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2011年5月7日土曜日

博士工房 Fri, May 06


  • 11:33  今日は2時からデザイン思考についてのインタビュー。文部科学省科学技術政策研究所科学技術動向研究センターで活動をしている複数の会社の人たちから。4時30分からメディアファニチャー、6時30分から博士論文工房。新しいメンバー数名が加わって指導している博士が12名。他数名。

  • 11:35  各自発表をしていくわけだが、質問することも練習の一つ。他人の話をしっかりと聞く。基本はCritical Readingと同じ。理解するという態度が大事。5WIHの質問を発表を聞きながら自分の心に問い続ける。そしてどうしても解らないところだけを聞く。この態度がないと学問は出来ない。

  • 11:38  論文も本も書いてあるとおりに読む。自分の都合のいいところや論争を吹きかけたいところを選んで読んではいけない。この基本があってこその研究なのだ。また未熟な発表も何を言おうとしているのかを理解する努力をする。そして相手の言っていることを理解するために不足の情報を相手に質問する。

  • 11:40  当然発表する方はこうした情報をすべてそろえておく必要があるが、自分で大丈夫と思っても他人には伝わらないのが普通だ。なので発表と質問を繰り返して研究を深めていく。決してディベートをしてはいけない。また論理的に話す必要があるが、それはアリストテレスのような古典的な論理学で構わない。

  • 11:42  論理的とは近代的であり科学的であるというところから論理学者が文章論や思考法を説明している本があるが、一般的にはすすめられない。そんなに厳密な話ではないのだ。常識的な範囲で論理的に話を進める。それを論理的に聞く。まずはこれが第一歩だ。ここが出来るようになってから次の段階に進む。

  • 11:44  3割から4割が留学生なので英語と日本語でチャンポンして工房をおこなっているが、やっていることは同じで、学生の出来なさ加減も同じだ。これは方法なので出来るようになると突然出来る。出来ないとまるで駄目。自転車に乗るようなものだ。出来るようになったときがプロポーザルを出すときである。

  • 11:46  あと博士論文指導にもいくつかの方法があるが、僕のやり方はプログラム型。学生の興味に会わせて複数の領域を組み合わせる。論文提出資格としてはGeneral Examという方法をとるのが普通だ。異分野の知識が論文執筆に必要なだけあるかを試す。学問が深まった今はこの方法が一般的だ。

  • 11:48  もう一つは特定の分野の知識を試して合格したら論文提出資格資格をもつもの。Comprehension という試験をする。KMDでは多様な分野で多様な方法で博士号を出すので、プロポーザル試験を課している。指導方法は教員で異なっていてもよいとしている。プロポーザルを複数の教員で審査。

  • 11:51  まあ普通にプロポーザルが書けていれば論文執筆は可能だ。ここがいい加減だと常識的には論文は完成しない。ここをすり抜ける方法が査読論文何本という条件だ。査読論文が3本通っているのに博士論文を認めないのですか、と言われるとつい出してしまう。これでは本当の研究者は育たない。
  • 11:53  なのでKMDでは査読論文がなくても博士論文を認める。これを「簡単に博士号が取れる」と思ってもらっては困る。形式ではなくて内容で博士を出すというわけだから、実は大変。その第一関門がプロポーザル試験というわけである。

  • 11:55  博士論文提出にはあとToolsと呼ばれる試験がある。外国語や数学、コンピュータなどの技法だ。これも各自必要な者は違っているので一律に試験は出来ないと思っている。複数領域の知識と技法能力の証明がプロポーザルの目的と言って良いだろう。というわけで今日の博士論文工房が楽しみである。

  • 18:46  Ph.D Workshop。今日は12名。発表者は英語。今日は英語で行う日だな。

  • 補遺
  • ちょっとまえのRTだがここに上げておく。

  • handainakano 設計の「ディテールは事務所での徒弟奉公なしには分からない」(建築とは何か-藤森照信の言葉)。研究のディテールも研究室での徒弟奉公なしには分からない。本質的なものはどこでも似たり寄ったりであるが、暗黙のディテールによって、ある種の「流儀」あるいは「流派」が受け継がれていくのである。
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