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2010年7月15日木曜日

日本企業とイノベーション

  • Wed, Jul 14 
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  • 日本企業とイノベーション

  • 15:13  O社とのミーティング終了。blog 日本企業の蹉跌http://okude.blogspot.com/2010/07/sat-jul-03.htmlに書いた話と同じで、日本の生産システムをそのまま海外に移転させて生きのびていくプラン。それは間違いではない。そのとき、日本にのこったチームが同時にイノベーションをすればいい。そんな難しい話ではないはずだ。なぜ後回しの経営判断?
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  • 15:18  さらに進めて考えれば、従来の工場はアジアにいき、アジアの従業員で、本社はシンガポールに、最先端のイノベーションセンターは日本に。ものを作って考えるイノベーションのかたまりの国になる。プロトタイプをつくりながらイノベーションして、設計図を知財にする。製造は他の国だ。21世紀の企業の形だ。
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  • 15:20  今の問題は工場をアジアに動かし、アジアの人を採用しという方法だけが実行に移されていて、本社を日本においたまま、イノベーションを後回しにしている。いま、このタイミングを掴んだ企業が大きく伸び得る。思い当たる会社は周りを見回してみると良い。
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  • 18:51  イノベーションと日本企業は関係ないようにおもわれているが、かつては日本企業はイノベーションの固まりだった。中央研究所でどんどんイノベーションをしていった。東芝の西堀栄三郎松下の唐津一ソニーの盛田昭夫。みなイノベーションの神様だ。このながれが1980年始めにぴたっと止まる。
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  • 18:53  いまイノベーションを教えるワークショップのコンサルティングをしていて一番感じるのは日本企業からイノベーションのDNAが消えてしまっていることだ。中央研究所は名ばかりで研究ではなく開発が中心になっている。また開発者はむやみに高度な技術を自己満足的に求めている。部品ばかり作っている。
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  • 18:55  ものつくり、というなまえのもとに部品作りに精を出し、プロフィットマージンを減らし、工場が海外に出て行く。この流れは止められない。だが、僕はそれでも良いと思う。問題は工場が外国にでていき、その地域の人たちのニーズを満たしているとき、日本に残されたメンバーはどうするか、である。
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  • 18:57  生産拠点のグローバル化はそこに市場がある限り間違った方法ではない。だが、そうしてある意味身軽になった国内の組織は、いまイノベーションに向かうべきではないか。日本の会社員は本当にみな創造的なのだ。もったいない。ここにリスクをはる経営者がいない。それが問題である。
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  • 18:59  なにをつくればいいのかわからない、それをどうつくればいいのかわからない。そしてとうとう iPhone4がでた。いままでなにをつくるかが先行していたアップルは日本の部品メーカーの製品を「集めて」いた。ただ集めているだけだと批判された。難しいところはのり付けしていると揶揄された。
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  • 19:01  次に、i-Padがでたとき、日本の部品が使われていないことに日本のメーカーはびっくりした。日本の部品でなくても集めたら作れる。だがつくりかたはまだレベルが低い。コンセプト先行だとおもっていた。そしてiPhone4である。部品を適切に配置して、ねじ止めしてある。日本メーカーと同じ。
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  • 19:03  そして、初めて知るのだ。何を作るか、どう作るかの問題が存在していたと。ここはもう決着がついている。製造の設計力でもならんでしまった。だが実はあまり気にすることはない。次のブルーオーシャンを独力で探せばいいのだから。まだまだ沢山ある。問題は、そこをイノベーションする体制にないことなのだ。
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  • 19:06  部品の精度と品質と価格で優位に立っている企業こそ、自分の部品をくみたてて作る商品のイノベーションが必要だ。インテルが民族誌学者でしられるジュヌヴェーブ・ベル女史を所長として「インタラクション・エクスペリエンス・リサーチ(IXR)」を最近発足させた。次のメタデザインを探す試みだ。
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  • 19:08  半導体という部品はCPUあるいはMPUというコアと、周辺の部品つまりモジュールにわけてマザーボードというメタデザインイノベーションして、インテルはPCを生み出した。家電、電話、自動車になにかMPUを使うメタデザインを提供できるかの実験である。ここが決まればコアを売ることが出来る。
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  • 19:10  日本には世界的な部品メーカーがある。こうした会社がきちんとイノベーションのための予算をつかって自社の部品を必要とするメタデザインを行う。こうした判断をする経営者はいないものか。ちなみにP&Gはその仕組みをつくり、organic growthと呼んだ。(完)
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  • 19:41  日本企業とイノベーション:川崎和男さんコメント
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  • Kazuo KAWASAKI drkazuo @NaohitoOkude 賛同です。日本が「モノづくり」のリード役を果たすとき、海外には大きなプロフィットをあたえつつ、日本はベネフィットからのプロフィット確保方法がどの 企業体も確立していませんね。この問題がすぐに日本を窮地に追い込むでしょうね。即刻手法論と実施体制が必要です。  
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  • drkazuo 日本の産業は、「まだ部品が、ディバイスが日本製だから」って思いす ぎているようだ。危機はもう目の前に来ている。すでに日本の産業が一流だったことを忘れて「原点」から出発すべきだ!!!!! 
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  • Kazuo KAWASAKI drkazuo 国家プロジェクトは、誰のためにやっているのか?研究者や大学人の論 文作成のためではない!「助けるべき人」・「自分たちの日常のためだ」、現状の政権や制度などどうでもいい、あてにならない制度に寄りかからず、「知恵」 で「デザイン」で打破すべきだと確信するべきだ。 
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  • Kazuo KAWASAKI drkazuo @NaohitoOkude 本当に言うべき事は大学で学生諸君や次世代には「覚悟」して取り組んでほしいです。これまでの経験を存分に伝えたいです。 
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  • おまけ 
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  • 今日の僕のTweetsと川崎さんの適切な間の手ですが、二人ともほんとうにイノベーションワークショップをおこなっていて、でも他人事のように書いています。『デザイン思考の道具箱』もそうです。本当のことは書けない。なので、学生諸君は行間を読み取ろう。
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  • 20:00  @drkazuo @NaohitoOkude 本当に言うべき事は大学で学生諸君や次世代には「覚悟」して取り組んでほしいです。これまでの経験を存分に伝えたいです。>> そう、言うべきことはKMDのリアルプロジェクトで言う。学生諸君には存分にイノベーションを行う人生を送って欲しい。  [in reply to drkazuo]
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