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2010年6月14日月曜日

イノベーションから起業を行うエコシステムが必要

  • 2010年6月13日
  • イノベーションから起業を行うエコシステムがあるスタンフォード大学の仕組みを考える機会があった。

  • 13:13  Naohito Okude and Partners ミーティング。奥出研究室卒業生と友人が開発した仕組みのプレゼン。芦澤君と聞く。これはノックアウトだな。破壊的技術のお手本のような話。さて、これを どう育てていくか。
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  • 15:32  ミーティング終了。日本で起業家を支援している人は非常に近視眼的な判断をしている。したがって面白い技 術やアイデアをもっている若い人の想像力が十分に伸びない。アイデアだけの企画屋と部品だけの技術屋になる。経営判断は銀行が行う。するとイノベーション が無くなり長期的には衰退する。
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  • 15:35  イノベーションの方法の研究は日本でいくつも出ているが、起業家をどのように育てるかについてはあまりな い。スタンフォード大学でTechnology Ventures Programがある理由に納得。技術でも金融でも知財でもなく、心構えを教える。http://bit.ly/J9NcS
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  • 15:38  基本的には人間は新しいことをしない。全員に無理に新しいことをさせる必要はない。アニマルスピリットを もつほんの少数の人間がイノベーションに挑戦すればいい。彼らをじゃましないだけではなく、支援する。お金だけではなく、技術だけではなく、哲学を与え る。ここはぜひともKMDで展開したい。
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  • 21:37  @sacred_star 参考になる書籍はありましたら教えてください。>> お勧めは前述のサイト。http://stvp.stanford.edu/ 最近日本でも売れているティナ・シーリグ 『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』はこの一部。
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  • 21:51  この本は普通の自己啓発本に思える。だが、STVPのコンテキストの中で考えてみよう。技術をもとに起業 をしようと思っている若者を勇気づけ、創造性の重要さをおしえ、リーダシップの責任を説く。組織行動学と呼ばれている講義が続く。ここの研究が日本では希 薄なのだ。
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  • 21:56  僕が学生にリアルプロジェクトを教えて2年くらいしたら読んでもらう本がある。ジェフリー・ペッファーロバート・サットン『実行力不全』である。この分野が組織行動学 Organizational Behavior である。起業家が知っておくべき事は創造性とリーダーシップなのだ。
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  • 21:58  日本のビジネススクールは上から目線のマーケティングとマネージメントと競争戦略の授業がほとんどだ。小 集団のリーダーシップとして必要な勇気も楽天的な性格も、責任も教えない。お金の儲け方や資本の集め方や、広告やブランディング、マーケティング(顧客の だまし方)を教えているとしか見えない。
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  • 22:00  だが、STVPでは、技術をもとに起業したい若者に、勇気を出してイノベーションの荒波に飛び込むこと。 リーダーとして仲間を引っ張り、卑怯に見捨てないこと、計画ばかり立てて実行してみないことの愚かさ、などを教える。知財も少しはおしえているが。要する に、起業家の心構えを教えている。
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  • 22:07  日本でも成功した起業家が若者をあつめて起業家塾のようなものをしている。 それがスタンフォード大学の中に制度として組み込まれ、成功した起業家の個人的経験ではなく、組織行動学とベンチャーキャピタル論の融合カリキュラムと なっている。シーリグの本はその入門書なのだ。
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  • 22:09  STVPのサイトに行くと、多くの講義の一部がビデオとして公開されている。講師のパーソナリティがよく 分かる。技術力のある学生と構想力のある学生が創造性に挑戦するデザイン思考を学び、起業に向けて努力する。それを支援する大学のスタッフとベンチャー キャピタリスト達。これは凄い。
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  • 22:11  日本の起業支援はイノベーションも創造性も理解しない技術者と予算実行権限をもっている役人とが行ってい る。ベンチャーキャピタルもアーリーステージを支援する人はいない。起業するときに手を汚さない人が起業しようとしている人を評価する。これではイノベー ションをバネにした起業は出来ない。
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  • 22:14  人間を大事にするマネージメントと創造性を評価するイノベーション、そしてその二つを投資判断基準とする ベンチャーキャピタリスト。Googleも初期に組織行動学の修士の学生が多く就職している。こうした能力をもつMBAは大歓迎だ。もちろんアメリカも MBAの主流は拝金主義だが。
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  • 22:20  ちなみにロバート・サットンは No Asshole Rule『あなたの職場のイヤな奴』)を出している。くそったれを組織でとう対処するかだけではなく、あなたもくそったれなのだ、と説き、戦略的な意味 も考える。名著だ。起業マネージメントは小集団からの視点をもって学ぶべきなのだ。
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  • 22:22  不思議なのはアメリカでも有数の経営学者である彼の影響力が日本では少ないことだ。起業は技術と創造性 (デザイン)が組み合わさったイノベーションで始まるが、それを継続させるマネージメントが不可欠なのだ。その道具であるリーダーシップや交渉法などを身 に付けた若者が技術デザインに加わる。
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  • 22:24  起業家精神のエコシステムがスタンフォード大学の周りに躍動している。このエコシステムから学ばないとイ ノベーションは出来ない。資本主義はイノベーションで始まる。アジアで資本主義が始まっているいま、イノベーションを生み出し継続させるマネージメントが 必要なのだ。
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  • 22:32  @nomyan nomyanそういう意味で先生のおすすめのMBA院はどこでしょうか? >>日本にはないよ。慶應KMDは設立から3年。来年から新しいカリキュラムにできるのでできるだけそうしたエコシステムを 作ろうといま模索中です。世界中でこの方向にMBAは舵をきると見ています。  [in reply to nomyan]
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  • 22:47  @nomyan KMDが提唱するイノベーション手法、これを学んだ人間が企業の経営層に入る為には、KMD内にMBA専門職コースがあると良 い>>そうです。その方向で考え始めています。ところで17日木曜日のお昼、芦澤君と一緒に食べませんか?いろいろと相談し たいので。  [in reply to nomyan]
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