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2010年8月15日日曜日

デザイン思考上級に向けて:インタラクションデザインを身につけよう

  • Sat, Aug 14 

  • 前書き:
  • デザイン思考とインタラクションデザインを身につけるということについて書いてみました。デザイン思考の授業を終えて、本格的にリアルプロジェクトに挑戦しているKMDの学生を想定していますが、同じようなことに興味がある人にも参考になればと思います。

  • 14:33  インタラクションデザインについて:インタラクションデザインとは何か、という議論を少ししてみたい。デザイン思考でデザインの専門家と開発(つまりはエンジニアリング)の専門家がコラボレーションをしてインタラクションデザインを行う。だが勘違いしてはいけないことがある。
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  • 14:34  デザイナーとエンジニアはインタラクションデザインにおいてすることはない。ここを胆に命じる必要がある。インタラクションデザインのフレームワークが出来上がった後はデザイナーもエンジニアもたっぷりとすることがある。だがそれまではデザインとかエンジニアリングという知識や方法は邪魔だ。
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  • 14:36  ではなぜデザイナーとエンジニアがコラボレートするのか。それはフレームワーク(コンセプトを進化させた設計図。仕様書ではない)が出来た後、実際に実用に耐えるようにしたり、市場で魅力的な存在になるために、デザイナーやエンジニアの能力が必要だからだ。そしてこれには伝達できない要素がある。
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  • 14:38  インタラクションデザインには多くの身体知暗黙知が込められており、これを翻訳することは難しい。なのでデザイナーやエンジニアにインタラクションデザインの作業に参加してもらう必要があるのだ。デザイン思考の中級のクラスを取ったKMDの学生の多くはここにいま行き詰まっている。上級への道だ。
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  • 14:41  いま小林茂さんにワークショップ形式でおしえてもらっている様々な技術や方法はインタラクションデザインの道具であって、エンジニアリングの道具ではない。また柏樹さんの指導で模型やスケッチを行っている作業もやはりデザインの方法ではなくインタラクションデザインの方法だ。これらを活用する。
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  • 14:43  だが、デザインともエンジニアリングともインタラクションデザインは違う。ではインタラクションデザインとは何か。ある道具をつかって目的を達成するまでのプロセスを創り出すこと、これがインタラクションデザインだ。身体と道具と目的に至るまでのプロセスにデジタルメディアが介入する。
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  • 14:47  現象学では身体と道具と目的に至るまでを考察する。だが道具をつかって人間が目的を達成するプロセスがデジタルメディアの中で行われているところがインタラクションデザインの大きな特徴である。ここに積極的に介入しないと、機能のエンジニアリングと表面的な形のデザインが融合してこない。
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  • 14:55  機能を列挙して、デバイスの形をデザインしても、なぜか身体の自然な延長線上に存在しているように感じない。ある程度のプロトタイプを創る。そして目的を設定して、それを達成するように使ってみる。このプロセスを創ることがインタラクションデザインだ。身体を動かす。だがここだけではない。
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  • 14:56  デバイスやネットワーク空間の中で状態は次々と変化している。この流れをデザインすることが必要なのだ。デジタル空間がないときに目的を達成するために身体が行う行為のパターンをメンタルモデルという。ゴールとメンタルモデルを発見する。そして仮説的なデバイスをつくり、使ってみる。
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  • 14:59  このときに、目的をどの程度達成したかについて利用者に聞いても無駄だ。上手にデザインするといきなり使って目的を達成するはずだし、だめなときは駄目である。結局現場で使ってもらって本当に目的を達成できているかを検証しながらデザインするしかない。そのときに一組の能力がいる。
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  • 15:01  目的を達成するプロセスを図示したり、形にしたいるする造形能力。そして、目的を達成するプロセスを制御するプログラミング能力。加えて人間とシステムとのやり取り(センサーとアクチュエーター)を組み合わせて束ねる能力である。場合によっては形を動かすので機械工学的な能力もいる。
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  • 15:04  インタラクションデザインは結局は作って直して作っての繰り返しである。インタラクションデザインに関わる者はこの作業が全員出来なくてはならない。またこの能力はリテラシーとしてあればいいので、突出している必要はない。この作業を通してフレームワークを皆で作っていく。
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  • 15:05  出来上がったフレームワークに対してデザインとエンジニアリングが関わる。どのような概観をあたえると魅力的か、どのような仕組みで作ると安定的で壊れないか、という議論である。フレームワークを作る作業をおこなったデザイナーとエンジニアが引き取ればいい話だ。
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  • 15:07  なぜこのことをしつこく言っているかというと、中級で最初のフレームワークを作った後で、フィールドテストを繰り返してフレームワークを完成させるという作業のスピードが遅いからだ。そのためにある程度の技法が必要だ。それを習得するべく時間をかけるべきなのだ。何度も作る。それが上級への極意。
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  • 15:08  素早くがむしゃらにいくつも作る。それによってのみインタラクションデザインが可能になる。一方ある程度フレームワークが完成したら、今度はデザイナーはデザイナーの視点から妥協せずにデザインを検討し、エンジニアはエンジニアの視点から機能を検討する。この段階に持ち込めれば上級だ。
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  • 15:10  個別に指摘すると、メディカルの体調計グループは何度もフレームワークを作り直して行かなくてはいけない。その技術を先輩から学ぼう。メディアファニチャーは、修士二年生のクッション、ライト、サウンドもインタラクションデザインの完成を目指す。それぞれが修士論文のテーマだ。
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  • 15:12  メディアクロックはフレームワークが完成している。もうインタラクションデザインは終了だ。デザインとエンジニアリングに分かれて完成させるべきだろう。OurTVはフレームワークにむけてがむしゃらに作業を続けるべきだ。機能むき出して美しくない感動を呼ばないフレームワークは駄目だ。
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  • 15:14  音楽グループはようやく中級になったばかりなので、何を作るかをもう一度考えて何度もインタラクションデザインをやってみよう。Navinko、Sentioはゴールに向けてのインタラクションデザインの完成度(Harmony, Integration, Radiance)が勝負だ。
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  • 15:17  インタラクションデザインのフレームワークも作りながらでないと分からない。その作る感覚はデザインともエンジニアリングとも違う。がしっかりとしたフレームワークを構築してユーザーテストを繰り返す。夏休みも本格化する。各チーム、しっかりとインタラクションデザインを実行してもらいたい。
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