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2010年5月9日日曜日

21世紀デザインにむけて

  • Mon, Apr 26
  • 15:47  工業デザインって大味な悪趣味(キッチュ)の洗練だとおもう。人々が好む物が悪趣味だって芸術家が憤っていた19世紀後半に登場して、新しい美を宣言した。大量生産できる美だ。既製品(レディメイド)ですら芸術になる。デュシャンの発見は工業デザインの中で展開していく。
  • 15:52  大 量に作るための工場設備と新しい素材の発見と、製品を売る広告と製品のスタイリングとパッケージ。これがすべてだ。だが、このなかで美が可能だと発見した のがモダンデザインである。複製技術が登場したからだ。だが、そこから模造品も登場してくる。あきらかな模造から工夫した模造品まで。
  • 15:57  で、 模造をやめようということと、きちんとした芸術をデザインでおこなおうということで、いいデザインを選択する仕組みが作られる。いいデザインを「専門家」 が選び、推薦する。だが、それってどうか?またオリジナリティってそんなに大事だろうか?そもそも「一流品を作るデザイナー」ってなに?
  • 16:01  逆 の考え方もある。いいデザインつまりはIntegration, Harmony, Radianceの3要素がしっかりとあるものは確かにある。それを見抜く「目利き」やそれをつくる「名人」がいる。彼らが選んだり作ったりする物はいい ものだ。だが、その能力を持った人はたくさんいる。
  • 16:08  目 利きや名人はたくさんいるのに、ほんの少数の人だけがデザイナーとして仕事をしている。それは大量生産、マスメディアが前提だからだ。いくらでも複製でき るからマスターピースを作る人は少数でいい。この仕組みを前提としてクリエイターやデザイナーを語っているのが現状だ。
  • 16:12  人 々のために夢のある物やサービスをとどける。これがデザイナーの役割だ。夢は時代によってかわる。便益が「夢」だった時代は機能がデザインされた。19世 紀市民社会の中産階級には貴族風の「夢」があたえられ、20世紀プロレタリアートには「中産階級(ブルジョワジー)」の夢が与えられた。
  • 16:22  ル イ14世の時代の大臣だったコルベールは贅沢品を輸出してフランスの価値を高めた。ファッションも料理も彼の重商主義の産物だ。フランス革命により贅沢品 をつくっていた人たちが市場に投入される。彼らはその能力を「市民」に提供した。「芸術」の登場だ。芸術は最初から商品なのだ。
  • 16:28  商 品としての芸術を楽しむことができるだけの金銭的余裕のない人たちも「芸術」をもとめた。当時のあらけずりの機械で複製をつくった。だがそれは見るからに 模造品で偽物だった。キッチュとよばれたりエフェメラルと呼ばれる世界だ。だが「偽物」も上手に選べばおしゃれだという感性が生まれてくる。
  • 16:32  この感性がモダニズムであり、ボードレールがパリの「偽物」だらけのアーケードを遊歩者(フラヌール)となって感じ表現したことである。「偽物」にも作り手はいた。商品を選別して並べる。パリの百貨店の始まりであり、マーチャンダイズという商品学の登場でもある。
  • 16:37  家具や食器に質のいい「偽物」も登場してくる。いまいわゆる「本物」とされている高級品がこのころ登場する。だが、このテイストに耐えられないグループが19世紀の末に登場する。モダンデザインの始まりである。続きはまた後ほど。

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