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2010年5月29日土曜日

デザイン思考と経営戦略

  • 2010年5月27日
  • 06:26  Ideoはインドに事務所を開き、シンガポールにも結局は駐在員を置く形になる。上海の事務所を通じての 事業展開。民族誌が出来るスタッフを募集中。
  • 06:28  一方フロッグデザインは、マーケット調査を徹底的に地元のスタッフで行い、その結果が出たらカリフォルニ アからデザイナーがやってきて、スタイリングを行う。昔ながらの方法。だがいまのところこの方法がアジアの消費市場では喜ばれる。経験デザインと大量消費 型洗練デザイン、さてどうなるか。
  • 06:31  結局の処デザイン思考を前にだしているデザインコンサルタント事務所が大企業のイノベーション戦略にどれ だけコミットできるか、がポイント。ここは実はマッキンゼーのような戦略コンサルタント事務所も手が出ていない。勿論IDEOなどのデザインコンサルタン ト事務所も同様だ。
  • 06:35  デザイン思考とTinkeringをくみあわせたプロトタイプを経営陣にデモして、イノベーションへの経 営的判断を行ってもらう、これが出来たらデザインコンサルタント事務所は戦略立案事務所を抑えて、トップコンサルティングが出来るようになる。
  • 06:44  だが、これはマッキンゼーのような戦略コンサルタント事務所がデザイン思考とプロトタイプ作成能力を身に 付ければ、このマーケットは彼らのものになる。またワイデンケネディのような広告代理店がデザイン思考とプロトタイプ能力をみにつけると経営戦略コンサル が出来るようになる。
  • 06:47  いずれにしても、21世紀に企業が生き残っていくためには、マーケティングだけではなくてイノベーション を方法として経営に取り込むことが必要なのだ。マーケティングの方法はあるいみコモディティ化して誰でもある程度は出来る。イノベーションに果敢に挑戦す る企業だけが生き残る。
  • 06:49  ポイントは、イノベーションに成功する企業が生き延びるがその能力を持っている企業は少ない。したがって ここにコンサルティングの市場がある。だがこの市場に入っていく方法論も、それを正当化する経営スキーム(要するにいくら払うか)も存在していないのが現 状だ。
  • 06:52  P&Gはイノベーションの費用を通常の経営の費用から切り離した。成功や失敗と関係ない費用とし たのだ。いってみれば研究開発の費用である。だが、イノベーションにこうした費用を当てている会社は少ない。なぜならイノベーションは「研究開発」のよう な先端技術を必要としないからだ。
  • 06:54  枯れた技術の方が良い。これを破壊的技術という。安くてどこでも調達できる技術を組み合わせる。組み合わ せるところにメタデザインあるいはメタエンジニアの能力が発揮される。i-Padが技術的にはたいしたことがないという議論があるが、部品をまとめたメタ エンジニアリング能力は非常に高い。
  • 06:59  メタエンジニアリングあるいやメタデザインを評価できない。ここを分かってもらうにはプロトタイプで見せ るしかない。大企業にその力がなければ、そこに経営コンサルティングの市場がある、ということである。この市場をとるのは誰か?デザイン思考や Tinkeringの議論はここにつきる。
  • 08:14  いまシンガポール国立大学が僕のデザイン思考のワークショップに興味を持って、授業に取り込もうとしてい る。工学部の学部、大学院、社会人MOT大学院、ビジネススクールである。ここに同じモジュールでデザイン思考を組み入れるにはどうするかを考えている。
  • 08:16  複数領域がコラボレーションしないとイノベーションは発生しない。どうやればいいのか、それ自体をイノ ベーションする必要がある。だが、新製品だけでは無く、製造方法、素材、流通、そして組織。すべてを総合的にイノベーションして行かなくてはいけないの だ。これをやりきる動物的スピリットが必要。
  • 08:18  創造性を教えるだけでは腰抜けになる。Tinkeringを教えるだけでは社会性がない。現場に放り込む だけでは破壊的イノベーションは出来ない。さあどうする?この問題をシンガポール国立大学に新しいカリキュラムを提供する実験の中から考えてみたい。 KMDのメソッドを普及させる試みだ。
  • 08:34  経営陣へのイノベーションコンサルティングは、経営戦略を語ることが出来るコンサルタントによる説得、経 営陣を実際にデザイン思考ワークショップに参加させて創造性が生まれる瞬間を理解させる仕掛け、そして市場調査をふまえたイノベーションのプロトタイプの デモから構成される。
  • 08:35  技術やアイデアのデモではない。イノベーションそのもののデモである。製造から流通から組織までを含んだ 総括的な提案だ。これを行うことが出来たところがいま企業が直面しているイノベーションへの渇望に答える新しいタイプのコンサルタントとなる。国際的な競 争が始まったと言える。

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