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2010年8月19日木曜日

イタリアデザインモダニズムを再考する

  • Wed, Aug 16
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  • イタリアデザインモダニズムを再考する
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  • 14:02  旧 知の倉西幹生氏とミーティングの時間調整。明日の午後遅くに。ポストモダンデザインの衝撃に青春をすごした総括を二人でどこかでしないと。1980年代の初めに 何かが終わっていて、その後30年デザインには見るものがない。そしていま新しいモダニズムの胎動を経済成長が続くアジアに感じる。
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  • 14:05  サッ カラが編集した『モダニズム以降のデザイン ものの実体を超えて』を僕が翻訳したのは1991年。もう20年も前だ。あのころを境に僕はデザイン批評の世 界を離れてインタラクションデザインの世界に分け入った。ユビキタスとパーソナルファブリケーションとティンカリング。武器はそろった。
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  • 14:07  1 年ほど前に新しいデザイン実践をする人にであって、一気にデザインのど真ん中に戻り始め、年が明けてからさらに加速度がついてきた。自分で実践して自分で 批評して進んでいきたい。そうおもって倉西氏に声をかけてみた。彼も同じように感じていた。徹底的にこの問題を突き詰めたい。
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  •  Wed, Aug 18
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  • 09:18  イタリアデザインモダニズムを再考する:昨日倉西幹生さんとイタリアデザイン史の試みについて打ち合わせ。イタリアのデザイン雑誌Domusの復刻版がTachen社から出ているので、それを補助線としてイタリアデザインのモダニズムの始まりからポストモダンの登場まで見極めてみたい。
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  • 09:20  イタリアモダニズムデザインの始まりを考えるときに、車のデザインとそうでないもののデザインを分けて考える必要がある。車はトリノとジェノバが大事になる。馬車のカロッツェリアの伝統も大事だしジェノバの造船業のなかで培われた 技術の伝統も重要である。
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  • 09:23  一方、ミラノは車以外のもののデザインが行われたが、基本は建築文化である。イタリアの建築家はあまり建物を建てる機会がない。そこで建築以外のものをつくる。ここにルネサンス芸術を背後に持つデザインが生まれてくる。この二つを軸にイタリアのモダンデザインの登場と終焉を見てみたい。
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  • 09:34  まず12巻の構成を考えてみた。仮の案を紹介する。 第1部 イタリアンモダニズムの台頭 第1巻 ミラノの建築文化:ジオ・ポンティを中心に。DOMUSを1928年に創刊する建築家。その後、ファシズムの時代が来て、ファシスト党員でないと建築ができなかった。百貨店のリナシェンテで商品開発部をつくりムナーリなどとともに食器などをデザイン。
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  • 10:43  植民地からの搾取によって形成されたブルジョワージー達の安定した世界が第1次世界大戦によって壊れる。だが、第2次世界大戦までの間の時期(戦間期)は豊かな新しい文化が生まれていた時期でもある。ジュゼッペ・テラーニの建築など紹介されているが、日常生活のデザインからこの時代を見たい。
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  • 11:04  さて、第2巻ではイタリアのジェット戦闘機に注目してみようとおもっている。イイタリアはNATO軍に参加するのだが、ジェット機の設計をしていた。ここではエンジニアがデザインをしていたのである。車や飛行機のデザインの流れはミラノとは少し違うのである。トリノを中心とした流れを押さえたい。
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  • 11:13  第3巻ではスタイリングの問題を取り扱いたい。カロッツェリアは馬車屋さんである。建築家からもエンジニアからも「スタイリング」と軽視されてきた。だがエンジニアリングとスタイリングが連合したときのパワーは凄い。最近フォルクスワーゲンが買収したItaldesignがその例だ。
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  • 14:12  第2部は戦後、奇跡の経済成長の時代。 第4巻 マルコ・ザヌーゾとインダストリアルデザイン。第5巻 家具の大物デザイナー。まだ誰とは決定していない。そして、第6巻 Kartell 社 プラスチックデザイン家具。第7巻 1968年 幸福な産業化への疑問が生まれる。
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  • 14:13  KARTELL社は 1949年にGiulio Castelli とノーベル化学賞をとるNattaによって設立される。綺麗な色のプラスチックの製品を作ることが可能になり、イタリア独特のカラフルなプラスチック製品が作られていく。ここをきちんと整理しておくことはとても大切だ。
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  • 14:15  ここから駆け足。第3部 イタリアンデザインの勃興と停滞。第8巻 Italy new domestic landscape。第9巻 ファッションデザイン アルマーニの登場。 第10巻 アルケミアメンディーニ。そして第4部 ポストモダン。第11巻 メンフィス展。第12巻 ソットサス
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  • 14:20  イタリアデザインが日本に積極的に紹介されるのは1991年ぐらいからだ。だが、そのときにはイタリアモダンデザインは終わっていた。1910年代から1980年代までの70年間の歴史だ。ガソリンエンジンとケミカルのマテリアルに変わってデジタルのマテリアルが登場したが何も起こらなかった。
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  • 14:23  もちろんいろいろな試みはあった。Tinkeringに不可欠なArduinoもイタリア発だ。だが、モダニズムの勢いはいまのイタリアデザイン界にはない。いまアジアでモダニズムの息吹を感じる。イタリアモダンデザインへのオマージュはアジアモダンデザインへのアジテーションでもある。
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  • 14:36  今回イタリアデザインの話をしっかりと書いてみようと思ったのは、実は本がないからだ。日本語は勿論英語でも驚くほど本がない。一方、イタリア人は書籍を作るのが大好きなので、沢山この分野本が出ている。自分たちのために書いているのでイタリア語である。そのあたりを少し調べながら進めていく。
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  • 14:44  数少ない本の中では佐藤和子さんの『「時」を生きるイタリア・デザイン』がモダニズムに向かいポストモダンではじけるイタリアデザインの全体の流れがよく分かる。また、日本語でブルーノ・ムナーリの本がたっぷり読めるのは嬉しい。というわけで、進捗があり次第Tweetsすることにする。(完)
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