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2010年10月7日木曜日

メディカルレコードの電子化は「今は」必要ない

  • Wed, Oct 06
  • 11:21  これから大田区の糀谷へ。久し振り。蒲田医師会・大森医師会の理事の開業医達にささえられてメディカルポケットのプロジェクトは5年以上まえに始まった。医療って社会システムを上から目線でみると問題点が多いけど、現場は人間性のある人たちに支えられている。こうした頑張っている人たちを生かす。
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  • 11:31  アメリカ型の経営コンサルタント会社が示す医療への処方箋はトレードオフ型だ。また財務省と厚生労働省のやり取りを見ていても、実践力のない人間が立案した計画に終始している。だが医療の現場を見ていると、そんなに悲観することとはない。
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  • 11:31  むしろ現状どうにかやっている仕組みを制度側が壊しにかかっている。大変動期にあることは間違いない。医療の意味も変わり、医師がすべてを扱う時代も終わっている。だが、この変動の中で現場で人間力で頑張っている動きを妨害しているのは制度側なのだ。なぜこうしたことが起こるのか。
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  • 11:34  医療という閉じたシステムの中で改善をめざすべくトレードオフの戦略を立案し、計算し、医療現場での実践力のない人間が意志決定をする。これではたまらない。医療をこえてヘルスケアの問題に関わっている人を連携させて(andの戦略)問題解決に向かうという事が出来ない。ここにつきる。
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  • 11:36  開業医は職業として一人で仕事をしている。開業医同士が連携し、他の職種のひとたちともチームプレイをする。医療だけではなく、介護、さらには生活一般に関わる人たちが連携してサービスを提供する。全く普通のことが出来ないのが現状の仕組みだ。
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  • 11:37  一人では医師はもうやっていけない。また医師だけでは医師が担うとされている仕事の責任を全うできない。こうした連携を支援する仕組みをどうにか草の根で作ろうと5年以上やってきた。どうにか先が見え始めたなあという気がする。そんなことをこれから糀谷でそば屋でお昼を食べながら話してくる。
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  • 15:48  2006年の医療法改正前は開業医が自発的につながって医療行為を実践していけばどうにかなるという雰囲気があった。また地域医療が大切と言われ病診連携が必要とされた。そこでそこに特化したサービスを作ってみたが、誰もお金を払わない。やはり保険料がつかないサービスは厳しい。
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  • 15:51  一時あきらめかけたが、そのソフトを医療系の展示会でみせたところ、いくつかの病院が情報共有システムとして興味を持った。医師の情報活動は電子カルテ以外にも多くある。そこを支援する方法を考えた。同じ地域で開業している医師同士がお互いが誰であるかを知らない。そこを支援するシステムを構築。
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  • 15:53  20名すこしの医師がこのシステムに加入して、有料で情報共有の仕組みを作り始めた。医師会や3次病院にも入ってもらった。2006年の医療法改正以後は病院が患者を開業医に引き渡す必要性が生まれ、「逆紹介」というちょっとえばった言い方が消えて「退院支援」と呼ばれ始めた。
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  • 15:54  慶應病院の協力も得て、様々なソフトやサービスを開発して学会でも報告したが、このシステムがなかなか普及しない。国や都のしかるべき人に説明すると、みな感心してくれるのだが、やろう、ということにはならない。褒めてくれるがお金は出してくれない。また褒めてくれるが自分では使わない。
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  • 15:57  世の中の医療システムやサービスはほとんど同じだろう。アメリカでも同じだと思う。社会としてはやらなくてはいけない。予算はつく。そしてそれが医療現場とは遠い医療システム構築費として消えていく。助成金がなくなったときがシステムが使われなくなるときだ。この状態をどうにかして抜けたい。
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  • 15:58  一つの方法は医療の領域をこえたところに新しいサービス領域を作る。現在経産省がすすめているような政策だ。これは正しいだろう。もう一つ、それはこれから僕たちがやろうとすることだが、医療に関わる組織の情報処理の負荷を下げることである。医師の情報処理の問題はとりあえず置いておく。
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  • 16:01  医療サービスを行う社会システムは医師や看護婦だけによって構成されているわけではない。事務作業の量は半端ではない。情報共有の労力は膨大で、かつ十分ではない。医療行為の効率化をレセプト電子化する以前に医療組織の情報ワークフローは無駄だらけで従事している人の負荷も非常に大きい。
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  • 16:05  ここを改善すると組織として普通に動き出す。分かりやすいのでつい医療行為のコストを抑えがちだが、病院、開業医、そして医療連携の仕組みが内在させている普通の情報の共有のコストは大きく、合理化が生み出す成果も目に見えやすい。その成果で医療のサービスを支援できるぐらいだ。ここに注目する。
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  • 16:10  今日の発見は、非医療行為の情報共有コストの削減ができれば、医療行為のための情報共有サービスは無料にしても良いくらいだ、ということである。医師や看護婦は医療行為に専念してもらう。そのために他の活動は出来るだけ効率化する。電子カルテに投資をするよりも非医療情報活動効率化が大切なのだ。
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  • 16:12  というわけで、5年間つかってきたメディカルポケットという名前を、メディカルエヴァーインフォメーションシステムに変えることにした。外向けの情報発信支援とうち向けの情報処理支援。これは業務改革と従来のメディカルポケットサービス、つまり医師がお互いにつながって付加価値を出す、を含める。
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  • 16:14  いまも頼まれてこうしたサービスをビジネスで行ってきたのだが、その需要が多いので、こちらを前に出す。そうすることによって、従来のメディカルポケットの上位のサービスの一部となる。具体的な活動内容はいずれTweetするが、今日はここまでを決めた。(完)。
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  • 補遺
  • 浅田さんから適切なフォローがありました。
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  • 16:16  @asada0 @NaohitoOkude 一時は病院から診療所の紹介状で保険点数が付くという話が進んでいたこともあって、実証実験までされていたんですけどね。いつの間にかポシャっちゃった。>>そう、その話もでました。一方、医療外の情報活動支援のニーズが高い。ここを攻める。  [in reply to asada0]

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