- Fri, Jul 01
- 10:02 おはようございます。今日の午後は柏樹・小林連携スキル科目。アイロンを作るの第二回目です。今日の講師は小林さん。形と機能を同時に考えながら一人の人間が作っていく。発泡スチロールで形を削りだし、電子基板を半田付けしても、全体性をデザインすることは出来ない。
- 10:03 デザイナーとエンジニアが集まってデザイン思考ワークショップを行うと何か出来ると思うが、実は何も出来ない。コラボレーションしてもほとんどの場合はうまくいかない。それはインタラクションするプロダクトやサービスの全体をデザインする作業を誰も行わないからだ。
- 10:05 メーカーではエンジニアがつくった筐体をもとにプロダクトデザイナーが発泡スチロールを削りだしたモデルを組み合わせてデザインを行う。インタラクションデザインは後回しである。だがそもそもエンジニアリングの思考とデザインの思考はわけがたく存在しているのに大学の学科でも細分化している。
- 10:08 企業の中もそうだ。実は長い間これで問題はなかった。それは作るモノが決まっていたからだ。僕はこれをドミナントデザインと呼んでいる。だが、いままでにないもの、あるいは今の現状が必要としていて存在していないモノをつくるにはエンジニアリングとデザインの活動を同時に行わなくてはいけない。
- 10:10 僕の世代の優秀なプロダクトデザイナーの多くは機械工学の知識は持っている。だが、1980年以降のプロダクトは電子工学の塊でもある。ユビキタスコンピューティングになるとさらに状況は複雑だ。エンジニアとデザイナーがコラボレーションしようにもお互いの共通言語がない。
- 10:13 アメリカの海兵隊が新兵訓練でライフル銃を使って行うと本で読んだことがある。海軍空軍陸軍の区別なく最新兵器をつかって戦争に従事する彼らだが、異なった分野の兵器をつかうための共通言語がライフル銃トレーニングにあるという。
- 10:16 モノやサービスのイノベーションを行って、プロトタイプをつくるプロジェクトに参加する学生にこの共通言語を持たせるというのがスキル科目の一つの目的である。OIKOSプロジェクトに参加する学生には小林・柏樹組の提供するこのスキルと僕が博士課程2年生の佐藤千尋さんと提供する確率論。
- 10:18 そしてデザイン思考とビジネスを結びつけるために不可欠なメンタルモデルと経営戦略の問題を博士課程4年目(?)の芦澤君が教えている。なかでも小林・柏樹連携のクラスはデザインとエンジニアリングをただ並べたのではなくて有機的な連携に挑戦し、アイロンを作るという作業で全体性デザインを学ぶ。
- 10:19 イノベーションが生じた後どのようにビジネスを展開するかを議論した本は多い。また簡単なデザイン思考ワークショップでアイデアが生まれる瞬間を体験させるモノも多い。だがアイデアをモノやサービスに展開するための複雑な作業を通して全体性デザインを教えるところは少ない。KMD今年の挑戦だ。
analysis
2011年7月2日土曜日
全体性のデザインを学ぶ:KMD柏樹・小林連携スキル科目
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