- Thu, Aug 19
- 哲学者(あるいは反哲学者)の木田元さんの外国語学習法。上級者にいまいち手が届かない人にはとても参考になるので紹介をした。猿飛佐助は彼のある本のタイトルから。
- 11:39 猿飛佐助の語学忍術習得法:最近現象学でもメルロポンティについてちょっと詳しく調べているのだけれど、ポンティといえば僕の世代は木田元さんの訳でみずず書房から。読めもしないのに購入して書棚に並べた。初級文法を終えたら単語を丸暗記する。単語帳を作り、一日4ページ。次の日に復習をする。
- 11:42 まあここまでは皆やったことはあるだろう。日本語を見て英語を書いて、間違えたら印を付ける。3日目は8ページこの方法でやって、4ページ足す。5日おこなったら最初の一日分は外す。毎日やる。毎年4月から6月を語学月間としてドイツ語、ギリシャ語、ラテン語、フランス語。一日8時間。
- 11:49 ここが終わったら夏から冬にかけて辞書と首っ引きで一冊読む。(『闇屋になりそこねた哲学者』86頁~88頁)。発音と初級文法が終わったら、適切なテキストを探して、語彙数を増やす。それから精読をする。この方法は知的な文章を読むには不可欠だ。
- 12:07 大学院博士課程の学生はこの方法で確実な語学力を身に付けて欲しい。僕の下記のblogの木田氏による実践例である。http://bit.ly/azq44m 木田氏の本に元岩波書店社長の大塚氏の話が何度もでてきて懐かしい。よき出版文化の時代は終わったが、知的創造の先端は引き継ぎたいね。
- 12:08 英語はまず8000語、次に12000語、そして出来るだけ2万語に近づける。まずは単語帳の暗記からやってみよう。
- 12:59 @drinami @NaohitoOkude 正直私はいつも単語帳で躓くのです.>>それは単語帳の作り方に問題があります。http://bit.ly/azq44mを熟読参考にして下さい。単語帳はその背後にある文章が必要なのです。ボキャビルでは、実践的語彙力はつきません。 [in reply to drinami]
- 14:03 @drinami drinami@NaohitoOkude ありがとうございます。>>ちょっと時間をみて、効果的な単語帳を作る方法を後ほど書きますね。 [in reply to drinami]
- 18:33 単語帳の作り方:稲見さんが単語帳で躓くというので、単語帳の作り方について説明してみたい。斉藤兆史氏の『英語達人塾』を参考にした。まず第一歩は発音記号を覚えることである。これはいろいろな方法があるが僕は『英語耳』シリーズがお勧め。またアクセントの位置も覚える。歌を歌うのが近道。
- 18:37 これで音読する素養が出来た。初等文法は問題ないだろう。次に覚える作業は辞書を引くことである。やけくそになって英語の単語を丸暗記しても役に立たない。辞書を引く、という作業が単語帳を作るには必要なのだ。辞書の選び方については斉藤氏は遠慮がちだが、僕は自分のお薦めをblogで示した。
- 18:39 単語帳を作るとは辞書を引くということなのだ。(61頁)英文を読んで知らない単語が出てきたらそのたびに引く。多読は多読で効果があるのだが、ここは語彙力を付ける練習なので、知らない単語は辞書を引いて、単語帳に移す。ここで大切なことは単語カードを使わないこと。小振りのノートを使う。
- 18:52 ノートだが、最近気に入っているのはアピカのCD10WIN。で、なにか文章を音読してみる。少し前に自分の英語読解力ってどのくらいなんだろうと、SATのドリルを試してみた。だいたい普通の州立大学入学できるぐらい。Word Power Made Easyでも同じくらいだ。
- 19:01 SATの問題集を買ってきた。まあどれでも良いのだが、評判が良い Barron'sのCritical Reading Workbook for the SATを選んだ。能力判定のセクションをざっとやった。でまあ普通の州立大学ぐらいと判定された。そこで出来なかった問題をやり直す。
- 19:20 このくらいだとNews WeekとかBusiness Weekはすらすらと読めるが、Timeは苦しい。アメリカの名門大学で使われている英語に届かない。ここをどうにかしてみたいとこの頃思っているので、この際だから僕も単語帳を作ってみよう。2万語に挑戦である。
- 20:22 さて、delegateという単語が分からなかったとしよう。早速英和大辞典を引く。すると単語のあとに、発音記号がある。それぞれノートに写そう。n. とかv.とか品詞をしめす記号がある。テキストから他動詞vtとして使われている(目的語をとる)のでそこを見る。ここまでを単語帳に書く。
- 20:28 で、vt.の主要な意味を書き写す。代表として派遣する、職権などを委任する、債務を添付するなどの意味を書く。次にSATの問題集から該当する文章を写す。こうして出来上がった単語帳は自分の知らない言葉の集積となる。それを何度も読み返して、単語を確認していく。忘れたら何度も単語帳に書く。
- 20:32 そのあと、気が向いたら英英辞典を見てみる。するとgive a task or responsibility to a less senior personとある。なるほどね。自分より目下の者に自分の権利を渡すことなんだなとわかる。まあこれは写さなくてもいいだろう。
- 20:35 作った単語帳はこんな感じだ http://twitpic.com/2g5ags
- 話は翌日につながる。
- 11:24 隗 より始めよ、という言葉があって、僕の師匠の鈴木孝夫は55歳を超えてから(ってもう同じくらいの年か僕も)朝鮮語を習い始めた。大学で英語以外の言葉を 第1外国語として教えるべきだという主張を始めた頃だ。そのあたりについてはhttp://bit.ly/dwEb8bに少し書いた。
- 11:28 単 語帳の作り方を稲見君に教えるにあたり、自分も自分が出来ないこと、目指せ2万単語をやってみようと、ちょっと昨晩作業をしてみた。で、ふとおもって iPhoneのアプリで研究社英和大辞典を探してみた。あったねえ。なんと13000円。こんなときは大人で良かったと思う瞬間。で購入。
- 11:35 使ってみた。いいね。紙の辞書だとこんな感じ。 http://twitpic.com/2gc8jt
- 11:43 iPhone アプリで調べた単語はdebauchとその過去分詞debauched. 意味はvtで人を道徳的に堕落させるとか女の人をたらし込むとかそそのかして裏 切らせる。これはいいな。PODもないかと探したがいまのところAndroid版だけ。評判の良さそうなWordbookを買った。
- 11:50 SAT の問題集をやってみて分からなかった17の単語の発音記号、品詞、意味を単語帳に写した。結構楽しいね。午後は成田に向かうが、車内では例文を写してみよ う。一日20語ちょっとを写していけば、3ヶ月で2000 語、1年で8000語で合計で無事2万語到達、ってとなる狸のなんとかだね。
- 12:50 @inakage GREの英単語、すごいよ(今は知らないけど)>>そうです。凄い。SATではExcellentの下ぐらいの点なので、まずここを素早く満点に近くして、GREレベルに上げてみたいと楽しんでいます。稲見君のおかげで火が付いた。 [in reply to inakage]
- おまけ:
- 稲見君向けに単語帳の作り方を書いていたらバイリンガルの稲蔭さんからメンションが。稲見君からのお返事がないのが寂しいね。
- 難しい英文を読む、ということは実は大切であり、僕の師匠の鈴木孝夫がいろんな本で力説しているように、読んでも何のことか分からないことがあり、そのわからなさがまたコミュニケーションにおいては大切だったりするのです。博士課程の学生にはぜひこの忍術を覚えてもらいたい。
analysis
2010年8月20日金曜日
猿飛佐助の語学忍術習得法:単語帳の作り方
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿