analysis

2011年2月23日水曜日

NUSDCCデザイン思考ワークショップ第2日目


  • Feb 22, 2011

  • 11:30  NUSデザイン思考ワークショップ2日目レクチャー3としてGoal directed designの話をする。Alan Cooperの方法とContextual Inquiry の方法の組み合わせについて説明。濃い記述から5モデル分析をして、ペルソナを作り、ゴールを想定する。 »»

  • 11:32  ゴールを達成するまでを身近な劇(Skit)として発表する。そのための小道具が開発するべきプロダクトでありサービスとなる。何が必要かをブレーンストーミングする。ポストイット、紙粘土、ダンボールと素材をどんどん変えていく。開発のプロセスの説明をSound Candyを使って行った。 »»

  • 11:34  Sound Candyは少し前のプロジェクトだがメディア芸術祭でも賞をもらったし、テレビでも何度も紹介された。幸いに開発のプロセスの記録が残っている。民族誌調査をしてコンセプトをつくり、スケッチを繰り返す。そのあとセンサーやアクチュエータをプログラムしてアイデアを形にする。 »»

  • 11:36  電子工作でTinkeringを繰り返しながら、当時購入したばかりの3Dプリンターを使って形を検討した。最終的にはその形にふわふわの毛が着いている布を被せた。フィールドワークから創造的にモノを作るまでの過程を詳細に説明した。 »»

  • 11:37  民族誌と反復的プロトタイプを繰り返して創造的なモノを作る。デザイン思考はこのプロセスをしっかりと実践しながら、社会における具体的な問題に挑戦することが出来る。複数のペルソナがお互いにコミュニケーションしながら問題を解決する現場を分析することが出来るからだ。 »»

  • 11:39  そうした分析をへて、発想の基盤をつくる。そのあとは、それを忘れるくらいに自由にいろいろな発想を繰り返す。そこからコンセプトを作り出す。そのコンセプトは作り手が主観的に作ったものなのでもう一度現場に戻してみないとその妥当性が解らない。その最初の作業が寸劇である。 »»

  • 11:41  寸劇をみて、だれもがこれでいいね、と納得したときに、メンタルモデルが検証されたとGoal directed methodでは呼ぶ。ここを目指して何度も反復開発を繰り返すのである。まずはペルソナとゴールを決めることがお昼までの課題だ。昼食後プレゼンテーションを行う。 »»

  • 12:46  ワークショップ中。グループ毎に進捗状況が違うが昨日フィールドワークに同行したグループBの出来が半端ではない。粘土で作ったモデルで人形劇を始めた。neurological physiotherapyのリデザインをデザイン思考で行う。素晴らしい。1時までにどこまで仕上がってくるか。 »»
  • 13:42  コンセプト発表は1時の予定を2時に変更。コンセプトが出来てるBチームはスケッチとプロトタイプ作業を始める。残りのチームは頑張って仕上げよう。時間があればという声が出始めたが、TAにコンセプトの切れ味を保つには時間を掛けては駄目、アイデアは閃きなのだから、とハッパを掛ける。 »»

  • 16:53  コンセプト発表プレゼンテーション。Aグループ。初老のストリートシンガーが公共交通を利用するところを調査。シンガポールには各所にハンディキャップのシンガーがいる。歌って生計をたてている。彼らの目から見て、公共交通の利便性を考えてみる。 »»

  • 16:54  Bグループ。神経学的理学療法を自宅で行う。調査したリハビリの文化モデルは病院なり施設に週1回かよって、あとは自宅で行うというもの。家庭で出来るコンセプトを考える。コストカットにもなる。良くできている。あとはどのようにappropriateなデザインが提供できるか。 »»

  • 16:56  Cグループ。大学構内のバス停留所を調査。待ち合わせをして多くの本や雑誌や鞄をもって乗車する学生を観察して、また実際にも持ってみる。4人から6人の小型の車で目的を解決できないか?アイデアはいい。どのようにシステムをデザインするかが問題。プロトタイプ主義で考えてみる。 »»

  • 16:59  Dグループ。公共交通の使い勝手の調査。だれがおもにつかっているのか。小規模金融でお金を回収する役割の老人をペルソナにする。名前は最初Tangさんだったが、フィールドワークで出会った人の写真はどうみてもマレー系だというので、Aliさんへ。このあたり多民族国家。 »»

  • 17:00  Eグループ。NUSにおけるエンジニアリング教育の再デザイン。まあテーマはありきたりだが、NUSは立派な大教室がいくつもある。そこで教授から「知識」を伝授され、あとは課題をこなしながら勉強していく。どんどん授業が進むのでわからなくなり、面白くなくなる。 »»
  • 17:01  フローモデル、シークエンスモデル、アーティファクトモデル、物理モデルと分析がすすんで、ペルソナをたててきた。だが、文化モデルは?つまり講義で知識を伝達して、それを繰り返しのドリルで身に付けるという文化モデルと実際の学生の生活や興味が一致していないのでは?と質問。 »»

  • 17:03  ある程度分析が出来るようになると、人々がシステムの中で適応して自然だとおもってある種の行動のパターンを発生させている現象が理解できるようになる。そうなった段階で必要になるのは、その行動の背後にある文化モデルの理解である。事態に適合しない文化モデルと現実との狭間に注目。 »»

  • 17:06  多くの人は工夫をしてしのいでいるappropriationという。問題を見つけたら、それを解決する方法を提案する。だが人々が馴染んでいる世界を壊すとその提案は普及しない。つまり新しいけれど人々にとってappropriateでなくてはいけない。ここを突き抜けるのがデザイン思考だ。 »»

  • 17:07  このように説明すると難しいが、iPodがMP3の曲を大量に整理する「ウォークマン」だったことを考えると解る。ヘッドホンで移動しながら音楽を鑑賞するというappropriationを破壊しないで、大量の音楽を自在に聴くという新しい経験を提供している。 »»

  • 17:12  合理的で論理的に構築されてある程度の効果が確認されているシステムを改善することは出来ない。多少の不都合があっても人々はそれに適応しているからだ。したがって都市問題や医療問題はそのままでは手が付けられない。これをwicked problem と呼ぶ。何度か書いた。 »»

  • 17:14  wicked problemを解くためには何度もトライ&エラーをしなくてはいけない。論理的分析的な作業ではなく、創造的なプロトタイプ作成作業のみが難しい難問を解いていくことが出来る。したがって、文化モデルをしっかりと理解して、人々のappropriationも理解する。 »»

  • 17:17  そして、問題点を解決する方法を人々の日常世界に着地させるためにデザイン思考を活用するのである。そんな話をしてコンセプト発表会の総括とした。次は第一回目のスケッチの発表。つくる全体像が見えたら、そこからキモになるような場所を抽出して、作ってみる。納得がいったら寸劇で語る。 »»

  • 19:38  5時30分から今日の最終プレゼンテーション。ダンボールを使って実サイズで。グループAは公共交通のバスをつかってハンディキャップをもった音楽家が移動できるようにというプレゼンテーション。新しい都市交通と移動手段へのスコープを持とう。 »»

  • 19:39  Bグループはダンボールをつかって新しい理学療法システムの提案。もうかなり完成していて、ステークホルダーの分析とビジネスモデルの分析をしてデザインにさらに反映させるようにということで。 »»

  • 19:42  グループCは大学内のバス交通への代替案。学生がバスを使っている方法のままあたらしい交通手段の提案。これはおもしろい。基本的には大量の機器を分散的かつ自律的に制御する。その方法を考えよう。 »»

  • 19:44  グループDはシンガポールのタクシーシステムへの代替案。シンガポールの公共交通システムは充実している一方で利用者への負担も大きい。必要なときに必要なサービスを提供するための新しいシステムを必要としている。そこまでスコープを広げる必要がある。こうした挑戦が実際に出来るのがおもしろい。 »»

  • 19:45  グループEはDCCの先生達が中心。知識の伝達から実践能力の育成に高等教育が変わっていくときにどうすればいいのか。いくつかのアイデアのプレゼン。カリキュラムを変えていくところに注目してそれに必要なデバイスも考えてみると言うことで。シンガポール大学の特徴の大講義室を活用する案。 »»

  • 19:47  アイデアをより大きなスコープにつなげて、意味のあるデザインを提案する。モノのデザインでもシステムのデザインでもなく、融合したところにしっかりと焦点を当てて、いろいろと考えてみる。 »»

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