analysis

2010年7月29日木曜日

appropriationとは

電子教科書は20世紀教育の効率化ではない

  • 電子教科書は20世紀教育の効率化ではない 
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  • 10:08  @drinami 時間の提示・操作は電子化の利点ですね RT @kanaya: Blog update. 電子教科書は喫緊の課題というお話 >>そうなんだよね。the drill-and-skill教育法としてしか、いま電子教科書を議論している人は考えていない。すぐに金になると。  [in reply to drinami]
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  • 10:10  @drinami 時間の提示・操作は電子化の利点ですね RT @kanaya: Blog update. 電子教科書は喫緊の課題というお話 >>しかし、活字と数式がニュートン力学的世界観を普及させたのだから、それから抜け出る方法が電子教科書にはあるよね。(続き)
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  • 10:12  こ のタイプの教科書をつくろうと10年ぐらい前から機会がある度に提案しているけど、教育産業も印刷産業もだれもやらない。ここをやれば電子教科書はホント に凄いし、OECDの学力評価なんか全部ひっくり返せるんだけどね。ホント、孫さん、ちゃんとやってくれないかな。でもやらないね。百マス計算だものね。デジタルメディアの本質と関係ないからな。残念だね。
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  • 12:59  @drinami NaohitoOkude 活字や数式はPublishできたから普及したのかもしれません。ネットを使えばインタラクティブなことさえ"Publish"できるのがポイントですよ ね>>そうです。このことをT社には10年以上も言い続けてきたのですが、ぜんぜんねえ。  [in reply to drinami]
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  • 13:27  ωωω @drinami は笑死した RT デデキント切断があらわれた! 選択公理があらわれた! @ynaoto は即死した… >>デデキントで死ぬの早くない?高木貞治『 解析概論』の数ページめだったっけ。昔のことでわすれたけど。おもしろいね、こんな感じで勉強できたら。これが電子教科書の本当の意味だけどね。
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  • 17:25  おもしろいねえ、電子教科書がこんな感じだと。@ynaoto たからばこにはλがはいっていた! けいさんがすこしらくになった RT @NaohitoOkude:(前略) @ynaoto は即死した… >>デデキントで死ぬの早くない?
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  • 付録
  • http://pineappledesign.blogspot.com/2010/07/blog-post_23.html
  • 上記は金谷一朗氏のサイト。ニュートン力学をこえるにはメディアを変えることが必要だと説く。


2010年7月27日火曜日

シンガポールモダン家具事情

  • Mon, Jul 26

  • 11:14  昨晩はCCHang夫妻と夕食。貴重な話を沢山伺った。今日は昼食をしながらPatrik Chiaと打ち合わせ。ビジネスとエンジニアリングとデザインの融合が21世紀の学問になる。いまイギリスが先行。NUS・慶応連合はここで先頭に立ちたいものだ。
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  • 20:07  Patrikとお昼を食べて、シンガポールのデザインが前面に出ている家具屋をいくつか巡りました。なかなかレベルが高いし若いデザイナーの活動が活発。ハイエンドではB&Bの売り上げがアジアで突出しているのはシンガポール。一方で普通の家具屋も多くある。MUJIはこの中級品マーケットに進出しているが、メディアファニチャーは資本的にも感覚的にもこのなかで勝負は出来ない。
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  • 20:13  お昼を食べたのはPS Cafe Harding Road の方。http://www.pscafe.sg/もとは陸軍があった場所。いまは緑の中。サイトに見るようにジャングルの中。非常に気持ちが良い。アパレル会社がもっていて、良い感じ。シンガポールの若者が来ているが、みな格好いい。
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  • 20:16  このイメージは柏樹さんの考えるメディアファニチャーのショールームそのものだね。この収まりの良さはシンガポールのモダンを考えるときの胆だ。オーナーのファッション会社は若者向けに派手なアパレルを作っていてこの趣味とは大分違うとはPatrikの話。
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  • 20:19  その後、SPACEへ。http://www.spacefurniture.com.sg このサイトからも分かるように、イタリアのモダンな高級家具を一手にあつかうオーストラリア資本の会社。いま新しいショールームを展開中。まあ良くある感じ。
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  • 20:22  そして、となりのHarvey Normanへ。ここもオーストラリアの資本だが、家電量販店に普通の家具屋が併設されている。家具のビジネスを考えると、日本でもイタリアでもこのなんというか何回も名品家具をコピーしたデザインのような家具を売るビジネスと混同される。でもこれではない。
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  • 20:24  アパレルビジネスが、オートクチュールと趣味の悪い既製品に二分されていたときに、デザインが一流の大量生産、つまりプレタポルテ、が1964年に導入されて産業構造を大きく変えたが、そのような事が起こっていないのが家具業界だ。圧倒的にデザインが優れている超高級品のあとが、えっという家具。
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  • 20:27  イタリアのサローネ(家具見本市)をみてもほとんどが「えっ」という家具デザインのオンパレードだ。アパレルで言うプレタポルテがない状態のまま、ファストファッションが登場したのがいまの状態だ。IKEAはスタイルやデザインではけっして「えっ」という低俗品ではない。だが、家具の世界は深い。マテリアルなどいくつかの要素が良い家具には必要なのだ。
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  • 20:30  良い家具はまちがいなく生活や人生を変える。モダン家具はその感動を貴族ではなくてわれわれ中産階級にわたすという明確なイデオロギーでイタリアで始まったが、プレタポルテを可能にする製造技術が伴わず、高級品に留まった。製造と流通のイノベーションがないままいまをむかえている。
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  • 20:34  メディアファニチャープロジェクトはたとえいえば、オートクチュールからプレタポルテへの変換をめざしているのだ。デザインそのものを行う力はあまり問題ないとPatrikと合意。若いデザイナーやプロデューサーがお店を出しているPurvis Streetへ。もともと中国系のお店のある場所。
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  • 20:38  そこのP5Fundryhttp://www.foundrycollection.com/などのショップを訪問する。P5は伝説のモダン家具屋クリームhttp://www.cream.com.sg/がオーナーを変えたので、いまもろもろの調整中。このあたりを見ていると、たのもしい。
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  • 20:40  で、最後に残るのはブランディングの問題。こうした家具に囲まれた生活の良さを顧客に伝える方法のイノベーションが必要。ここが何とも難しい。やりながら考えて行かなくてはいけない。貴族や大ブルジョワジーの生活を幻想させるイタリアモダン家具のショールームをつかったブランディングではない。
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  • 20:42  デザインと製造と流通とブランディング。この三つを融合させてあたらしいデザイン産業を創出する。こう言うのは簡単だ。だが実際にそうしたビジネスを可能にするにはいままでのビジネスのやり方では全く駄目だろう。ここへの挑戦がメディアファニチャープロジェクト。武器はインタラクションデザイン。
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2010年7月25日日曜日

KMD Plenary 2010年春ミーティング

  • Sat, Jul 24

  • 10:45  KMDPlenaryミーティング、シンガポールNUSのCuteセンターからポリコムで参加。接続状態が良くて、非常に良くみえて聞こえる。いまOurTVの発表中。テレビ会議ではポリコム活躍だったが、こうした大規模の集まりでも使えるね。なかなかいい。
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  • 11:13  KMDPlenary いまKMDTheaterとして1分のビデオでプロジェクト紹介。学生が応募してそこから若手教員が選ぶ。ビデオ1分は結構情報量がある。いいね。
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  • 11:19  tamakiINADA@君のTweetをRTしたが、ホントにいい音。藤原ホールに普通にいる感じで聴ける。このクオリティは創造性に直結するね。教室の音の環境もイノベーションしていこう。ポリコム参加のクオリティが激変するね。さすがです。
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  • 13:28  KMDPlenary会場設営の様子をポリコムで見ている。雰囲気が分かって面白いね。しばらく観察。
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  • 14:03  KMDPlenary 展示会場。ポリコムで参加。稲見さんが映っている。少し話をした。東京の方がシンガポールより暑いって。ふむ。全体に活気があって良いね。
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  • 14:23  KMDPlenary展示風景を専門家が撮影している?いいね。良いビデオができるな。リアルプロジェクトはどこまで公開できるか難しいから、一度ビデオにとって整理して公開すると魅力が伝わるし、開発の秘密もまもれるね。どこまでオープンにしてどこまでクローズにするか、この判断も実験だ。
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  • 14:24  さて、大体雰囲気も分かってきたし、丁寧にカメラを移動してもらえたので、いろいろな展示ものぞけた。そろそろポリコムはオフラインにするとするか。
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  • 18:19  @RuneBuick@NaohitoOkude 先生に発表を見てもらいたかったな。ぷっぷぷー(=.=) >>しっかりとポリコムで見ました。アニメーションと踊りがとてもいいシナジーを出していたと思います。harmonyとradianceがでてきたね。良かったですよ。
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  • 19:17  今日のKMDTheaterで4Kの映像を作っていたインターナショナルチームの映像表現に感心。ドイツ表現主義だな。チェコ、フランス、アメリカ、日本のチームだよね、これは。ハリウッドに吸収されてしまうドイツ表現主義の流れがKMDの4Kシネマでよみがえる。稲蔭さん、これありです。良い。
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  • Masa Inakage inakage @NaohitoOkude きちんとハイクオリティで完成させ、映画祭等に応募しようと伝えておきました
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2010年7月24日土曜日

NUS工学部デザイン思考ワークショップ Day3

  • NUS工学部デザイン思考ワークショップ Day3 
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  • 午前中は工作。エンジニアは始まると仕事が早いからいいね。スマートカーも医療も都市計画もみんな粘土とダンボールとそのへんの机とか椅子でフレームワークをスケッチする。
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重商主義とイノベーション

  • Fri, Jul 23
  • 重商主義とイノベーション
  • ちょっとしたやり取りが大きなテーマにぶつかった。主流の経済理論では忘れ去られていたコルベールの唱えた重商主義、つまりはルイ14世にむけて特別あつらえした贅沢品を外国のお金持ちにみせて、ちょっとだけグレードダウンしたものを沢山作って利益をだすというビジネスの手法がAppleのビジネスと同質だということである。まだ十分展開できていないが、切り口としておもしろくなってきた。以下、Tweetsをまとめたものである。
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  • 02:04  @drinami ドキドキ、ワクワクをいつ忘れてしまったか>>イノベーションが生まれた瞬間に「技術的に新しくない」というエンジニアと、「幾らで売るの、ビジネスモデルは?」って聞くビジネスマンがわくわくを殺した。これはシュンペーターの言うSocialismで、官僚制度。ここが蹉跌。  [in reply to drinami]
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  • 02:59  @kizm_naoya 設計中心をドコに置くかという話だと思って、主人と奴隷を考えてたけど、consenttohegemonyの概念もいいかも。こんなにいいものをつくったのにご主人様はどうして買ってくれないんだという「奴隷」の叫びと、(続く)  [in reply to kizm_naoya]
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  • 03:02  @kizm_naoya(続き) いいもんができたから沢山作って外国の金持ちに売っちゃおうぜ、という考えの違いですね。後者は重商主義といってコンドルセが考えた方法です。「奴隷」がconsenttoに気がつくとそれを脱ぎ払って「商人」になれる。盛田さんはすばらしい「商人」だった。   [in reply to kizm_naoya]
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  • 03:10  @kizm_naoya これが設計中心の設定に直結する。1990年以降の市販車フェラーリの設計重商主義そのもの。F1で勝った車をちょっと「グレードダウン」して商品にする。あるいは古くはレンブラント工房ライカもそうだ。人をうっとりさせる機械の設計。KMDはそのタネに溢れてる。  [in reply to kizm_naoya]
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  • 04:07  @kizm_naoya @NaohitoOkude フェラーリ&ライカは主人的な製品ですね。>>これまた刺激的なことを。奴隷としての商品はまあ家電だね。いやなことをやってくれる。で、「主人」としての製品か。ぼくは「恋人」としての製品だと思う。丁寧に接しても、飽きたらさよなら。  [in reply to kizm_naoya]
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  • 04:10  @kizm_naoya (続き)でまあ設計者はあきられないように作るわけだけどね。そこを「主人」にすると、ちょっと変態的な関係が製品と利用者に生まれるね。hegemonyをもつわけだ。これは植民地型商品学という分野なんだ、実は。本国の工場で安物を作って植民地の市場に押しつける。  [in reply to kizm_naoya]
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  • 04:17  @kizm_naoya 君との軽いやり取りが本質に迫ってきたので、RTします。夜中に目が覚めたら面白い話になってきた。奴隷型商品をつくるのがかつてのアメリカ的設計。その設計をもとに製造を続けてきたのがかつての日本。いまの中国。でもそこに風穴をあけたのがかつてのSONYHONDA
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  • 04:22  世界中の人が欲しいという商品にし、ブランドが生まれた。重電メーカーも輝くオーディオ商品を別ブランドでつくった。日本型商品設計heydayだな。これを品質の高さと言い替えたところが問題。SONYもHONDAも製品の品質ってよかったっけ?奴隷型商品が日本の魅力だと言い替えたあるレポートの悪意を感じる。
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  • 04:32  で、奴隷型商品の反対は主人型商品か、というところだ。まあご主人様って感じの設計もありだとおもうけど。hegemony型の商品設計か、という話にしよう。ここは難しいところだ。まえから書こうと思っていたモジュール設計ってなに?という話につながるからね。で、話をもどして、主人型設計。
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  • 04:36  わくわくする、どきどきする、というデザインはじつは色々ある。表面的な多様性だけではなくてメカニズムからインテグレーションまでふくめてデザインの問題である。でデザインを前に出すと言うときに、多くの人は魅力とかどきどきだけに注目するけど、もう一つ大事な要素がある。それが多様性。
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  • 04:40  重商主義では交換がポイントになる。魅力的な商品をつくって欲しがる人から金を巻き上げるのが重商主義だが、もちろん簡単な話ではない。自分が設計する商品が他の商品と異なっていなければ相手は欲しいと思わないからだ。差別化は機能でもスタイルでも良い。昔の話で言えば、ウォークマンが欲しいと思わせたら勝ちだ。
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  • 04:49  idiosyncrasyつまり好みが価値を生む。デザインの価値が分かりやすいところだ。で、だれかが好みを模倣するものが登場した場合はどうだろうか?本物かどうか?つまりuncertaintyをなくすところに価値が出る。ここにもブランドの秘密がある。さらにこの議論は続く。
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  • 04:54  たとえばピカソの絵を考えてみよう。偽物のピカソをその絵が本物だと信じている人に売る方が偽物かと疑っている人に本物のピカソを売るより簡単だという。つまり、持っているものを過大評価する人のところにものは集まる。金融資本であればいつかバブルははじける。だが商品はイノベーションする。
  • (追加。ここに関して、betch824君からのコメントがきた。最後に付録として載せました。)
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  • 04:59  ビル・ゲイツは完成していないOSをIBMに売りつけた。アップルも実用にならないようなi-Pod やi-Phoneを売りつけた。インテル低機能のPCを売りつけた。シュンペーターの言う破壊的技術によるイノベーションだ。利用者の好みに合致した商品を欲しい人にだけ売ったのだ。
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  • 05:01  欲しいと思わせるテクニックに長けていた。金融市場であれば人々が楽観的な気分からさめたときにバブルははじける。だが製品はちがう。いちどイノベーションした商品を改善することは難しくないのだ。性能を上げても、価格を下げてもいい。いろいろある。ここを研究するのが本当のMOTである。
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  • 05:06  性能を上げ、価格を下げ、流通を改善し、商品は市場に対してヘゲモニーを構築していく。で、問題はヘゲモニーを確立した商品にたいして、コンセントを感じてしまう設計者にある。idiosyncrasyが大事なのだ。いまあるヘゲモニーに取って代わる戦略を幾ら議論してもだめだ。(この項 完)
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  • 付録 1
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  • 05:14  @michmoc あるレポートとはどのようなものでしょうか?>>1985年のヤング・レポートです。アメリカはアンチパテントからプロパテントに変わり、またソフトウェアという概念をつくり、知財化しました。これによって「ものつくり」を日本の特徴として日本の産業の外堀を埋めたわけです。  [in reply to michmoc]
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  • 付録2 
  • コメント:重商主義とはちがう原則で構築された正統派経済学の立場からのコメント
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  • 08:11  @betch824 変な話。金融商品だってイノベーションは起こるし、気分でバブルが起こったり崩壊したりするわけじゃない>>そうだね。君が正しい。確かに説明不足。貨幣が見えなくなって近代的市場がうまれ、「信用」が登場し、という議論がぬけてるね。自分で補って下さい。  [in reply to betch824]
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  • 08:18  @betch824 変な話。金融商品だってイノベーションは起こるし、気分でバブルが起こったり崩壊したりするわけじゃない>>あと、バブルは気分でおこるのではない、というのは面白い。理解できないので教えて下さい。楽観主義でお金が集まってきて、楽観主義が消えた時にはじけるのではないの?
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  • 11:20  @betch824 夫々の環境下で利潤を最大化する行動をとった時に実体経済から乖離するのがバブル>>説明ありがとう。うーん。数学科をでて銀行で実際に相場をはっている友人に聞くと、気持ちが萎えたときがおわりだっていうからねえ。個々の最適化が解をもたないとバブル?
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  • 11:25  @betch824 ギャンブラーの気持ちが萎えたときがバブル崩壊じゃあないかな。まあいずれにしてもマネーを商品にして市場をつくった、という問題は改めて論じたいが、手強いな。金融「商品」にはイノベーションがあります。そこは僕のタイピングが滑った。商品への対価に変えます。指摘感謝。
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  • 12:11  @betch824 個々の最適化とその合成の誤謬は大きい要因だと思います。(後略)>>90年代のバブルはそうだね。今回のグローバルでのバブル崩壊は?アメリカの信用金融商品「イノベーション」が機能しなくなったのは、最初の設計が間違っていた?またそのリカバリーがアジアで早いのは?  [in reply to betch824]
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  • 17:13  @betch824 @NaohitoOkude サブプライム関連金融商品の設計が一概に間違ってたとは言いづらいと思います。>>ここは知りたいね。今復活しているケインズ流がいいともおもわないけど。投資は合理的に行動していないとおもうのだけどねえ。それを強烈に合理的に計算してるだけ?  [in reply to NaohitoOkude]
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  • 17:16  @betch824 @NaohitoOkude (前略)アジアが早いのはデカップリングがやはり正しいのではという見方があります。>>なるほど。アジアの国の貯蓄の多さは?アメリカはクレジットでものを買いすぎているからだめ?ヨーロッパの銀行の腰砕けは?面白い話題になってきた。  [in reply to NaohitoOkude]
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  • 19:02  @betch824 さんのTweetsをふたつRTしました。サブプライムの仕組みの合理性は理解。で、その基盤になる格付け会社がいい加減だと言うことですよね。でも格付けはいつもいい加減なのではないか?戦略が正しくで戦術の実行で失敗したたとき、悪いのは実行できない戦略を立てた方では?
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  • 19:12  @betch824 アジアの金融の環境>>ここが分からない処なんですよね。ケインズ的に景気刺激策をうっていて、貯蓄も高い。中国ですら高い。でいまのところ効果が出ているように見える。アラブのお金も渦巻いている。一体なにがおこっているのだろう。
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  • 20:47  @betch824 (前略)クルーグマンも言うとおり、生産性は全てではないですが長期的にはすべてといえます。成長率が高いと思われるところは安定的に資金が集まります>>なるほどねえ。だいぶ見えてきた。思い当たるところはいっぱいあるね。
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2010年7月23日金曜日

NUS工学部若手教員向けデザイン思考ワークショップ Day2

  • Thu, Jul 22

  • 11:27  NUS工学部若手教員向けデザイン思考ワークショップ Day2 開始。
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  • 午前中はアイデアをポストイットに書き出して説明するという普通のブレーンストーミング。100から150のアイデアを出す。なんだかいまではありがたみが薄れている方法だけど、20年前にSFCで導入したときはびっくり。
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  • 11:28  答えがないときに、アイデアを複数思いつく、ということが出来ない。また人のアイデアを批判することはできる。そんな学生ばっかりだった。アイデアなんて幾らでも出来る。それ自体には価値がないぞ、ということを分からせるのが大変だった。いまでも企画屋というかアイデアマンを会社が重宝するのはここにある。アイデアは希少価値があると思っている。
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  • 11:30  テレビ番組や広告のプロデューサーはアイデアを出すプロだから、そういった人のアイデアをありがたがる。でもアイデアは形になって初めて価値が出る。映像であれば形にするのは比較的簡単だがプロダクトやサービスは大変だ。なのですでにあるアイデアで形になっているものの「改善」をする。
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  • 11:31  だが、アイデアを新しい形にするのがイノベーションだ。アイデアは自分で考えようとエンジニアやデザイナーにここ20年とくにデザイン思考のワークショップを始めてここ5年ほどは口を酸っぱくして言ってきた。最近、企業でワークショップをやっていても普通にアイデアをだすようになった
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  • 11:46  90分のブレーンストーミング時間が半分ほどたった。50から90くらいアイデアが出てきている。これからが苦しくなるところだ。十分アイデアを拡散させる。そこからアイデアを組み合わせてコンセプトを作る作業に入る。ブレーンストーミング法はアイデアの組み合わせ手法と組み合わせないとだめだ。
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  • 11:47  今回はペルソナとシナリオという方法でアイデアを統合して一つのものあるいはサービスにしていく。これがデザインという行為だ。そのまえにまずは拡散しよう。楽しそうに作業をしているのがいいね。
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  • 12:07  開始から一時間。早いところはアイデアが100を超えた。70前で詰まっているところもある。もう少ししたら最初のペルソナとシナリオをつくって、全員のまえでスキット(簡単な演劇)でプレゼンテーションをする。順調に進んできている。みななかなかやるな。
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  • 12:37  お昼までの30分でペルソナとシナリオを作る。アイデアをいくつかまとめてコンセプトにしてそれを使うシナリオを考える。ここから統合の作業に入る。アイデアの段階でいいとおもっていても、実際やってみると意外にさえないことがある。そんなときは別のコンセプトを使ってみる。統合作業だ。
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  • 13:07  大体できてきた。立ち上がって壁に貼ったポストイットの前で議論を始めた。ペルソナも物語もできてきた。昼食後皆の前で最初のプレゼンテーションをして、午後は紙粘土とボール紙で同じような作業をする。もう放っておいても大丈夫だ。ここからはどう統合させるかがファシリテーターの腕になる。
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  • 14:48  最初のプレゼンテーション終了。新しい車チームは生活空間が移動するコンセプトの発表。医療チームは何にでも文句をいうタクシーの運転手でも文句がでないデイサージェリー(日帰り手術室)のコンセプト。都市グループは子供と大人にリサイクルを同時に教えるゲームのコンセプト。
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  • 14:50  さて、次の作業はペルソナにゴールを与えて、ペルソナがそのゴールをコンセプトをつかって実現するまでのシナリオを考えながら、紙粘土で形を作っていく。NUSのワークショップは3回目だが、どんどんレベルが上がっていくなあ。教えていて面白い。
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  • 14:51  物語でデザインしていく方法について質問があった。これは企業戦略とかヴェンチャーキャピタルの投資の方法にも通じるところがあるのでは、というものだ。そのとおりである。物語は時間を含んでいるので、人間が動的な仕組みを考えるときの多分唯一の方法だ。
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  • 15:25  粘土をつかった形のエクササイズも順調に進んでいる。デイサージェリーチームはサービスデザインに展開できるところまで来た。この段階で十分形の可能性を検討したら、次はモノではなくて人の動きをデザインに組み込んでいく。ダンボールをつかった実物大のスケッチの出番だ。次のチェックは1時間後。
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  • 17:30  だいたいできてきたので、embodimentを注意して、解散とした。明日から発表に入る。デザインをしていると、対象を自分とは離れたモノとして作ってしまう。技術にある程度自信があると、そこに注目が行く。だが、良くできたモノはみて心が動かされるし使ってみて自然だ。
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  • 17:35  この状態をembodimentと呼ぶのだが、つねにここに注意しなくてはいけない。つかっていて意識の下に入っている状態をデザインする。そのためにはリアルサイズで検討することが必要だ。小さなスケールで作るとどうしても客観的に眺めてしまう。演技しながらリアルサイズで確認していく。
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  • 17:37  明日は午前中一杯で作業をして午後にプレゼンテーション。そのあとまとめのセッションをして、この15名が実際に学生に教えていくときの注意事項を伝える。すでに70名の大学一年生がデザイン中心カリキュラム(DCC)を選んで登録しているそうである。(完)
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2010年7月22日木曜日

NUS工学部デザイン思考ワークショップDay1

  • Wed, Jul 21
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  • 09:16  今日9時からNUS工学部教授たちにデザイン思考ワークショップを提供。このワークショップを実質的に組織している若手の教授と昨日打ち合わせ。彼は新しいデザイン思考スタジオの責任者でもある。2階吹き抜けのかなりいいスタジオが柏樹さんと僕がつくったデザインで設計でききそうで、楽しみ。
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  • 09:29  さて、NUSに出発するとするか。
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  • 14:44  午前中のデザイン思考ワークショップ終了。若手の教員が中心になっていたので、話が良く通じて早い。講義もいつになくテンション高く、うまくいった。のぞきに来た偉い教授達も「よかった」と褒めてくれた。参加者のモチベーションを上げるための講義なのだが、よかった。今、全員フィールドワークへ。
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  • 15:00  機械工学と電子工学を勉強した若手の研究者が半分ずつくらいで15人ほど。3つのチームにわけた。NUSTimes Higher Educationという大学ランキングで世界の30位につけている。東大は22位、京大は25位。大阪大学は43位。NUSを工学部だけで見るとなんと10位
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  • 15:02  実際、今日教えた感じからして、日本のレベルの高い国立大学の若手教員という感じである。雰囲気や物腰も似ている。慶應とは大分違う。ちなみに、慶應142位、早稲田145位。ここまで離れると、違う尺度の評価がいる感じだね。まあそこで創造性を教えるデザイン思考ワークショップという訳だ。
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  • 15:30  イノベーションと創造性をいかに実践させるか。あと一時間ほどで最初のフィールドワークから帰ってくる。哲学ビジョン技術の棚卸しは済ませてある。戻ってきたら濃い記述と5モデル分析が夕方までの課題だ。
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  • 17:12  濃い記述を始めたが、なかなか難しいね。まず文章で書くということが必要だ。主語、動詞、目的語でかく。箇条書きにしない。つぎに、自分が経験した順番で書き出す。調査した「対象」に目がいって、自分の心のなかを流れていった時間を意識できない。
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  • 17:13  分析しようという気持ちが先になって経験を書き留められない。これは良くある現象。たっぷりと濃く経験したことを記述する。辛抱してこの作業を行うことがデザイン思考の基本だ。無意識を扱っていくインタラクションデザインの場合は特にそうだ。頑張っていこう。
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  • 17:33  自分が経験したことを書き出しても、それは全体の一部なので対象をりかいしたことになるのか、という話が出る。もっともだ。だからこそ解釈学的人類学なのだ。自分なりに解釈をする。だがそれでデザインができるのか?という話になる。それももっともだ。だが、たとえばOSXやWindows7は?
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  • 17:35  いま僕たちがつかっているGUIのインターフェイスはウィノグラードが提唱した現象学的設計論に従っている。人間の行動を解釈してそれをもとにつかっていて気持ちが良いインターフェイスをデザインしていく。画面と人間とのインタラクションの間にある「経験」が丁寧にデザインされている。
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  • 17:37  経験をデザインするには観察して発見するというIDEOの方法がある。だが、この方法だと複雑な経験がデザインできない。そのために現象学的民族誌をつかうのだ。経験を解釈してそこからえられた構造を生かして新しい経験を創り出す。ここが大切。これは解釈学の伝統と同じだ。
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  • 17:39  解釈学は聖書が何を言っているかを調べる学問として始まったが、その目的は聖書の背後にある真実を探すのではなくて、解釈学のコメントを生かして、牧師や神父が自分で説教を実践するための指針としてあるのである。日常生活を解釈して記述して分籍して、それをつかって新しい経験をデザインする。
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  • 17:45  経験は物語として語られる。Situationがあり、物事がおこり、つまりcomplicationがあり、why とhowの質問に答えていく。3つのグループにこのあたりのことを指導していく。だんだん良くなってきた。フィールドワークの経験が物語、つまり民族誌になっていく瞬間だ。
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  • 18:00  濃い記述ができたらここから5つのモデルをつくる。面白い質問があった。アーティファクトモデルにおいて、誤用があるのだけれど、という質問だ。誤用は現象学的設計論においては大事な現象だ。日常で使っている限り「誤用」ではない。使いにくくてもすこし問題があっても使っている。
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  • 18:01  この状態をappropriationという。ところが壊れたりヘンなことがおこったり、「どうしてこのように使うのですか」といわれると、あれっとおもう。これをbreakdownと呼ぶ。観察者の行動を解釈して目的を明らかにすると、大事なのは目的達成であって、その過程ではないと分かる。
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  • 18:03  その段階で、無理して使っているあるいは誤用の状態をすっきりとしたものに変えてしまっても、利用者は文句はいわない。それどころかこうしたかったんだと言う。ここがみつかってくるとイノベーションはとても楽になる。5モデル分析でこのあたりに気付くとはなかなか飲み込みが早い。
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  • 18:21  物理モデルは人間を取り囲む環境のモデルだ。アーティファクトモデルは人間がつかっているモノのリストと使い方だ。人間と物理的世界の関わり方の二つのモードである。情報機器やネットワークの登場によってこのモデルは大きく変わっていく。未来の自動車や医療や都市はこの切り分けが大きく変わる。
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  • 18:35  デザイン思考のワークショップの一日目終了。みんなの顔つきが変わってきた。デザインを自分の言葉として経験として語り表現するようになった。デザインというとインダストリアルデザインが頭に浮かび、どこか他人事だったのが、デザイン思考によって自分で考えると自信がついてくる。
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  • 18:37  デザインはintegreation, harmony, radianceの統合したものだ。前者二つはエンジニアが能力として持っている。そこに自分の力で魅力を付けてみる。人々がいいなと手に取りたいものを考える。それが明日の課題だ。ムナーリのファンタジアを活用しよう。明日が楽しみ。
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  • 18:45  おまけ:文化モデルがみえなくなったときは、観察した人たちの間の力関係をみる。誰が誰に影響をあたえているのかを明らかにすると、どのような文化のなかに人々が暮らしているのかが見えてくる。文化的特徴だけを抽出するとときによってモデルが作れなくなる。ちょっと注意する点だな。(完)
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2010年7月21日水曜日

モダニズムと勤勉: 変動する航空産業とイノベーション

  • Tue, Jul 20
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  • モダニズムと勤勉:
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  • 今年の5月、ヨーロッパでアイスランドの火山が爆発して火山灰が飛び散り、多くの国際便が欠航した。僕は噴火したばかりのころに数時間遅れてミラノに入ったのだが、その後ヨーロッパの多くの空港が閉鎖となった。帰国をするにあたり、南の方に向かった人が多かった。
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  • 10:25  ホテルで読んでいたインターナショナルヘラルドトリビューン紙July20に面白い記事があった。新しい国際航空網が生まれつつあるという。中東の航空会社が売り上げを19%伸ばしたのだ。日本でもEmirates of Dubaiの大キャンペーンが最近あったばかりだ。
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  • 10:30  中東の航空旅行市場が拡大するにつれて航空機市場も変わり始めている。まず整備工場が造られている。やがて航空機製造にも乗り出すという。大量にBoeingやAirbusを買い付けている。彼らも協力せざるを得ない。ここからが面白い。アブダビの近くの街Strataに製造工場が出来た。
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  • 10:33  ここで現在500名の人が働いているが、将来は1万人雇用する計画だという。中東は石油をアメリカ、ヨーロッパ、日本に売ってきた。その利益は巨大である。働かなくてもお金が入る状態になり、勤勉で礼儀正しく勇気のある遊牧民の伝統が失われていった。この状態を航空機産業を起こし、脱出する。
  •  
  • 10:38  僕は30年前にアメリカに留学したが、中東系の留学生はとにかく勉強しないで贅沢をしてすごしていた。20年前にアメリカに教えに行ったときも同じだ。湾岸戦争で勝利したクウェートの若者が贅沢に育っただらしのない怠け者で、負けたイラク側の貧しさと対照的だった。その後、これが悲劇となる。
  •  
  • 10:40  サウジアラビアの王様はこのことを憂う発言を何度もしている。今回の航空機産業は単に利益を上げるためではなく(もう十分お金持ちだし)、高度な仕事を創出して、それに参加して国の経済の発展に貢献する精神を学んでもらうためだという。航空産業には莫大な資金がいる。そのお金はある。
  •  
  • 10:47  甘やかされて育てられているアラブの若者に、高度な技術が必要な航空機の整備と製造、さらには設計。加えて、一日8時間オフィスできちんと仕事をする。エンジニアリングの教育をうけたり、オフィスでホワイトカラーの仕事をしっかりとする教育をうけた若者がこれから必要なのだという。
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  • 10:48  金融資本から産業資本への変換。なんという挑戦だろうか。ヨーロッパの空港は老朽化している。フランクフルトも古い。ヒースローは立て直したにもかかわらずもっと古びている。ロシアの飛行機を買う航空会社が減ってきている。上海ではリージョナルジェットのサービスをするニッチェ会社が出来た。
  •  
  • 10:54  ファイナンシャルタイムズのJuly20が伝えるところによるとイギリスで開かれたFarnborough航空機ショーでEmiratesBoeing777を30機注文したという。先月のBerlinのショーでは32機のAirBusA380を注文している。日本のメーカーが見えないねえ。
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  • 10:58  トヨタホンダもアメリカでは小型機ビジネスを展開している。また三菱重工は日本で小型機ビジネスを展開している。だが、なかなかビジネスは大変だ。結局経済性とか環境負荷とかそういった売り方しか思いつかない。これは日本の車と同じだ。またファイナンスの方法のイノベーションもない。
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  • 11:00  言ってみれば勤勉なだけなのだ。シンガポール航空の内装から食事からワインからすべてを統括している上級副社長はもとミス・シンガポールである。低価格ジェット機サービスもイノベーションであれば、快適な旅の提供もイノベーションだ。世界を見て、広く質の高い経験をしたい、そこをねらえないのか。
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  • 11:03  航空旅行のような胸がときめく豊かな経験を提供できるサービスはあまりない。それを利便性や経済性だけで勝負していてはもったいない。ちなみにヨーロッパでは短距離航空機需要は落ちていて、鉄道会社が盛り返している。航空会社だけが提供できるサービスとは何か。そこがポイントだ。
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  • 11:11  経済成長をしている国の人たちはいま世界を経験したがっている。また金融資本をもっている中東の国はそれを活用して大量の飛行機を購入するだけではなく、それを維持して活用する航空機産業を興そうとしている。ここに参加するガッツを日本の製造業はもって欲しい。さて、仕事に戻ろう。(この項、完)
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2010年7月20日火曜日

デザイン思考と創造性

  • Mon, Jul 19
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  • デザイン思考と創造性
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  • 22:59  デザイン思考と創造性:今晩はNewsweek July19号を参考に創造性について考えてみたい。KMDで教えていることは創造性につきるのだが、モダンアート好みやオシャレ好きが創造性だと思っているところが非常に困る。エンジニアやビジネスをする人とアートっぽい人がいる、のではない。
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  • 23:05  少し前に教育産業の人と仕事をしたが、まいったのは、創造性とは美術教育とか音楽教育であるという思いこみが変わらない。また実際そこにつけ込んでビジネスをしている人も多いので面倒だ。情操教育とか、金持ちの息子とか娘がヨーロッパの美大にいってるとか、そんなレベルの話にされる。
  •  
  • 23:09  創造性はそうしたつかみ所のないものではなくて、もっと明確に定義できる。50年以上前だがアメリカのPaul Torranceという研究者がそう考えて、400人の生徒に実験をした。おもちゃの消防自動車を渡して、どうしたらもっと良くなるか、楽しくなるか考えてごらん、とたずねた。
  •  
  • 23:12  この問題に正しい答えはない。だがこの実験では創造性とは何か独自でかつ役に立つモノを創り出す力と定義されていた。それを生み出す思考のメカニズムは二つしかない。多くのアイデアを生み出すdivergent thinkingと アイデアをまとめるconvergent thinkingだ。
  •  
  • 23:19  その後50年にわたって同じテストが繰り返された。子供のときにこの方法で創造性が高いと評価された子供達は起業家や発明家や研究者、医師などになっていった。知能指数が高いと評価された子供達よりも創造性が高いと評価された子供の方が専門的な仕事について活躍していたのである。
  •  
  • 23:22  Torranceの方法で30万人以上の子供の創造性が計測されて、その後50年の人生との相関が統計的に検証された。また世界が直面している難問、wicked problemを解くためにも創造性が必要であると言われ始めた。その矢先にアメリカの創造性指標が下がり始めたと記事は述べる。
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  • 23:25  まあ、それは別として、創造性がないと難しい問題は解けない。世界中で指導的な立場にある人はこのことを理解し始めているのだ。2008年にイギリスがカリキュラムを変えて創造性に舵をきった。EUは2009年に創造性とイノベーションを推進する会議を行った。
  •  
  • 23:27  実世界の問題をどのように解決するかをカリキュラムに取り入れ始めているのだ。手前味噌だが、KMDのリアルプロジェクトと同じである。この方法を導入することで、知識を伝達して正しく理解しているかどうかというthe drill-and-skill教育法を全廃していった。
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  • 23:29  アメリカの教育はいまは信じられないほど知識詰め込みの方法the drill-and-skill教育法である。アイビーリーグを始めとする名門大学を突破するためにSATの点を上げる。そのために高校時代が使われ、かつてのゆとりある教育が消えようとしている。創造性教育はまさにここがポイントなのだが。アメリカは逆行している。
  •  
  • 23:35  さらに創造性教育でわかってきたことは美術大学で教える「芸術」教育は創造性とは関係ないことだ。創造性試験をしてみるとエンジニアも美大の学生も変わらない。また創造性を教えることが出来ないというのも神話だという。脳科学の進歩が創造性が学習可能であることを教えてくれているという。
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  • 23:43  ブレストが創造性と関係ない、という議論はブレストが苦手な人の心に響くようだが、創造性のトレーニングの実戦経験がある者であれば、ブレストばかりしていると何も作れないことはよく知っているはずだ。アイデアを拡散させたあとはそれを統合しなくてはならない。拡散させて統合させる。
  •  
  • 23:49  そのための方法をDonald Treffingerは次のようにまとめている。Fact-findingをする。つぎにProblem-findingだ。それが終わってから、Idea-finding、つまりアイデアを沢山作る。ブレストなどをおこなうところだ。
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  • 23:59  その次にSolution findingが続く。ここがまさにデザインで、どのような素材を使ってどのようなメカニズムをつかって実現するか、それは美的に納得のいくものだろうか、安全性はどうか、経済的に実現可能なのか、といった事を検討して実際に作る。そしてこの方法を小集団で行う
  •  
  • 00:03  こうしてみるとKMDで教えているデザイン思考は創造性教育のど真ん中だな。諸君は自信を持って良い。唯 一違うのは、Treffingerの方法は幼稚園から小学校5年生くらいまでが対象だという点だけど。創造的に問題を解決させるという方法が子供の創造性 の教育には圧倒的な効果があるという。
  •  
  • 00:08  アイデアを拡散させて、つまりは右脳をつかって、それを一つにまとめ上がる。これは左脳を使う。この両方 を同時に活性化させていく。これが創造性といわれる活動だ。人間はこの能力をだれでも生得的に持っているらしい。Rex Jungという神経科学者の説だ。
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  • 00:10  音楽家が演奏しながら譜面を見ている状態、あるいはジャズミュージシャンが即興演奏をしている状態を fMRIで測定すると、両方の脳が活性化しているのが分かるという。これはDaniel Ansari Aaron Berkowitzが2010年1月に発表した論文の成果だ。
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  • 00:15  デザイン思考では何度も拡散と収束をくりかえしながら、事実をみつめて問題を発見する作業をおこない、ア イデアを無数に生みだし、それを形に収束させる活動、つまりはデザインを行う。この作業を通して、諸君の右脳と左脳が同時に活性化する。創造性が発揮され イノベーションが生まれる瞬間だ。(完)
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2010年7月19日月曜日

イノベーションと社会性

  • Sun, Jul 18

  • 10:48  Y社からデザイン思考コンサルの依頼。企業規模が小さいのでちょっと難しいかと思っており、また会社の説明を聞くと、創業者がデザイン思考の固まりのような人なので、いまさら僕がワークショップを提供する必要もないかと思ったのだが、よく見てみると、たしかにイノベーションが必要な局面にある。
  •  
  • 10:51  圧倒的なエンジニアリング力ときめ細かなビジネスモデルと従業員と顧客を大事にする哲学。それで成長をして大きくなるところまでなった。たまたま市場がニッチェなので大きく見えないが、占有率は圧倒的だ。プロフィットマージンも十分ある。なんだか昔コンサルをしたP社にそっくり。どこが悪いのか。
  •  
  • 10:54  P社はつくっている商品の機能を上げることでビジネスを維持しようとした。顧客はP社についていった。だが、P社の商品を買わない顧客は当然ながら別の商品を買っていた。気がついたら時代が変わり、商品は売れなくなった。何度か幸いにも次の商品がのびて、会社を救った。だが頑固な従業員は残った。
  •  
  • 10:57  売れない高性能高価格高品質デザインの商品を開発する技術者への人件費が会社を圧迫する。なぜこんな事が起こるのだろうか?僕は技術者の社会性の問題だと思っている。優秀な技術者をもっと社会に触れさせる。自分が生かされる場所を会社のR&Dではなくて、社会の中に求めさせる。ここが胆だ。
  •  
  • 10:59  イノベーション研究者のクリスチャンセン氏が「ソニーの盛田氏はえらかった。研究所で新しいプロトタイプができると、若い研究者に友達に見せて意見を聞いてきたら」と進めていたという。実は僕はその「友達」だった。親友がSONYの研究所で開発をしていた。入社してCD開発チームにいた。
  •  
  • 11:01  20代半ばは、ガールフレンドやらフィアンセやら「嫁」やらとがやがやパーティをする。そのときに、いろいろ持ってきていた。30年くらいまえだ。腕に付けてイヤフォンをして外を走るラジオ(なんと)とかVHSカセットに録音するPCMとか、親指ぐらいのステレオ録音ができるマイクとかだ。
  •  
  • 11:03  いまは知らないがちょっとまえのSONYでこうしたことをしている人はいないはずだ。顧客はマーケットリサーチで見つけ、技術動向を調べ、商品を企画して、仕様書を書き、OEMに発注し、宣伝会社主導でブランディングをきめて広告を打つ。そのすきまにデザインがある。
  •  
  • 11:05  面白いものが出来たら友達に見せる。それが基本だろう。もちろん盛田さんがビデオを松下幸之助氏にみせて、パクられた話は有名だ。でもこのくらい商品に愛がある。いくらでも説明が出来る。エンジニアが社会と接するとはそのくらい簡単であっけらかんとしている事なのだ。
  •  
  • 11:07  あるときU社のイノベーション部隊を紹介されたことがある。優秀な若者をあつめて、特別に商品開発をやらせているという。僕は開発した商品を彼らに売らせないと、はなもちならないエリートになって会社の経営を結局は圧迫すると答えた。課長と共にやってきた若手「エリート君」達は大反発。
  •  
  • 11:08  実はおなじ感じがMITのメディアラボの学生にもある。僕はおもしろいもの、すごいものを「研究」としてつくっているから、商品化は関係ないんだ、という態度だ。またアイデアとか面白いことを作れない商売人がこうしたことを商売のねたにしたくて金をだす。みんだ駄目だ。社会性がない。
  •  
  • 11:10  おもしろいガジェットを見つけたら楽しそうに使い方を説明したり動かして見せたりしてうらやましがらせる。つまりは欲望、つまりはビジョンを語る。自分で作ったものでこれが出来たときがイノベーションなのだ。欲望の背後に哲学、つまりはニーズを探し当てたときにイノベーションはビジネスになる。
  •  
  • 11:12  僕は一山当てようという商売人は実はあまり、いやとても嫌いだ。だが商売人は動物的精神をもって、欲望をかきたて、ニーズを探し出してビジネスを行う。エンジニアやデザイナーは動物的商売人である必要はないが、商売人の方法を学び、まあ人間的精神を持った商売人であるべきだろう。
  •  
  • 11:17  研究所がビジネスをするべきだ、という話ではない。巨大通信会社の研究所の研究が無駄だからビジネスを考えるべきだ、ということで優秀なエンジニアや研究者に強引に商売を強いている現場を15年ほど前にみたことがある。3年間ほどだ。こんなに優秀な人たちになんとむげなことをするのだ、と思った。
  •  
  • 11:20  音声や通信の第一級の研究をしている人がそのままその世界を社会に持ち込む。それでいいのだ。みせてほほえんでくれて「欲しいな」と思ってくれる。それだけだ。アイデアにイノベーションが加わって、はじめて人に欲しいなと思わせるプロトタイプが出来る。それがゼロから一が生まれた瞬間だ。
  •  
  • 11:24  この瞬間を次世代のエンジニアにもってもらわないとY社の次の30年間は危うい、と創業社長はかんがえているのかなと思った。8月の初頭に時間をつくって、お話しをお聞きしてみよう。(この項、完)
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  • コメント
  • シーサー abudorasan @NaohitoOkude 孫正義と奥出先生がほとんど同じことを言っているな。大事なのはビジョンとコンセプト。
  • 浜島裕作(YusakuHamajima) yusaku_h RT @iplusd RT @NaohitoOkude 売れない高性能高価格デザインの商品を開発する技術者への人件費が会社を圧迫する。なぜこんな事が起こるのだろうか?...優秀な技術者をもっと社会に触 れさせる。自分が生かされる場所を会社ではなく、社会の中に求めさせる。
  • Rimakon Rimakon 昔は子供の頃から大人と接する機会が多いイメージ。最近は保育園~ 学校、塾、資格や大卒と時間をかけやっと会社に入る。頭でっかちんで心が未熟な成人が囲われてる感じ。 RT @iplusd: RT @NaohitoOkude 自分が生かされる場所を会社ではなく、社会の中に求めさせる。
  • issue+design iplusd RT @NaohitoOkude 売れない高性能高価格デザインの商品を開発する技術者への人件費が会社を圧迫する。なぜこんな事が起こるのだろうか?僕は技術者の社会性の問題だと思って いる。優秀な技術者をもっと社会に触れさせる。自分が生かされる場所を会社ではなく、社会の中に求めさせる。
  • 岩本 敏 iwamotosatoshi @NaohitoOkude 奥出さんのおっしゃること、実によくわかります。編集者も技術者と同じです。「いいもの作ってんだから、売れて当然」と思ってきたツケが回ってきているの が現在のような気がします。
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  • 藤木 哲也 tetsufujiki どんな仕事も「普通の感覚」に立ち返ってみることが大事だと思いま す。たとえ立場が違えど。RT @NaohitoOkude 「ソニーの盛田氏はえらかった。研究所で新しいプロトタイプができると、若い研究者に友達に見せて意見を聞いてきたら」と進めていたという。実は僕はその 「友達」だった。
  • Junichiro Toya jtoya わかるなぁ。「あっ、いいな!」と直感的に思えるようなものにしな きゃね。 RT @NaohitoOkude: おもしろいガジェットを見つけたら楽しそうに説明したり見せたりしてうらやましがらせる。つまりは欲望、ビジョンを語る。自分で作ったものでこれが出来た ときがイノベーションなのだ。
  • Takeshi Imae famiky 今日もいいお話、感謝。日射し強い午後、御身体ご自愛ください RT @NaohitoOkude この瞬間を次世代のエンジニアにもってもらわないとY社の次の30年間は危うい、と創業社長はかんがえているのかなと思った。8月の初頭に時間をつくっ て、お話しをお聞きしてみよう(この項、完)
  • Jenny El0_0l3 .@NaohitoOkude  ここでの動物的と人間的の差ってなんだろうね?理性があるかないかってこと?商売をする人には理性は必要だからそうじゃないか☆むずかしーーー♡ http://bit.ly/d46iKs
  • 矢作 孝 yahagi_takashi 考えさせられます@NaohitoOkude「売 れない高性能高価格高品質デザインの商品を開発する技術者への人件費が会社を圧迫する(中略)僕は技術者の社会性の問題だと思っている。優秀な技術者を もっと社会に触れさせる。自分が生かされる場所を会社のR&Dではなくて、社会の中に求めさせる」
  • k_2106 k_2106 RT @NaohitoOkude: おもしろいガジェットを見つけたら楽しそうに使い方を説明したり動かして見せたりしてうらやましがらせる。つまりは欲望、つまりはビジョンを語る。自分で 作ったものでこれが出来たときがイノベーションなのだ。欲望の背後に哲学、つまりはニーズを探し当て‥
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2010年7月17日土曜日

イラストレーター入門

  • Fri, Jul 16
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  • イラストレーター入門 
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  • 博士課程3年生石橋君の身体で覚えようイラストレータ。 ペンツールから。四角をつくって、ペンツールで丸くしてみよう。アーバンメディアに参加している学生みんなで挑戦。イラストレーターはKMDでデザインを行っていくときの基本ツールである。リテラシーを身に付けよう。
  •  
  • 15:08  次は円を変形。点を増やしてハートにしよう。ペンツールを線の上に置くとカーソルが出る。それをクリックすると点ができる。それを動かすと円を変形できて、徐々にハートっぽくなる。この点をアンカーポイントと言う。ペンツールを身に付けるのは時間がかかるが強力。
  •  
  • 15:12  イラストレーターのプロと素人の差は文字ツールの使い方による。文字ツールを選んでクリックすると入力できる状態になる。一列の文をうつ。次は文章。テキストボックスをつくって長めの文章を入れてみる。Webからコピーをしても良い。文字をうっただけのテキストをつかって作業を進める。
  •  
  • 15:13  文字の世界は奧が深くて、カーニング、文字組という技術がある。プロは文字を組む。上から水を流したときに均等に水が流れていくように文字のバランスを作る。イラストレーターは便利である程度勝手にやってくれる。カーニングを自動にするとある程度それっぽく詰めてくれる。ただ垂れ流しただけの文字列は駄目。
  •  
  • 15:16  人間が見る文字は複雑なので、プロは文字を一つずつ見てどのように詰めていくかを検討している。右側のがたがたは段落パレットと使って左右をそろえる。デフォルトではそうならないので、この作業をかならずやろう。こまかく自分で調整するには、文字にカーソルをあわせてオプションキーを押して作業。
  •  
  • 15:20  次に重要なのはフォントの選択である。MSゴシックなどは使うのはやめましょう。かっこよくない。せめてひらぎのなどきれいなフォントを使いましょう。明朝なら小塚明朝など。さらに良いフォントはお金をはらって買おう。高いです
  •  
  • 15:23  文字ツールを選んでSHIFTを押しながらクリックすると縦組みになる。また入れたい形(星形など)をつくってそこに文字を入れることも出来る。イラストレーターの文字はベクトルデータであり、拡大しても綺麗にみえる。これを変形することも、エフェクトをかけることもできる。
  •  
  • 15:25  イラストレーターの本質はベジエ曲線ペンツールが使えるかにつきるので、そこを集中して学んで欲しい。ではチームのロゴを作ってみよう。ではこれから作業に入ろう。というわけで、作業に突中。
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2010年7月15日木曜日

デザイン思考 Day12

  • デザイン思考 Day12 
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  • さて、デザイン思考講義もいよいよ最終回だ。今回はデザイン言語についてである。ここはなかなか難しいところだがぜひとも挑戦して欲しい。まず rationaleを明確にしておくこと。そしてなんのために作られた言語でそれをどう評価するかも明確にしておく必要がある。
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  • 23:34  デザイン言語を開発するためには経験スキルも必要だが、まずは挑戦してみよう。ここは Designing for the Digital Age 18章より。以下がそのプロセスである。文章でデザイン言語を説明するのは大変なので、自分ですでにあるデザイン言語を検討してもらいたい。
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  • ステップ1:
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  • インスピレーションの源を探す。いろいろな事例や素材やデザインを探してコレクションする。 分野を超えて構わない。 
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  • ステップ2:
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  • デザイン言語を開発するいくつかの方向を検討する。いくつもの要素をまとめてある方向性をきめてデザイン言語を開発する。例を作って試行する。
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  • ステップ3: 
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  • 要素が何を意味するかを決める。 イメージやノブなど要素のデザインが決まってきたら、それぞれが何を意味するかを決めていく。
  •  
  • ステップ4: 
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  • 実際の利用シーンでどのように要素が提示されると良いかをきめる。 この作業を何度も繰り返す。
  •  
  • フレームワークとデザイン言語を一致させる。
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  • 利用者にフレームワークをつかってもらって、そのときにどの ようなデザイン言語を利用するかを決めていく。このときにシナリオも編集していく。
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  • 23:39  ペルソナがフレームワークを利用しているときに、インターフェイスの画面はどうなっていて、そのときにデ ザイン言語がどのように表現されているかを決めていくのである。このとき、デザイン言語の解説を少し加えてシナリオを展開する
  •  
  • 23:40  デザイン言語が完成したらフレームワークに組み込み、デモが出来る状態にしよう。これがプロトタイプであ る。君たちがデザインした「道具」を実際に実践の中に持ち込み、道具の利用者が意味があり感動的な経験ができたとすれば、動的コンセプトが証明されたこと になる。デザイン思考中級はここまで。
  •  
  • 23:41  こうして出来たプロトタイプを実際の社会の中でさらに検証を重ねながら要求仕様を確定して、製造に向けての設計をおこなう。これはリアルプロジェクトで学ぶデザイン思考上級である。あと、rationaleを想定したときに入力されたデータが処理されて出力 される。この処理をする部分が大切だ。
  •  
  • 23:43  とくに複数のインタラクションデバイスを連結させて環境そのものをインタラクションにするようなデザイン を行うには、情報を処理する仕組みの研究が必要だ。ここは秋学期にデザイン言語と数理モデルおよびプログラミングで説明する。では29日、素晴らしいデモ を期待している。(完)
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日本企業とイノベーション

  • Wed, Jul 14 
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  • 日本企業とイノベーション

  • 15:13  O社とのミーティング終了。blog 日本企業の蹉跌http://okude.blogspot.com/2010/07/sat-jul-03.htmlに書いた話と同じで、日本の生産システムをそのまま海外に移転させて生きのびていくプラン。それは間違いではない。そのとき、日本にのこったチームが同時にイノベーションをすればいい。そんな難しい話ではないはずだ。なぜ後回しの経営判断?
  •  
  • 15:18  さらに進めて考えれば、従来の工場はアジアにいき、アジアの従業員で、本社はシンガポールに、最先端のイノベーションセンターは日本に。ものを作って考えるイノベーションのかたまりの国になる。プロトタイプをつくりながらイノベーションして、設計図を知財にする。製造は他の国だ。21世紀の企業の形だ。
  •  
  • 15:20  今の問題は工場をアジアに動かし、アジアの人を採用しという方法だけが実行に移されていて、本社を日本においたまま、イノベーションを後回しにしている。いま、このタイミングを掴んだ企業が大きく伸び得る。思い当たる会社は周りを見回してみると良い。
  •  
  • 18:51  イノベーションと日本企業は関係ないようにおもわれているが、かつては日本企業はイノベーションの固まりだった。中央研究所でどんどんイノベーションをしていった。東芝の西堀栄三郎松下の唐津一ソニーの盛田昭夫。みなイノベーションの神様だ。このながれが1980年始めにぴたっと止まる。
  •  
  • 18:53  いまイノベーションを教えるワークショップのコンサルティングをしていて一番感じるのは日本企業からイノベーションのDNAが消えてしまっていることだ。中央研究所は名ばかりで研究ではなく開発が中心になっている。また開発者はむやみに高度な技術を自己満足的に求めている。部品ばかり作っている。
  •  
  • 18:55  ものつくり、というなまえのもとに部品作りに精を出し、プロフィットマージンを減らし、工場が海外に出て行く。この流れは止められない。だが、僕はそれでも良いと思う。問題は工場が外国にでていき、その地域の人たちのニーズを満たしているとき、日本に残されたメンバーはどうするか、である。
  •  
  • 18:57  生産拠点のグローバル化はそこに市場がある限り間違った方法ではない。だが、そうしてある意味身軽になった国内の組織は、いまイノベーションに向かうべきではないか。日本の会社員は本当にみな創造的なのだ。もったいない。ここにリスクをはる経営者がいない。それが問題である。
  •  
  • 18:59  なにをつくればいいのかわからない、それをどうつくればいいのかわからない。そしてとうとう iPhone4がでた。いままでなにをつくるかが先行していたアップルは日本の部品メーカーの製品を「集めて」いた。ただ集めているだけだと批判された。難しいところはのり付けしていると揶揄された。
  •  
  • 19:01  次に、i-Padがでたとき、日本の部品が使われていないことに日本のメーカーはびっくりした。日本の部品でなくても集めたら作れる。だがつくりかたはまだレベルが低い。コンセプト先行だとおもっていた。そしてiPhone4である。部品を適切に配置して、ねじ止めしてある。日本メーカーと同じ。
  •  
  • 19:03  そして、初めて知るのだ。何を作るか、どう作るかの問題が存在していたと。ここはもう決着がついている。製造の設計力でもならんでしまった。だが実はあまり気にすることはない。次のブルーオーシャンを独力で探せばいいのだから。まだまだ沢山ある。問題は、そこをイノベーションする体制にないことなのだ。
  •  
  • 19:06  部品の精度と品質と価格で優位に立っている企業こそ、自分の部品をくみたてて作る商品のイノベーションが必要だ。インテルが民族誌学者でしられるジュヌヴェーブ・ベル女史を所長として「インタラクション・エクスペリエンス・リサーチ(IXR)」を最近発足させた。次のメタデザインを探す試みだ。
  •  
  • 19:08  半導体という部品はCPUあるいはMPUというコアと、周辺の部品つまりモジュールにわけてマザーボードというメタデザインイノベーションして、インテルはPCを生み出した。家電、電話、自動車になにかMPUを使うメタデザインを提供できるかの実験である。ここが決まればコアを売ることが出来る。
  •  
  • 19:10  日本には世界的な部品メーカーがある。こうした会社がきちんとイノベーションのための予算をつかって自社の部品を必要とするメタデザインを行う。こうした判断をする経営者はいないものか。ちなみにP&Gはその仕組みをつくり、organic growthと呼んだ。(完)
  •  
  • 19:41  日本企業とイノベーション:川崎和男さんコメント
  •  
  • Kazuo KAWASAKI drkazuo @NaohitoOkude 賛同です。日本が「モノづくり」のリード役を果たすとき、海外には大きなプロフィットをあたえつつ、日本はベネフィットからのプロフィット確保方法がどの 企業体も確立していませんね。この問題がすぐに日本を窮地に追い込むでしょうね。即刻手法論と実施体制が必要です。  
  •  
  •  
  • drkazuo 日本の産業は、「まだ部品が、ディバイスが日本製だから」って思いす ぎているようだ。危機はもう目の前に来ている。すでに日本の産業が一流だったことを忘れて「原点」から出発すべきだ!!!!! 
  •  
  •  
  • Kazuo KAWASAKI drkazuo 国家プロジェクトは、誰のためにやっているのか?研究者や大学人の論 文作成のためではない!「助けるべき人」・「自分たちの日常のためだ」、現状の政権や制度などどうでもいい、あてにならない制度に寄りかからず、「知恵」 で「デザイン」で打破すべきだと確信するべきだ。 
  •  
  • Kazuo KAWASAKI drkazuo @NaohitoOkude 本当に言うべき事は大学で学生諸君や次世代には「覚悟」して取り組んでほしいです。これまでの経験を存分に伝えたいです。 
  •     
  • おまけ 
  •  
  • 今日の僕のTweetsと川崎さんの適切な間の手ですが、二人ともほんとうにイノベーションワークショップをおこなっていて、でも他人事のように書いています。『デザイン思考の道具箱』もそうです。本当のことは書けない。なので、学生諸君は行間を読み取ろう。
  •  
  • 20:00  @drkazuo @NaohitoOkude 本当に言うべき事は大学で学生諸君や次世代には「覚悟」して取り組んでほしいです。これまでの経験を存分に伝えたいです。>> そう、言うべきことはKMDのリアルプロジェクトで言う。学生諸君には存分にイノベーションを行う人生を送って欲しい。  [in reply to drkazuo]
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