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2010年7月6日火曜日

デザイン思考 Day9:

  • 2010年7月5日

  • 07:29  デザイン思考 Day9: フレームワークを作る。 今週の課題はフレームワークを定義して作ることである。フレームワークという言葉は聞き慣れないかもしれない。形をスケッチして機能を決めることである。いわゆるデザインの作業だ。これをわざわざフレームワークと呼んだのはアラン・クーパーだ。
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  • 07:31  スケッチングを通しておおよそつくりたいものの輪郭が見えてきたらいよいよ具体的にどのような道具となるのかを考え始める。この段階をデザインのフレームワークを定義する、と呼ぶ。コンセプトが実際に動くにはどのような構造を持っているべきなのか、どのような形なのかを同時に考える。
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  • 07:33  これは普通の意味でのデザインである。僕たちはいままで、民族誌調査をして分析をしてペルソナとゴールを決め、シナリオを作った。デザイナーもエンジニアもその意味では自分の考えをまとめて図で示す。だが、デザイン思考では濃密なコンセプトを構築してから、デザインの作業に入るのである。
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  • 07:36  さて以下はそのための注意事項だ。
  • 1:全体を意識してフレームワークを作る。
  • インタラクションデザインはハードウェア、ソフトウェア、グラフィックデザインを駆使するインターフェイスデザイン、サービスデザインを含む。部分を完成させて統合するのではなく、全体を作りながら部分を仕上げる。
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  • 07:38  2:スケッチングを繰り返して失敗を恐れない 
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  • 全体はなかなか完成しない。スケッチングを繰り返して、失敗をしながら全体の形を探していく。部分を定義して複数の機能を全体として統合の挑戦する。各部門の役割を分担しつつコラボレーションをする。機能が定義でき、かつ全体の形も定義できている。
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  • 07:40  3:構造に注目して、細部にこだわらない。 
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  • 全体の構造を考えて、部分をインテグレートして、それが調和するかを見ていく。そのときに細部の完成度にこだわると構造が見えなくなる。複数の機能を提示してユーザーにその利用をゆだねるという製品が日本には多い。これは全体がない悪例だ。
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  • 07:46  フレームワークを構築するためにはデザインスキルが必要である。インタラクションデザインとプロダクトデザインとグラフィックデザインとサービスデザインの技法が必要。担当者を確認して自分たちの持っている技法をチェックしてみよう。技法が欠けていれば戦略を工夫しよう。
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  • 07:48  技法1:スケッチングと物語を作る力を確認しよう。
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  • インタラクションをスケッチに出来るか、物語をストーリーボードにできるかである。えー、絵は苦手、という人はいるだろうか。絵の上手い下手と絵で考える能力があることとは実は関係ない。大切なのは動きを形で考える能力である。やってみよう。
  • 07:52  技法2:コラボレーションと効率的なミーティングを行っているか。
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  • これは非常に大切。議論ばかりしたり、意味のない電子工作ばかりしているチームがある。創造的な活動をするための会議の方法があるので学ぼう。僕の『会議力』Think!SUMMER 2007 No.22の論文を参考に。
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  • 07:55  技法3 フレームワークのゴールは明確に定義できているか。
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  • 目的駆動型のデザインをもう一度確認する。要素が決まり、全体の形が決まる。だがこの道具は何を達成するものだったのか?ここで魔法のボタンを作ってはいけない。道具を使うプロセスを日常世界のなかで実践することで目的が達成されるのだ。
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  • 08:00  技法4 良いアイデアを選んで残そう。すべてを生かしてはいけない。
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  • これがこの段階では非常に難しい。その理由はスケッチングをとおしてアイデアを気楽につくってこなかったので、アイデアが捨てられないのだ。アイデアの取捨選択をする。その基準は、統一感があって、調和が感じられて、魅力があること。
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  • 08:02  複数のアイデアを組み合わせてコンセプトを作り、それをTinkeringによって動きをふまえてスケッチをする。するとどうもうまくいかないとか、魅力がないとか、気持ちが悪いとかという気持ちが出てくる。美意識でもあり、倫理観でもある。感情と哲学が交差するのがアイデアの取捨選択である。
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  • 08:04  技法5 アイデアができかけているときにそれを阻害する質問が来たら別にして後で考えるようにする。これも大切だ。現象学的設計論で実践を通してのみ活用できる道具をつくっているのに、それだけを切り離した背後の本質について議論する質問が出てくる。形が見えてくると必ず登場する。危険。隔離する。
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  • 08:08  技法6 意思決定したらその理由を明確にしておく。
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  • デザインは結局のところ意思決定である。なぜこの機能が選ばれたか、なぜこのようなインタラクションでなければいけないか。なぜこのような形なのか、すべて説明できなくてはならない。これは機能と形だけではなく、色や素材、音も含めてすべてである。
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  • 08:11  技法7 同じテーマで15分以上議論しない。
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  • 全体性をつくりながら細部をつめていくとかならず気になるところが出てくる。議論はつきない。時間をみて切り上げる。解決しなくても良い。次に議論するときには解決していることが多い。アイデアを統合する「アイデア」が必要な時もある。手を動かそう。
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  • 08:14  以上である。明日はこれがフレームワークだというものを示して欲しい。手にとって使える道具であること、実践を見せること。デザインの三要素、統合(Integrity)、調和(Harmony)そして輝き(Radiance)のすべてがあるかを自分達の責任でチェックして作業を進める。(完)
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