスローモーションは高速度撮影によって可能になった。ムナーリは自作の映画『時間のなかの時間』(1964)を紹介している。
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  • 04:59  デザイン思考 Day6:第9の法則 ディメンションの交換。サイズが通常より大きくなる、あるいは小さくなる。ボトルに入った船とか、建物より大きなゴリラ、キングコングとか。盆栽もそうだ。嘘をつくと伸びていくピノキオの鼻を例としてムナーリは上げる。
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  • 05:03  デザイン思考 Day6:第10の法則 ひとつの身体に異なる要素を融合させる。様々な動物の部分をくみあわせてひとつの動物のようなものをつくる。それはモンスターになる。フランケンシュタインや蠅男などだ。気持ちが悪い。ルネ・マグリッド<共同の発明(1935)>が例としてあげてある。
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  • 05:05  デザイン思考 Day6:第11の法則 対象の重さを変える。重いと思ったものが軽い、ときに感じるファンタジアである。これもルネ・マグリッド<ピレネーの城(1961)>が例として紹介されている。
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  • 05:08  デザイン思考 Day6: 第12の法則 関係のなかの関係をつくる。いままで説明してきた関係をくみあわせて表現をする。ヒエロニムス・ボッシュ<快楽の園>を例として上げている。以上がムナーリの紹介するファンタジアの法則である。
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  • 05:09  デザイン思考 Day6: ファンタジアを紹介したのは、日常生活の観察をもとにIdeationを行うと発明つまりは工夫が中心になってしまい、創造力つまりデザインを行うときに、どきどきわくわくする(あるいはぞくぞく、げんなりする)感情的な要素が抜け落ちてしまうからだ。
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  • 05:12  デザイン思考 Day6: ファンタジアの手法は手法であって、これを使ったからといって素晴らしく創造力に溢れるものが作れるわけではない。この法則を組みあわて作りだしたものを他者が見て感動しなくてはいけない。コミュニケーションが必要なのだ。このことを心してファンタジアの技法を使う。
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  • 05:14  デザイン思考 Day6: イノベーションは引き出しにあるものの組み合わせだ。問題を解決する(発明する)ためだけではなく、ファンタジアを生み出すためにも組み合わせを工夫する。そして発明とファンタジアを組み合わせてドキドキするイノベーションをデザインする。それが創造力だ。
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  • 05:16  デザイン思考 Day6: 創造力によってできたものを想像力で形や動きにしていく。このときには別の能力が必要になっていく。この話は来週である。早朝講義これにて終了。では諸君のファンタジアに満ちたIdeationの発表を期待している。授業は9時からだ。
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  • 09:09  デザイン思考 Day6: 授業のコメントから。デザイン思考の本質とは関係ないのだが、ビデオで上手にスケッチが出来る学生がちらほらでてきた。アングルも編集も良い。だが、かな らず三脚を使って取るように。手持ちだとその映像が別の意味をもつ。三脚でとる習慣を付ける。
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  • 09:12  デザイン思考 Day6:  アイデアを出すということをブレーンストーミングと勘違いしてはいけない。 たしかに方法はブレーンストーミングだ。だがそのまえに技術の棚卸しと民族誌調査を行っている。また哲学ビジョンも作っているはずだ。それをふまえてアイ デアをだす。いくらでもでるはずだ。
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  • 09:13  デザイン思考 Day6: ホワイトボードを前にして、ただアイデアをだす。これはいけない。この作業は楽だし結構充実感があるので、初心者こればかり行ってしまう。しっかりと Ideationの前の作業を確認してアイデアを作る。ここを確認すること。
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  • 09:16  デザイン思考 Day6:次に必要なことは色気である。経験をもとにIdeationを行うとムナーリが いう「発明」が多くなる。それは必要だが、デザインはこれにファンタジアが加わらなくてはいけない。紹介した12の法則をもとに工夫してみよう。上手に可 愛いアイデアを作ったグループもあった。
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  • 09:19  デザイン思考 Day6 あと、one idea one conceptといわれるものを作ってはいけない。初期のMITメディアラボの作品はこの手のものがほとんどだった。「王様のアイデア」で売っている商品 はこの種類のものだ。面白いが、日常生活を豊かにする道具にはならない。
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  • 09:21  デザイン思考 Day6: 僕は普通に使われている「コンセプト」という言葉をいくつにもの種類にわけている。デザインプロセスの分割はISOの人間中心主義のプロセスと同じであ る。だが、実践の方法が違う。まずフィロソフィーとビジョン。両方ともコンセプトといっても良いことだ。
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  • 09:28  デザイン思考 Day6:  ちょっと難しいが志向性 intentionという哲学用語がある。人間がものや現象にむかう態度 attitudeを示す。そのなかでもっとも根源的なものが信念(フィロソフィー)と欲望(ビジョン)である。この二つを別に意識する。ここがまず第一 歩。
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  • 09:34  デザイン思考 Day6:  次に技術の棚卸しと民族誌調査をする。これはフッサールの言う日常世界を調べていくわけであるが、注目点はtrigger, breakdown, appropriationである。日常世界の中でこの3つの現象を見つけていく。それが濃い記述と5モデル分析だ。
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  • 09:37  デザイン思考 Day6:  ここまでがDay6の課題。たっぷりと色気のあるアイデアをつくり引き出しに入れ、技術の引き出しと合わせる。それを組み合わせてコンセプトを作ってみ る。ハードウェアスケッチしてみることが今週末の課題である。くわえて、ペルソナを作りゴールを考える。以上。
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