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2010年7月27日火曜日

シンガポールモダン家具事情

  • Mon, Jul 26

  • 11:14  昨晩はCCHang夫妻と夕食。貴重な話を沢山伺った。今日は昼食をしながらPatrik Chiaと打ち合わせ。ビジネスとエンジニアリングとデザインの融合が21世紀の学問になる。いまイギリスが先行。NUS・慶応連合はここで先頭に立ちたいものだ。
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  • 20:07  Patrikとお昼を食べて、シンガポールのデザインが前面に出ている家具屋をいくつか巡りました。なかなかレベルが高いし若いデザイナーの活動が活発。ハイエンドではB&Bの売り上げがアジアで突出しているのはシンガポール。一方で普通の家具屋も多くある。MUJIはこの中級品マーケットに進出しているが、メディアファニチャーは資本的にも感覚的にもこのなかで勝負は出来ない。
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  • 20:13  お昼を食べたのはPS Cafe Harding Road の方。http://www.pscafe.sg/もとは陸軍があった場所。いまは緑の中。サイトに見るようにジャングルの中。非常に気持ちが良い。アパレル会社がもっていて、良い感じ。シンガポールの若者が来ているが、みな格好いい。
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  • 20:16  このイメージは柏樹さんの考えるメディアファニチャーのショールームそのものだね。この収まりの良さはシンガポールのモダンを考えるときの胆だ。オーナーのファッション会社は若者向けに派手なアパレルを作っていてこの趣味とは大分違うとはPatrikの話。
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  • 20:19  その後、SPACEへ。http://www.spacefurniture.com.sg このサイトからも分かるように、イタリアのモダンな高級家具を一手にあつかうオーストラリア資本の会社。いま新しいショールームを展開中。まあ良くある感じ。
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  • 20:22  そして、となりのHarvey Normanへ。ここもオーストラリアの資本だが、家電量販店に普通の家具屋が併設されている。家具のビジネスを考えると、日本でもイタリアでもこのなんというか何回も名品家具をコピーしたデザインのような家具を売るビジネスと混同される。でもこれではない。
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  • 20:24  アパレルビジネスが、オートクチュールと趣味の悪い既製品に二分されていたときに、デザインが一流の大量生産、つまりプレタポルテ、が1964年に導入されて産業構造を大きく変えたが、そのような事が起こっていないのが家具業界だ。圧倒的にデザインが優れている超高級品のあとが、えっという家具。
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  • 20:27  イタリアのサローネ(家具見本市)をみてもほとんどが「えっ」という家具デザインのオンパレードだ。アパレルで言うプレタポルテがない状態のまま、ファストファッションが登場したのがいまの状態だ。IKEAはスタイルやデザインではけっして「えっ」という低俗品ではない。だが、家具の世界は深い。マテリアルなどいくつかの要素が良い家具には必要なのだ。
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  • 20:30  良い家具はまちがいなく生活や人生を変える。モダン家具はその感動を貴族ではなくてわれわれ中産階級にわたすという明確なイデオロギーでイタリアで始まったが、プレタポルテを可能にする製造技術が伴わず、高級品に留まった。製造と流通のイノベーションがないままいまをむかえている。
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  • 20:34  メディアファニチャープロジェクトはたとえいえば、オートクチュールからプレタポルテへの変換をめざしているのだ。デザインそのものを行う力はあまり問題ないとPatrikと合意。若いデザイナーやプロデューサーがお店を出しているPurvis Streetへ。もともと中国系のお店のある場所。
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  • 20:38  そこのP5Fundryhttp://www.foundrycollection.com/などのショップを訪問する。P5は伝説のモダン家具屋クリームhttp://www.cream.com.sg/がオーナーを変えたので、いまもろもろの調整中。このあたりを見ていると、たのもしい。
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  • 20:40  で、最後に残るのはブランディングの問題。こうした家具に囲まれた生活の良さを顧客に伝える方法のイノベーションが必要。ここが何とも難しい。やりながら考えて行かなくてはいけない。貴族や大ブルジョワジーの生活を幻想させるイタリアモダン家具のショールームをつかったブランディングではない。
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  • 20:42  デザインと製造と流通とブランディング。この三つを融合させてあたらしいデザイン産業を創出する。こう言うのは簡単だ。だが実際にそうしたビジネスを可能にするにはいままでのビジネスのやり方では全く駄目だろう。ここへの挑戦がメディアファニチャープロジェクト。武器はインタラクションデザイン。
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