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2010年8月4日水曜日

Bebop Antik とデザインの精神性

  • Tue, Aug 03
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  • 18:34  Goteborgsの主要産業であったVolvoが中国資本に。CEOは中国から、経営メンバーはそのまま残る。20世紀産業の終焉のニュースをVolvoゆかりの街で聞くとは。今日はお昼はSjomagasinetで。午後はHagaという古い町で北欧の骨董屋巡り。夜はBjorns Bar。
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  • 23:19  今日はこれからBebop Antik。北欧モダニズムの逸品そろいの店。早く閉まるみたいなのでだめなら明日。Hogaという古い町を20年くらい前から再開発したところにある。北欧とイタリアのモダニズムはドイツバウハウスとかなり違う。アメリカの消費文化と合わせてまな板にのせたい。
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  • 23:24  スウェーデンをレファレンスにしているが、経済や社会体制をという訳ではない。Volvoの凋落をみても、またバルト三国への貸し付けの焦げ付きなどの発表を見ても経済状況は大変だ。資本主義という嵐の中で北欧的な部分最適の政策は今後かならずしも通用しないだろう。だが、問題はそこにはない
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  • 23:28  伝統からの離脱をどのように行っていったのか。モダニズムのデザインとはなにか、という話は結構難しいし、明確な答えがあるわけではない。だが誰でもが認識できる抽象的なパターンで造形をおこなったものはモダニズムを感じる。江戸の模様のいくつかにはモダンを感じるのはそのためだ。
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  • 23:32  この感覚が機械と結びついたのが二〇世紀モダニズムだ。有機的な構造と結びついて表現のダイナミズムが豊富になっている現代建築はコンピュータの造形力(計算力)と結びついている。この抽象的な造形力はいわゆる装飾や伝統的工芸、あるいは宗教的造形とは違っている。これをミメーシスと言う。
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  • 23:35  そっくりだというミメーシスもあれば、関係ないのに形が似ているねえ、というアナロジーもある。これはこれでとても大切で面白いのだが、今回は割愛。で、ミメーシスを目指さない表現がモダニズムとすると、その存在理由は何か?ということになる。形や部分のバランス、色、質感などすべてが調和する。
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  • 23:37  人間がこのように調和したものあるいは表現と向き合ったとき、一体何が起こっているのだろうか?非常に主観的であり、心理学的でもあるこの問題を議論することなしに、機械にからめとられたモダニズム表現を自分たちの生活に取り戻すことは出来ない。そして、この魅惑的造形力は資本主義の原点なのだ。
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  • 23:45  資本主義との関わりは川崎和男さんのblogで読んでもらうとして、いま確かめてみたいのはモダニズムと精神性との深い関係である。良くできたデザインには精神性が宿る。まあこれは誰も意義はないだろう。建築も同じだ。機能や美や感情喚起をこえた何かを人は良いデザインから感じる。
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  • 23:47  ここで誤解して欲しくないのは、これこれこうした理由でデザインしているから良いデザイン、という話ではない点だ。もっと主観的な感じである。いいな、とおもって自分のものにしてしまう感じ。ここを巧みに利用して高級品のデザイナーはお金持ちの顧客の「魂」を揺すぶって財布のひもを開けさせた。
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  • 23:52  だが精神性のあるデザインの使い道は金持ちに贅沢品を売るだけではないはずだ。ある調査で無駄使いと嬉しかったことの関連を調べたところ、割と相関しているということがわかったという。機能と効用では割り切れないのだ。マーケティングにおいてこのことを主張したのは経験マーケティングである。
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  • 23:55  大量生産して、広告でものを売る時代から、消費者のセグメントをきめてターゲットを明確にして、さらに感情に訴えかける広告をする。こんな時代が大分続いた。だが、人が物を買ったり使ったりするときにもっと深い感情がある。行動経済学は感情の揺れ動きを計算して見せたが、さらに繊細な局面を見る。
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  • 8月5日
  • 17:25  い まGoteborgsのSASラウンジ。北欧デザインで良いだけではなくてサービスも、サービスを良くするデザインも良くできている。さすがだね。ホスピ タリティを平等精神からするところが胆だね。召使いのサービスではない。これはフォーシーズンスなどの方針と同じ。この啓蒙精神はいいね。
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