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2010年7月8日木曜日

薮野美生 デザインエスセティクス講義 第5回

  • Wed, Jul 07
  • 16:39  薮野美生 デザインエスセティクス講義第5回 
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  • マテリアルの想像力:クリエータの心の中に注目して説明する。まずは今週の宝物の紹介。モホリ・ナギについて。そのあとクリエーター達とのインタビューの濃厚な記録を紹介したい。
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  • 16:43  今週の宝物:昨日から2週間西武渋谷百貨店A館1F、アウトポストでプロモーションをしている。半年前から準備した。店舗でのプロモーションは1年半年前に申請する。百貨店が閉店してから、大工さんなどが入り、ゼロから壁を作っていく。セッティングしてくれる業者と直接やり取りして自分で作った。
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  • 16:51  モホリ・ナギの紹介。バウハウスで活動した人。『絵画・写真・映画』『ザ・ニュービジョン』などの本がある。機械技術の登場をふまえて「才能はだれにでもある」「素材と人間が直接に感知しあう」と言った。
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  • 16:57  ナギ:写真「オオコウズル」部分の集中に際だった全体がある、『陰画』グラデーションを変えれば関係も逆になる、「上からの写真」この写真の魅力は対象にあるのではなくて、上からの眺めとバランスのとれた関係にある。ものではなく構図の価値。『砂の上で』上から撮ると回転可能で視覚の再評価。
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  • 17:01  『サーカスとヴァリエテのポスター』可能なことの組み合わせが豊かな緊張を生む。この表現にどきっとした。ムナーリのファンタジアの法則にもう一つ付け加えた感じ。構成と光と色の濃淡に注目して写真を撮る、その方法への思想が面白い。
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  • 17:03  ナギ:表面、ヴォリューム、空間と運動、光、という要素に注目して、誠実で偏見のないたいどで、対象にアプローチして、人間社会の未来図を考える。動きや光を表現の中にデザインに組み込んで実践した。躍動的で感動的な、開かれた美学、生活の場のなかの美学を提唱したのがナギである。
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  • 17:07  『ニュービジョン』から。生物学的な要求を満足させる正当な営みが、誤解された快楽によって、妨げられることが多い。マーケティング理論やそれに付随するデザイン論、ブランド論、消費者行動などによって見えなくなっているところを示していると考えられる。
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  • 17:11  ナギ:目的は人間であって生産ではない。社会の表面に職業や製品が押し出されるようなことがあってはならない。人間の有機的機能への正当な認識の方が大切である。利益をもとめるのではなくて、使い手の有機的な機能を大事にしなくてはいけない。有機的とは人間がスムースに生きることである。
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  • 17:19  才能は誰にでもある。つまり、任意の素材におけるさまざまな反応を形態化する。実生活のなかで、誰からでも理解されるものがつくれる。美大にいかなくても表現は出来るのだ。感受性を豊かにしていればだれにでも出来る。働くことは有機的な力の表現である。これが「食っていくため」の意味だ。
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  • 17:22  「食っていくため」に働くとは、自分の才能を保護して伸ばす、自らの努力を価値付ける。自分が作りだした知的財産の部分に対してお金をもらっていくことが、若い人たちの能力の保護であり発展となる。ナギは「自らの努力を価値付ける」「個人の権利闘争」という見方を『ニュービジョン』で示している。
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  • 17:31  講義後半:クリエーターの心の中を覗いてみる。箭内道彦、毛利幹生、高瀬真尚、布袋寅泰、姜尚中、ピート・ドクター、レスリー・キーにインタビューをして『Ginger』という雑誌に連載した。ゲストを選び質問も考え、撮影をして、と全部自分で考えて一人編集を行った。
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  • 17:35  インタビューで得た創造のヒント:毛利さんへのインタビュー:化粧品のボトルのデザインが面白いとかという話はゴルチエのボトルのデザインで終わり。勝負は陳列棚にならんだときに注目を浴びなくてはいけない。消費者が家に持って帰って飾りたいかどうか。化粧品は工業製品のデザインと違う
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  • 17:38  化粧品のデザインはコストパフォーマンスも深く関係する。既存のものを応用することが大切。限られた条件のなかでどう考えるか、クライアントがどのようにかんがえているか、可愛いパッケージを作ればいいというモノではない。デザインの評価はCDで言うジャケ買い。ビジュアルが購買につながる。
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  • 17:40  製品の機能内容にくわえてエモーショナルなところが大事。感情をかき立てるところが化粧品のデザインでは大切になる。常に新しいものを打ち出さないとやっていけない。デザインの理論にいかにチャレンジできるかを考えないといけない。単にきれいなボトルを作るのではない。だが邪道ではいけない。
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  • 17:44  薮野:いろいろ紹介したいんだが、だれにしようかな。次はピート・ドクターさん。ジョー・グランドから「君は観客になにをあたえているのか」>心に残るものを観客に与えることが必要だ、と教えられた。冒険の本当の意味を『カールじいさんと空飛ぶ家』では考えてみた。
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  • 17:55  薮野美生 講義第5回 来週も表現の手法をクリエーターの言葉で紹介したい。連載はSOIにあげるので見て下さい。次回は「かっこい」いってなんとかっこわるいんだろう。インテンションデザインエスセティクスについて講義をしたい。(完)
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  • 18:07  今日の薮野さんの講義はすばらしかった。SOIでビデオがあるから、KMDの学生は観ておくと良い。バウハウスが美学上僕たちに与えたネガティブな面は多くある。バウハウスからの脱却が大きな命題だ。だが機械技術が圧倒的に支配的になっていく中で人間の存在の大切さを守ろうとしていた点は評価したい。
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  • 18:11  機械時代における人間性回復の挑戦がナギの活動であり、また彼のダイナミズムを思考する表現はバウハウス美学の中に吸収されるものでもなかった。その視点からナギをそしてムナーリを見ると学ぶことは多い。ギーディオン『機械化の文化史』を書いてから60年少したった。次のビジョンが必要だ。
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  • 18:13  機械が生活をがんじがらめにしているときに、そのを破り、すりぬけ、ゆがめ、抵抗や反乱ではなく、別世界に飛び出した、それがDadaを始めたツァラであり、怪物機械をかわいくしてしまったムナーリであり、ダイナミズム表現に変えたナギなのだ。21世紀美学はこの延長線上で考えたいね。
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