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2011年4月30日土曜日

OIKOSプロジェクト クラスターミーティング

  • Fri, Apr 29

  • 07:12  クラスターミーティング終了。2つの教室に分かれて。01教室はSOCIETYクラスター Media Convergence 、Digital Kids、 Pop Power 、Creative Industry

  • 07:13  NETWORK クラスターはNetwork Media 、 Global Computing + Media Telescope、Global Education。最後に石倉先生の新プロジェクト構想。

  • 07:16  02の教室は LIFEクラスターがOIKOS: Art Life Project 、Social Entertainment Everybody's Art、Sanctity of Life。

  • 07:17  ENTERTAINMENTクラスターがPower of Motion Pictures、Food & Fashion Media、そしてReality Mediaである。修士論文中間発表の時も二つの教室に分かれた。一緒にやりたいがまあこれが限界。興味に会わせて教室を変わる。

  • 07:19  4年目に突入ということでリアルプロジェクトの成果もでてきたし、新しいプロジェクトの説明もあり、楽しかった。スポンサーを獲得して社会に変化を与える活動を共同で行うというリアルプロジェクトのコンセプトは、僕は科学技術の進歩が未来を切り開くというMITメディアラボより優れていると思う。

  • 07:22  メディアラボは新しい所長を迎えて方向を変えていくと思うが、設立の時は僕はアメリカのワシントンDCにいたが、日本の会社から金をもらって研究資金にしようという思惑が露骨に見えて嫌な感じがした。日本進出である大学とのやり取りも直接見たがひどかった。

  • 07:23  皮肉というか当然というか、メディアラボが提示した「デモ」は素晴らしかったけどね。初期のコンセプトやその開発についてはスチュワート・ブランド『メディアラボ』という本にまとめている。カウンターカルチャーとテクノロジーが結びついたユートピアだった。素晴らしかったけど。

  • 07:25  一方メディアラボからでてきた「とろけるような」デモの役立たずさぶりも凄かった。あんなものに日本企業はよく金をだすなあ、とおもっていた。新しい所長にかわって、どこまで社会のイノベーションを引っ張っていくか注目したい。さて、KMDクラスアーミーティングである。

  • 07:28  02の教室は稲蔭先生、稲見先生、館先生、そして僕がおもに関わっているプロジェクトが中心である。リアルプロジェクトはスポンサーに評価されるという原則は当然まもっている。3年経ったので、評価されなかったプロジェクトも当然ある。また新しいプロジェクトの紹介もあった。

  • 07:30  最初はOIKOSプロジェクト。これは僕が中心となっているプロジェクト群だ。メディカルプロジェクト。これは砂原先生と加藤先生に技術の担保をしてもらって、奥出がコンセプトを社会に持ち込むというのが教員の役割。第1期3年が終了。

  • 07:32  スポンサーのVeriSign社ともう1社名前を出してくれるなという大企業へのプレゼンも終了。実際の医師、看護師、介護者、さらには薬局などを巻き込んで在宅医療のサービスをつくり学会、展示会の出展、そしてデザイン誌『AXIS』への掲載と活動を積み重ねてきた。

  • 07:33  最後の企業トップへのプレゼンテーションは僕が行ったのだが、良いプロジェクトにしていただきました、とか最初は不安でしたがここまで仕上げていただけると嬉しいですとか、という過分のお言葉。ことしは彼らに加えてさらに数社新しく加わってもらって新しいプロジェクトを始める予定だ。

  • 07:35  このプロジェクトは医療の現場に入り民族誌を書き、それを分析してプロトタイプをつくり、現場に持ち込み評価してもらってそれを修正する。かなりハードなデザイン思考の実践である。その分学生は鍛えられる。生き残った学生は各学期数名以下だが、それぞれほれぼれする就職をする。見る人は見ている

  • 07:36  次はメディアファニチャープロジェクト。これはシンガポール政府のお金をCuteセンター経由で使っている。MDAという役所の高官が3月11日に来日してそれにあわせてプレゼンテーションを行った。地震の直前だ。昨年はわかりやすくデザインを前面に出したテレビでこのプレゼンをした。

  • 07:38  ことしはソファーやクッションをテレビに加えて、操作する環境を作った。普通ファニチャーをインタラクション技術であつかうと、スイッチでの操作をする環境に置き換えようとする。だがこれでは駄目なのだ。しかし、学生はその先をみる想像力はない。なので、まずはそこまで作りプロトタイプを使ってデモをした。

  • 07:39  プロトタイプをつかってデモをしてみると、このファニチャー群をプラットフォームとしてその上にアプリケーションを作らないと新しい価値が生まれてこないことが解る。来年度はそこが勝負。だがデモの力は大きくて、シンガポールの家具屋さん向けの展示会などの話もでてきた。日本企業の巻き込みの準備も始めた。

  • 07:40  新しいメディアを作るとは口で言うのは簡単だが、おそろしく難しい。なのでほとんどのデジタルメディアプロジェクトはテレビや電話や携帯電話をどのようにつかって新しいメディアコンテンツをつくるか、になり、それを新しいメディアの創造だと言っているが、全然違う。コンテンツは作っているけど。

  • 07:42  だが新しいメディアを作り、それをプラットフォームとして新しいコンテンツを作る。マクルーハンが新しいメディア(テレビだけど)をみて「メディアはメッセージだ」といったのはこのことだ。OIKOSプロジェクトは新しいメディアを作り、それをプラットフォームとしてアプリケーションを作る

  • 07:45  評価という点では一年目二年目と生きのびて来年は最終年。そのまえに企業を巻き込み、このままスピンアウトして起業する流れがあると思っている。活動の前線をシンガポールに移し、KMDからCuteにスタッフを送り込み、いよいよ勝負である。

  • 07:47  その次はアーバンメディアプロジェクト。これはJR東日本企画をスポンサーとして始めたが初年度で否定的な評価をされて中止。GPSでユーザーの位置情報を獲得してそれをつかって何らかのサービスをするのが基本である。Where2.0として注目されるアプローチだがどうもうまくいかない。

  • 07:49  コンセプトも技術もプレゼンテーションも面白いのだが、次に進まない。JR東日本企画が降りた後、独自のプロジェクトとなった。いきなり解散もかわいそうだと言うことになりあらたなスポンサーを探したがうまくいかない。スポンサーにメリットがないからだ。

  • 07:52  企業は面白いなと思ったのはR&Dの部門、とくに研究の部門はいわゆる科学的エンジニアリング的研究にお金を出す。そして事業化マーケティング的視点からつまりすでにあることできることへの付加価値にしかお金は出さない。デスバレーという言葉があるのは構造的な問題だ。

  • 07:55  都市メディアはつかっている人はおもしろがるが企業のメリットがない。しばらくやってみたがどうしようもないので、解散にして、別プロジェクトに学生を回した。結構いい成果をだして卒業したが、その別プロジェクトがリアルプロジェクトだったかというとそうではない。スポンサーがないから。

  • 07:57  2年目の半ばにリアルプロジェクトとしてのアーバンメディアは解散して修士論文にむけての開発に切り替えたのだが、一つだけ残して新しいリアルプロジェクトとして動かした。それがSentioである。ビジネス化つまりは収益化が出来ないのが問題だと解っていたので、マーケティング的に分析した。

  • 08:00  だが都市をメディアとして位置サービスを提供してビジネスを行うという流れが成立しない。そんなときにKMDの古川先生から東京モーターショーみたいな所で使えるよねえ、というコメントを頂いた。で、KMD全体と共同のプロジェクト立ち上げのプロジェクトをおこなっている赤坂にあるある会社へ。

  • 08:02  そこで、閉じられた都市空間、ようするにショッピングモール、展示会、サーカー競技場、野球場、コンサート会場、遊園地などをマーケットとして展開する方法を暫く検討した。現在赤坂にある会社と企業プレゼンを共同で作りながら、古川さんへのプレゼンを準備している。古川さん経由でXXXX(秘密)

  • 08:04  このようにリアルプロジェクトには失敗もあるが、それはプロジェクトが失敗しただけで、そのメンバーにはしっかりとした力が付く。アーバンメディアはそんな例だ。次はミュージック&サウンドプロジェクト。これもアーバンメディアのメンバーが始めたプロジェクトだ。

  • 08:06  プロジェクトがたち行かなくなって、解散したがやったことをまとめて修士論文にした。そして、むくむくとチャレンジ精神がうまれてきてある学生が博士課程に進学。音楽をとりまく市場を変えるプロジェクトとして立ち上げた。音楽の才能があるということでいまの音楽市場に出て行っても無駄だ。

  • 08:08  そこで音楽を人生にしてもよい学生を集めてプロジェクトを始めた。新しいメディアをつくらないと音楽の市場は生まれない。この根気の要る作業にのこった三名の修士の学生とプレゼンテーションとデモを作った。何社か廻ったが、そのうちある会社がショッピングモールビジネスを後発で手がけていた。

  • 08:10  そこにプレゼンテーションをして共同プロジェクトの契約書を準備していたときに震災。実験予定のショッピングモールも被災した。6月には再開するようなので再び交渉を始める。その間、デパートその他の場所のフィールドワークを繰り返しているうちに、すばらしいコンセプトを思いついてXXXX

  • 08:12  XXXXのところがまあリアルプロジェクトの価値だ。出来上がれば発表できる。さて最後は大阪イノベーターズクラブ。これは二年前に大阪市からKMDに大阪市北ヤード地区の再開発の一部への協力の話が来た。僕は都市開発の基本構想のコンサルティングも時々行っているのでKMDのリアルプロジェクトとして引き受けた。

  • 08:14  大学で引き受けたものの学生で出来る調査ではないので、僕の研究室に二〇年まえ入ってきて、そのあとNTTに行き、最後はDocomoで、そのあと起業して、KMD発足と共の博士課程の学生になった芦澤君と行った。彼もプロとして都市開発基本構想の経験がある。

  • 08:16  一年目はざくっと全体をみて、大阪市の強みを調べた。大企業と東大阪の技術力のある中小企業というのが一般的なイメージだが、実際に調べてみると、中堅企業が多い。100億から200億くらいの売り上げだ。200社を優に超える。日本の行動成長と共の大きくなり大企業を支えてきた。

  • 08:18  技術力は日本一どころかばあいによっては世界一だ。グローバルニッチという。ここから数社ピックアップしてイノベーションの実験をしようと提案した。昨年は実際に5社にあつまってもらってデザイン思考ワークショップ。楽しんでもらっただけではなくて、このチームで本格的な新事業提案を作りたいと。

  • 08:20  ことしは3年目。都市計画の報告書は要求されなくなったので、担当を博士課程の大学院生に移して、一年間本格的なデザイン思考ワークショップを行い、5社協同でイノベーションを行う。5社を会わせると数百億の売り上げになるので、小回りの利く大企業事業部という感じだ。

  • 08:22  これはイノベーションの実験であると同時にイノベーション方法のイノベーションでもある。産業クラスターという考え方があって、基本的に都市開発と結びつく。工業団地みたいな感じだ。クリエイティブインダストリー論もリチャードフロリダ氏は都市をつくるという視点がある。

  • 08:24  だが、ここからは難しいところだ。作ろうと思ってはいけないというのがハイエク『感覚秩序』でのべたところだ。人間の能力を超えたことを計画してはいけない。自分の出来ることの連鎖が結果的にはよい街を生む。イノベーションを心がける企業のネットワーク、イノベーションパイプラインを作る。

  • 08:26  まあそんなことを考えて、5社でイノベーションワークショップ。新規事業に値する成果が出てそれを評価してもらう。その実績で来年度はパイプラインに60社加わってもらう予定。そうしたパイプラインのハブを400平米ほどのスタジオとしてデザインする。以上5つプロジェクトの紹介をした。

  • 08:29  リアルプロジェクトの定義は社会にインパクトのあるプロジェクトを大学以外の組織と組んで行うということだ。大学にはお金権力もない。知恵と人だけだ。したがってパートナーはお金と社会的な支援を提供しなくてはならない。つまりそれに見合った魅力的なアウトプットを生み出すのが大学の仕事。

  • 08:30  KMDはリアルプロジェクトを目指して4年目だが、すこし手応えが出てきたと思っている。砂原先生、加藤先生、古川先生、稲蔭先生とタッグを組みながら3年間やってきて実に面白かった。これからもがんがんいく。(完)
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