- Thu, Jul 22
- 11:27 NUS工学部若手教員向けデザイン思考ワークショップ Day2 開始。
- 午前中はアイデアをポストイットに書き出して説明するという普通のブレーンストーミング。100から150のアイデアを出す。なんだかいまではありがたみが薄れている方法だけど、20年前にSFCで導入したときはびっくり。
- 11:28 答えがないときに、アイデアを複数思いつく、ということが出来ない。また人のアイデアを批判することはできる。そんな学生ばっかりだった。アイデアなんて幾らでも出来る。それ自体には価値がないぞ、ということを分からせるのが大変だった。いまでも企画屋というかアイデアマンを会社が重宝するのはここにある。アイデアは希少価値があると思っている。
- 11:30 テレビ番組や広告のプロデューサーはアイデアを出すプロだから、そういった人のアイデアをありがたがる。でもアイデアは形になって初めて価値が出る。映像であれば形にするのは比較的簡単だがプロダクトやサービスは大変だ。なのですでにあるアイデアで形になっているものの「改善」をする。
- 11:31 だが、アイデアを新しい形にするのがイノベーションだ。アイデアは自分で考えようとエンジニアやデザイナーにここ20年とくにデザイン思考のワークショップを始めてここ5年ほどは口を酸っぱくして言ってきた。最近、企業でワークショップをやっていても普通にアイデアをだすようになった。
- 11:46 90分のブレーンストーミング時間が半分ほどたった。50から90くらいアイデアが出てきている。これからが苦しくなるところだ。十分アイデアを拡散させる。そこからアイデアを組み合わせてコンセプトを作る作業に入る。ブレーンストーミング法はアイデアの組み合わせ手法と組み合わせないとだめだ。
- 11:47 今回はペルソナとシナリオという方法でアイデアを統合して一つのものあるいはサービスにしていく。これがデザインという行為だ。そのまえにまずは拡散しよう。楽しそうに作業をしているのがいいね。
- 12:07 開始から一時間。早いところはアイデアが100を超えた。70前で詰まっているところもある。もう少ししたら最初のペルソナとシナリオをつくって、全員のまえでスキット(簡単な演劇)でプレゼンテーションをする。順調に進んできている。みななかなかやるな。
- 12:37 お昼までの30分でペルソナとシナリオを作る。アイデアをいくつかまとめてコンセプトにしてそれを使うシナリオを考える。ここから統合の作業に入る。アイデアの段階でいいとおもっていても、実際やってみると意外にさえないことがある。そんなときは別のコンセプトを使ってみる。統合作業だ。
- 13:07 大体できてきた。立ち上がって壁に貼ったポストイットの前で議論を始めた。ペルソナも物語もできてきた。昼食後皆の前で最初のプレゼンテーションをして、午後は紙粘土とボール紙で同じような作業をする。もう放っておいても大丈夫だ。ここからはどう統合させるかがファシリテーターの腕になる。
- 14:48 最初のプレゼンテーション終了。新しい車チームは生活空間が移動するコンセプトの発表。医療チームは何にでも文句をいうタクシーの運転手でも文句がでないデイサージェリー(日帰り手術室)のコンセプト。都市グループは子供と大人にリサイクルを同時に教えるゲームのコンセプト。
- 14:50 さて、次の作業はペルソナにゴールを与えて、ペルソナがそのゴールをコンセプトをつかって実現するまでのシナリオを考えながら、紙粘土で形を作っていく。NUSのワークショップは3回目だが、どんどんレベルが上がっていくなあ。教えていて面白い。
- 14:51 物語でデザインしていく方法について質問があった。これは企業戦略とかヴェンチャーキャピタルの投資の方法にも通じるところがあるのでは、というものだ。そのとおりである。物語は時間を含んでいるので、人間が動的な仕組みを考えるときの多分唯一の方法だ。
- 15:25 粘土をつかった形のエクササイズも順調に進んでいる。デイサージェリーチームはサービスデザインに展開できるところまで来た。この段階で十分形の可能性を検討したら、次はモノではなくて人の動きをデザインに組み込んでいく。ダンボールをつかった実物大のスケッチの出番だ。次のチェックは1時間後。
- 17:30 だいたいできてきたので、embodimentを注意して、解散とした。明日から発表に入る。デザインをしていると、対象を自分とは離れたモノとして作ってしまう。技術にある程度自信があると、そこに注目が行く。だが、良くできたモノはみて心が動かされるし使ってみて自然だ。
- 17:35 この状態をembodimentと呼ぶのだが、つねにここに注意しなくてはいけない。つかっていて意識の下に入っている状態をデザインする。そのためにはリアルサイズで検討することが必要だ。小さなスケールで作るとどうしても客観的に眺めてしまう。演技しながらリアルサイズで確認していく。
- 17:37 明日は午前中一杯で作業をして午後にプレゼンテーション。そのあとまとめのセッションをして、この15名が実際に学生に教えていくときの注意事項を伝える。すでに70名の大学一年生がデザイン中心カリキュラム(DCC)を選んで登録しているそうである。(完)
analysis
2010年7月23日金曜日
NUS工学部若手教員向けデザイン思考ワークショップ Day2
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